60代の金融資産の保有額の割合は

金融資産保有世帯の場合

  • 100万円未満:4.5%
  • 100~200万円未満:5.3%
  • 200~300万円未満:4.2%
  • 300~400万円未満:5.1%
  • 400~500万円未満:3.6%
  • 500~700万円未満:7.7%
  • 700~1000万円未満:6.8%
  • 1000~1500万円未満:12.8%
  • 1500~2000万円未満:7.5%
  • 2000~3000万円未満:11.9%
  • 3000万円以上:20.2%
  • 無回答:10.4%

全体の3割強を1000万円以上の方で占めています。

では金融資産を保有していない世帯を含めるとどうでしょうか。

金融資産費保有世帯を含む世帯の場合

  • 金融資産非保有:23.7%
  • 100万円未満:3.5%
  • 100~200万円未満:4.0%
  • 200~300万円未満:3.2%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.7%
  • 500~700万円未満:5.9%
  • 700~1000万円未満:5.2%
  • 1000~1500万円未満:9.8%
  • 1500~2000万円未満:5.8%
  • 2000~3000万円未満:9.1%
  • 3000万円以上:15.4%
  • 無回答:7.9%

この中では金融資産非保有の割合が一番高くなっており、資産が充分にある方とまったく無い方の差が広がっていることが分かります。

老後は貯金1000万円で乗り切れるか

ここまで現在の60代の方の金融資産の保有額をみてきました。

資産格差が広がっていることも明らかとなりましたが、老後はいくら準備しておけば安心でしょうか。

2019年に金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」というレポートが公表され、老後は年金収入の他に約2000万円が足りなくなるとして「老後2000万円問題」として報道されました。

この数字の根拠にはモデルとなる高齢夫婦世帯の収支がありました。

支出が約26万4千円、収入(ほとんどが年金収入)、支出が20万9千円で差額5万5千円が赤字となり、仮に老後を30年と仮定したときには約2000万円足りなくなるというものでした。

ただし、このモデル世帯は持ち家が前提となっていることや、最低日常生活費でありゆとりのある生活は考慮されていないこと、そして誰もが可能性のある介護費用は含まれていません。

老後も賃貸の場合は、家賃が上乗せされますから2000万円の他に老後の家賃分の備えが必要となります。

また、老後ゆとりを持って過ごそうと思ったときにいくら必要かと考えると、年金収入が約21万円として仮に月30万円を希望する場合は、赤字が9万円となり老後30年で3240万円が不足することになります。

さらに介護費用もとなれば数千万円が必要となり、2000万円での老後は生活するのにギリギリの金額といえるでしょう。

退職金の市場平均は2000万円といわれており、退職金がある方は貯蓄が1000万円あれば介護費用を備えるまでの金額ではないものの、ゆとりある生活にはなりそうです。

公的年金のことも考慮すると、共働き会社員の世帯の場合と自営業の世帯では受給額は大きく変わりますので、貯金1000万円で乗り切れるかはかなり個人差が出てくることになります。