2020年10月28日に行われた、日本ライフライン株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日本ライフライン株式会社 常務取締役管理本部長 山田健二 氏

2021年3月期 第2四半期累計 連結業績ハイライト

山田健二氏:資料3ページから始めさせていただきます。こちらは、第2四半期の業績のハイライトとなっております。まず、売上高が新型コロナウイルスの影響によりまして症例数の減少があったということ、それから、保険償還価格の引下げの影響もマイナス要因としてあります。

保険償還価格に関しましては、昨年の10月と今年の4月の2回の引下げがあり、この上半期と対前年の上半期との比較という意味では2回の影響を受けております。

一方、プラスの要因といたしましては、ボストン・サイエンティフィック社製品の販売を開始いたしまして、リズムディバイスの売上が伸びたこと、それから、新型コロナウイルスの影響はありつつも、5月を底にして6月以降、症例数が回復基調にあるということがございます。

これらの結果、プラスマイナス要因がございますけれども、対前年同期では、プラス1.2パーセントという結果となっております。計画に対しましては、ほぼほぼ計画どおりの売上高となっております。

続いて営業利益でございますけれども、こちらはボストン・サイエンティフィック社に取引先を変更したことによりまして、契約金の償却等々の費用の増加がございました。一方、新型コロナウイルスの影響もございまして、営業活動に関して一部抑制されたということがございます。その部分が費用減となっております。

ただし、費用増のほうが大きいということがございますので、営業利益としては、対前年同期でマイナス10パーセントという結果になっております。しかしながら、計画に対しては、想定より費用の抑制が達成されたというところもございまして、営業利益は対計画でプラス7.1パーセントということになっております。

それから、四半期純利益は第1四半期でもご報告いたしましたけれども、当社のステントグラフト等の取引先、仕入先でございますEndologix社が、チャプター・イレブンの申し立てをしたことがございまして、同社に対する貸付金4億6,200万円を貸倒引当計上したということがございます。この影響を受けまして、四半期純利益は対前年同期マイナス21.7パーセント。計画に対しましては、プラス8.2パーセントという結果となっております。

2021年3月期 第2四半期累計 連結業績

続いて4ページをお願いいたします。こちらでは損益に関してご説明させていただきます。売上高に関しましては、今申し上げましたけれども、244億5,300万円ということで、ほぼ前年同期並という結果となっております。

売上総利益率でございますけれども、やはりボストン・サイエンティフィック社製品、仕入商品が伸びたということ、それから自社製品の売上が大部分を占めますEP/アブレーションの売上が減ったことにより、自社製品の売上高比率が低下しております。

この第2四半期が終わったところで、自社製品比率が48.8パーセントとなっておりまして、前期の54.2パーセントから下がっております。これらの結果を受けまして、売上総利益率としては今期55.2パーセントということで、対前年同期に比べて2ポイント低下しております。結果的に、売上総利益は134億8,500万円となっております。

続いて営業利益率でございますけれども、先ほどお話ししたとおり、販管費の部分が対前年同期では若干増加している部分もございますので、営業利益としては43億6,900万円ということで、対前年同期で10パーセントのマイナス、それから対計画では7.1パーセントのプラス、営業利益率としては17.9パーセントということで、対前年同期で2.1ポイント低下しております。

営業利益までの結果を受けまして、経常利益が40億1,200万円、それから四半期純利益が27億8,400万円ということで、これはいずれも対前年同期に対してはマイナスです。しかしながら計画に対しては、ほぼほぼ計画値どおりという着地となっております。

2021年3月期 第2四半期累計 営業利益 増減分析

続いて5ページをお願いいたします。こちらは営業利益で、対前年同期に比べての増減分析ということでございます。対前年同期に比べて、営業利益は4億8,200万円減少となっておりますけれども、その内訳としましては、売上総利益の段階で3億4,700万円のマイナスとなっています。こちらは、売上が増加した一方、先ほど申し上げましたとおり、保険償還価格引下げの影響、それから自社製品比率の低下で粗利率が低下しているということでございますけれども、これらの結果によって、売上総利益としてはマイナスとなっております。

それから、販管費も新型コロナウイルスに伴いまして、経費の減少、抑制というのはございましたけれども、ボストン・サイエンティフィック社に切り替えたことによる契約償却金、出向負担金の増加のほうが若干上回るということがございまして、販管費としては1億3,500万円の増加、営業利益に対してはマイナスのインパクトということがございました。結果的に、営業利益としては43億6,900万円という結果となりました。

2021年3月期 第2四半期累計 品目別売上高

続いて6ページをお願いいたします。こちらは、品目別売上高の対前年同期との比較になります。棒グラフの左側が前期、右側が今期となっております。こちらをご覧いただきますと一目瞭然ではございますけれども、一番下の濃い青い部分のリズムディバイスが49億2,400万円から今期は65億2,900万円まで伸びているということがございまして、その他の品目の売上の減少を補って、全社として、対前期プラス1.2パーセントという結果になっております。

