さらに「子どもが小さいうちはパートで働いてもいいわけだし」と提案してきたそう。Bが「じゃあ、仕事を辞めて専業主婦になるのはどう?」と聞き返すと、旦那さんは言葉に詰まってしまったといいます。

Bは旦那さんのこうした様子について、「自分が私より仕事時間が長い状態であれば、家事育児をしなくていい免罪符にできる。でも家計収入的に私が専業主婦になるのは困る。だから結局、私が時短かパートで働く状態が一番都合いいんだろうね」と漏らしていました。

女性が働きやすい環境になるには男性の意識変化も必要

夫婦ともに会社員、会社員の夫とパートの妻、自営業の夫と自営業の妻、会社員と専業主婦(夫)……。夫婦の形は多種多様であり、収入やキャリアに対する考え方、子どもの年齢などに応じて各家庭でスタイルを選択していけばいいものです。

ただ、夫婦共働きでダブルインカムのメリットを享受しつつも、実質的には妻がかつての専業主婦のような役回りをすることで家庭が回っているケースも少なくないでしょう。

夫婦で納得しているなら問題はありませんが、夫に「妻より上の立場でいたい」「家事育児を担いたくない」といった心理があれば、夫婦仲に亀裂を生じさせることになりかねません。そこには、妻から見ても客観的に見ても、納得できる論理的な理由がないからです。

今、日本は女性が働きやすい環境整備が進んでいる最中。しかし社会や企業だけでなく、こうした男性個々人の意識も、早期に変わっていくべき大きな要素ではないでしょうか。

【参考資料】「平成30年版 男女共同参画白書(概要版)」(内閣府)

富士 みやこ