内閣府の「平成30年版 男女共同参画白書」によると、平成29年の「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」が641万世帯だったのに対し、「共働き世帯」は1188万世帯と2倍近く。今や夫婦共働きはメジャーなスタイルとなっています。
しかし、いまだに男女には賃金格差があります。また、妻より夫のほうが仕事に多くの時間を割ける家庭も多いでしょう。そのため、夫婦共働きかつ妻のほうが高収入という家庭は一般的ではありません。そうした状況にあるためか、妻の出世や高収入を疎ましく思う夫もいるようです。筆者の周りの事例を紹介します。
彼女の「子どもができても働き続けたい」発言に嫌な顔をしたのはなぜか
筆者の友人Aは、大学時代から10年ほど付き合っている男性と結婚を考えていました。しかし、実際に結婚してからの生活を話し合う中で2人の考えがバラバラになってしまったのだとか。
Aはもともとキャリア志向があり、大学卒業後に海外の大学に留学して5年前に帰国。帰国後は某大手企業に就職し、順調にキャリアを積み重ねてきました。一方、彼は大学を卒業後、フリーターをしながら夢を追いかけていましたが28歳を目前に頓挫。その後は、小さなウェブ制作会社に就職しました。
Aと彼が真剣に結婚話をし始めていたときは、ちょうどAの昇進と昇給が決まったタイミング。彼はきっと、この事実が気になってしまったのでしょう。
話の流れでAが「もし子どもができても自分は働き続けたいし、キャリアを重ねたい」と伝えると嫌な顔をしたのだそう。Aがいろいろと掘り下げて聞いてみると、結局彼は、Aが自分より社会で活躍することが面白くなかったのだということがわかりました。