2021年3月期 第2四半期累計 品目別の概況 1/2

続いて7ページをお願いいたします。ここから、もう少し詳しい各品目別の概況になります。まずリズムディバイスでございますが、こちらは対前年同期で32.6パーセント増となっております。ペースメーカ関連はボストン・サイエンティフィック社商品が競争力がございますので好調に推移をしております。ICD関連も前年同期ではS-ICDのみの販売ではございましたが、それ以外のICD、それからCRT-Dの販売もございまして、それらも販売数量を伸ばしております。

それからトピックスとしましては、CRT-Dに関しまして、2020年9月から新しい保険償還区分を取得いたしまして、保険償還価として約5パーセント金額が上がったということもございます。それから、こちらも補足的な説明ではございますけれども、2020年10月から、CRT-Dに患者モニタリング、心不全のモニタリング機能の「HeartLogic」という機能がございまして、こちらが使えるようになったということもございますので、引き続きこちらの拡販に努めてまいりたいと考えております。

続いてEP/アブレーションとなります。こちらは、対前年同期で5.6パーセントマイナスの売上となっております。冒頭にも申し上げましたとおり、心房細動のアブレーションの症例は、5月は底となっておりますけれども、6月以降、回復傾向にあります。「BeeAT」や「RFニードル」に関しましては、第2四半期のみ、7月、8月、9月の3ヶ月だけで見ますと、対前年同期で販売数量が増加しております。

例えば「BeeAT」に関して言いますと、第1四半期が対前年同期9.5パーセントマイナスであったのに対し、第2四半期は5.5パーセントのプラスというかたちで回復している傾向にあります。それから「HeartLight」、バルンアブレーションでございますけれども、こちらはやはり、症例数自体は戻っているのですけれども、やっぱり病院に対する立入規制とかがまだございますので、なかなかそこの新規施設の導入ということも進まず、販売数量自体も対前年同期に比べて若干減少するという結果で終わりました。

2021年3月期 第2四半期累計 品目別の概況 2/2

続いて8ページをお願いいたします。引き続き外科関連についてです。こちらが対前年同期で、売上高としては6.2パーセントのマイナスとなります。全体としてはマイナスでございますが、その中の腹部用ステントグラフトに関しましては、非常に市場シェアを伸ばしまして、売上高が増加いたしました。販売数量としては、前年同期比で13.7パーセント増ということで、コロナ等がございましたが、こちらは非常に好調に推移いたしました。

2番目、オープンステントグラフトも、対前年同期に対して販売数量が増加しております。やはり新型コロナウイルスの影響がございますので、オペ室等をなるべく開けておきたというような医療機関側の需要もございまして、やはり手術時間が短くなるもの、効率的な治療ができるような医療機器に対して、非常にニーズが高まっている、そういったことを受けまして、オープンステントグラフトのほうも販売数量が伸びたのではないかと考えております。

それから外科関連におきましては、2019年5月に人工心臓弁関連商品の取り扱いを終了しております。前期の上期で約2億4,700万円、人工心臓弁関連の売上がございました。

続いて最後がインターベンションとなります。対前年同期で14.7パーセントのマイナスとなっております。薬剤溶出型のステントの「Orsiro」に関しましては、そもそもPCI症例がアブレーションなどに比べると、回復が若干スピードが緩やかなのかなと思います。

そういう中では、「Orsiro」自体は拡販に努めた結果、販売数量自体は若干増加はしたのですけれども、やはり保険償還価格引下げの影響がございまして、売上高としては、結果的に対前期に比べて減少するという結果で終わっております。

それから消化器領域、肝癌治療用ラジオ波焼灼システム「arfa」という製品でございますけれども、これが2019年12月から販売開始しておりまして、売上規模としてはまだまだ小さいものではございますけれども、市場においては非常に好評をいただいている施設もあり、徐々に売上が増加しているところもございますので、新しい消化器領域の商品として、引き続き販売に注力していきたいというふうに考えております。

2021年3月期 第2四半期連結 キャッシュ・フロー

続いて9ページで、最後になります。キャッシュ・フローの状況です。期首残高95億5,500万円に対しまして、営業キャッシュ・フローが32億2,600万円の増加ということになります。増加の一番の要因としましては、四半期純利益の40億円ということになります。あとは上半期、法人税等の支払いが約15億円ございましたので、こちらが一番大きな減少要因となっております。

それから、投資キャッシュ・フローで9億700万円の減少となっておりますけれども、こちらで一番影響があったのは有形固定資産の取得による支出が約7億3,500万円でございます。続いて財務キャッシュ・フローも28億7,000万円の減少ということになります。こちらで影響していますのは、やはり第1四半期にございました配当金の支払い23億円の部分が非常に大きく影響しているのかなと思います。

あとは新規連結ということで、マレーシアの子会社は連結対象になったことによりまして、1億9,600万円の影響を受けております。結果的に、期末残高、キャッシュ、91億8,300万円という結果となっております。

ご説明は以上となりまして、10ページ以降は参考資料としまして、売上とか損益に関してもう少し詳しい資料を添付させていただいております。一旦私からの説明は以上となります。ありがとうございました。

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