コロナ禍で揺らぐ企業の信頼…どうすれば?

若手は自己啓発でキャリアアップのチャンスをねらう

前述では20代が最も「隣の芝生(企業)が青く見える」結果となりました。では、羨ましいと思っている人は、ただハンカチを噛みしめて眺めているだけなのでしょうか。

2020年5月に公益財団法人日本生産性本部が実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以降に自己啓発を始めた人は8.8%始めたいと思っている人は30.1%という結果が出ました。

20代の結果を見ると、COVID-19流行以降に自己啓発を始めた人の割合は18.8%、始めたいと思っている人は35.4%でした。他の年代(30~70代)に比べて最も高い結果となり、キャリアアップや仕事に対する積極性がうかがえました。

コロナ禍で自己啓発の目的が変わった?

また、同調査では自己啓発をする目的についても調査しており、選択項目を援用した厚生労働省の「能力開発基本調査」と比較して、明らかに伸びている項目があります。それは「転職や独立のため」「退職後に備えるため」です。

勤め先への信頼度については、性別や雇用形態と関係なく「信頼している」約70%「信頼しない」約30%という結果となりました。「信頼していない」年代は30代が最も高く約40%、40代以上は年代が高くなるにしたがって「信頼していない」割合が減少しています。

これらの結果から、安定や給料の高さを羨望しながらも、コロナ禍で企業の信頼が揺らぐなか、自分の力を蓄えてキャリアアップをしていこうと、もがく若者らの姿が映し出されたように思われます。