株式市場の振り返り-様子見スタンスが強まり、日経平均株価は僅かな反発

2016年9月13日(火)の東京株式市場は鈍い動きとなりました。日経平均株価は前日比+0.3%の上昇となった一方、TOPIXは僅かに下落して引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.6%の上昇となりました。

日経平均株価は、NY市場の反発などを受けて前日比+91円高で寄り付き、その後間もなく+114円高まで上昇しました。しかし、その後は上値が重くなり、後場は一転してマイナスに転じます。一時▲14円安まで下落しましたが、最後はやや切り返して、大引けは+56円高の16,729円でした。

東証1部で上昇したのは940銘柄、値下がり862銘柄、変わらず173銘柄でした。東証1部の出来高は14億2,370万株、売買代金は1兆6,666億円(概算)となっています。様子見スタンスが強まり、厳しい薄商いとなりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-20業種が上昇、金融セクターの弱さが目立つ

東証1部で上昇したのは20業種、下落したのは13業種でした。上昇率の上位には、医薬品を始めとするディフェンシブ業種の他、精密や小売など主力セクターも見られました。他方、下落率の大きい業種には、銀行など金融関連が多く名を連ねています。先週から、金融関連セクターの不振も顕著となっています。

個別銘柄では、ローム(6963)が急騰し、京セラ(6971)など電子部品株の一角も値を上げました。また、ソニー(6758)や富士フイルムホールディングス(4901)なども上昇しています。指数寄与度の大きい主力株では、ファナック(6954)やファーストリティリング(9983)が堅調に推移しました。一方、ソフトバンクグループ(9984)が冴えない動きとなり、富士重工(7270)やデンソー(6902)など自動車関連株の一部も値を下げて終わっています。また、先週は活況だった任天堂(7974)も、連日の大幅下落となりました。

東証マザーズ市場の動き-特段の目新しい材料がない中、総合指数は小幅反発

東証マザーズ総合指数は、最近では珍しく終日プラス圏で推移しましたが、小幅反発に止まりました。特段の材料はなかったようですが、前日の大幅下落の反動によるものと考えられます。出来高は7,181万株となり、前日より大幅増加となりましたが、売買代金は逆に減少して795億円となっています。なお、騰落状況は、値上がりが128銘柄、値下がりが80銘柄、変わらず12銘柄でした。改めて、閑散相場を打破する物色テーマが欲しいところです。

個別銘柄では、前日急落したそーせいグループ(4565)が小幅続落となったものの、ヘリオス(4593)、アキュセラ(4589)、アンジェス MG(4563)などの医療バイオ関連銘柄は概ね上昇となりました。時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)は小幅反発となりましたが、ミクシィ(2121)は大きく値を下げて終わっています。その他では、はてな(3930)が大幅上昇となり、CRI・ミドルウェア(3698)も値を上げました。一方、アルファポリス(9467)が大幅下落となっています。全体的には静かな値動きの銘柄が多かったようです。

本日(9月14日)の注目点-NY市場の大きなボラティリティの波及に要注意

13日の日経平均株価は静かな動きとなりましたが、海の向こうのNY市場はボラティリティの大きな動きになっています。現在はNY市場が暴落するような状況ではありませんが、数百ドル単位での騰落が続くことで、東京市場にも影響を与えると考えられます。14日(水)は、来週の金融政策会合などのイベントを控え、こうしたNY市場の値動きが波及してくる可能性があります。毎度のことですが、激しい値動きには付いて行かないことが重要です。

来週のイベントを控えて、金融セクターの下落がきつくなってきました。これも、黒田日銀総裁が言う「マイナス金利の深掘り」を懸念した動きでしょうか。一方で、マイナス金利の恩恵が大きい不動産や建設などは、あまり買われていないのが気になります。金融セクターの下値を拾うのは悪い選択だとは思いませんが、もう少し様子をみてからでもいいでしょう。15日から始まる東京ゲームショーに注目したいところです。

青山 諭志