2019年には「老後2000万円問題」が話題になりました。高齢無職世帯は、年金以外に約2,000万円のお金が必要という内容です。

この記事では、定年後の70代の人は貯金がいくらあると安心なのかについて解説します。

70歳の以上の金融資産保有額

金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査[2人以上世帯調査](令和元年)」によると、70歳以上の金融資産保有額(金融資産保有世帯)の割合の多い順に並べると、以下の通りです。

  • 3,000万円以上 16.1%
  • 2,000~3,000万円 12.3%
  • 1,000~1,500万円 11.9%
  • 700~1,000万円 9.3%

3000万円以上保有する世帯が一番多くを占めており、
平均は1,978万円となっています。

老後の最低日常生活費は月額で22.1万円

生命保険文化センターがおこなった意識調査によると、夫婦2人の老後生活を送る上で必要な最低日常生活費(月額)の割合を多い順にすると結果は、以下の通りとなっています。

  • 20~25万円 29.4%
  • 30~40万円 17.0%
  • 25~30万円 13.1%
  • 15~20万円 13.0%

平均は22.1万円で、「20~25万円」が29.4%ともっとも多くなっていますが、ついで30~40万円と回答している方が多くなっており、毎月必要な金額には個人差があることが分かります。

ゆとりのある老後生活費は月額36.1万円

一方、趣味や旅行、日常生活を充実させるといった「ゆとりある老後」のための金額の割合、以下のような結果となっています。

  • 30~35万円 20.8%
  • 50万円以上 15.6%
  • 40~45万円 10.8%
  • 25~30万円 10.6%
  • 35~40万円 9.5%
  • 20~25万円 7.3%
  • 45~50万円 2.9%
  • 20万円未満 2.8%

平均額は36.1万円となっています。30~35万円がもっとも高くなっている一方、50万以上と回答している方も多いところから、やはり老後必要な資金には個人差があるということですから、自分はいくら必要なのかを考えておくと良いでしょう。

70代がゆとりある老後を送るためには

金融審議会の「高齢社会における資産形成・管理」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は、月額約21万円。趣味やレジャーなどを楽しむゆとりある老後生活のためには、毎月約15.1万円(36.1万円-21万円=15.1万円)足りない計算になります。

現在70歳の人が95歳まで25年間、ゆとりある老後生活を送ると仮定すると、

15.1万円×12カ月×25年=4,530万円

70歳以上の金融資産保有額の平均1,978万円では、不足することがわかります。

もちろん、すべての人がゆとりある生活を毎月続けるわけではありませんが、貯蓄額を増やしておいた方がいいといえるでしょう。

ゆとりのある老後のためには資産運用が必要

ゆとりある老後生活を送るためには、70代でも資産運用を続けることが大切です。預貯金にお金を預けておくだけでは、低金利が続いているためほとんど増えないからです。

人生100年時代と考えると、70代でも10~20年といった長期での資産運用をしていくと良いでしょう。

ただし、若い世代のように株式などのリスク資産の比率を高めてはいけません。ある程度の資産を蓄えた高齢世帯では、資産を守りながら運用する姿勢が大切になっていきますので、株式などのリスク資産と、預貯金や国債などの安全資産の比率は、以下の式を参考にしてみてください。

  • リスク資産の比率=100-年齢

たとえば、75歳ならリスク資産の比率は25%(100ー75歳)になります。

まとめにかえて

70歳以上の金融資産保有額(金融資産保有世帯)の平均額は1,978万円でした。まとまった資金があるように見えますが、ゆとりある老後生活を送るには十分とはいえません。

もしゆとりある老後生活を送りたいと考えるならば、70代以降も資産運用を続ける必要があります。

ただし、大きく資産を減らすとリカバリーが難しくなりますので、リスクを抑えた運用を心がけるようにすることをおすすめします。

参考資料