日立建機、COVID-19や為替円高の影響により営業利益が76%減 2Qは大幅な減収減益で着地

2020年10月27日に発表された、日立建機株式会社2021年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日立建機株式会社 代表執行役 執行役社長兼CEO 平野耕太郎 氏\n日立建機株式会社 執行役 営業本部長 先崎正文 氏\n日立建機株式会社 執行役 財務本部長兼CFO 塩嶋慶一郎 氏

油圧ショベル世界需要推移

先崎正文氏:先崎です。本日は弊社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。それでは、地域別市場環境と見通しについてご説明します。資料の3ページ目をご覧ください。油圧ショベルの世界需要の推移です。2020年度の需要見通しは、前回発表16万6,000台、対前年23パーセント減に対し、今回は19万5,000台、前年比10パーセント減へ想定を上方修正します。地域別に見ると、特に中国の回復が早く、前年比29パーセントの増加を想定しています。主要因として、春節後需要の後ろ倒しや、政府の経済政策・景気下支えによるインフラ関連への投資が挙げられ、世界需要全体を大きく牽引しています。日本市場においては、新型コロナウイルスの影響を大きくは受けることもなく需要が推移していることから、前年比7パーセントの減少でした。

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ロックダウンはしたものの、需要への影響は少ないと想定されるオセアニアは、9パーセントの減少、その他の地域においては、新型コロナウイルスによる経済活動が大きく停滞した影響を受け、おおよそ25パーセントから30パーセント程度の減少を見通しています。インドネシアなどの一部の地域を除いて、足元では回復のペースが早まっている状況ですが、全体の需要台数は、前年度レベルまでは回復しないと考えています。

このような状況に対し、引き続き新型コロナウイルスの影響と、それに伴う各国の経済活動の状況を把握し、市場環境の変化にいち早く対応できるよう取り組んでいきます。続いて、次ページ以降で、地域ごとの第2四半期までの結果や見通しをご説明します。

日本市場

4ページ目は日本市場です。左の上、第2四半期の住宅および設備投資は前期に続き大きく前年割れですが、公共投資は3パーセントのプラスに転じました。需要においては、左下の油圧ショベルは前年同期比11パーセントの減少、右上のミニショベルは24パーセントの減少、右下のホイールローダは40パーセントと大きく減少しました。特にミニショベルとホイールローダにおいては、昨年の消費税増税前の第2四半期に需要増があったため、今回はその反動で大きな落ち込みとなっていると考えています。

欧州市場

続いて5ページ目、欧州市場です。2020年4月から6月期のユーロ圏のGDPの成長率はさらに悪化し、各国大幅減少となっています。2020年度第2四半期の需要においては、油圧ショベル、ミニショベル、ホイールローダの3製品ともに、前年比で20パーセント前後の減少となり、前期よりは減少幅が改善しました。

北米市場

次に6ページ目、北米市場になります。左上のグラフ、住宅着工件数は前年同期比で増加しましたが、GDPは大きく減少しました。左下の建設投資は、引き続き前年同期比で増加して推移しています。右上、第2四半期の油圧ショベルの需要は新型コロナウイルスの影響により、前年同期比で23パーセントの減少となっていますが、右下のミニショベルについては、堅調な住宅建設投資に伴い、前年とほぼ同水準となりました。継続して、建設投資などの市況と需要の関係を注視していきます。

中国市場

続いて7ページ、中国市場をご説明します。7月から9月期のGDP成長率はプラスの4.9パーセント。固定資産投資は前期からさらに回復し、前年同期比ではプラス0.8パーセントと、3期ぶりにプラスに転じました。油圧ショベルの需要については、第2四半期の国産機含めた全需要で、前年同期比64パーセントの増加です。内訳として、国産は80パーセントの増加、外資は40パーセントの増加となりました。地域別の需要やクラス別需要構成比は、資料の右側をご参照ください。

補足 : 中国市場

続いて8ページ、中国需要の月別の推移です。上側のグラフ、外資のみの月別油圧ショベルの需要の推移において、2020年度第2四半期で前年同期比40パーセントの増加となりました。4月以降、需要が前年を大きく上回っており、新型コロナウイルスの影響から、想定より早期に回復している状況です。

アジア大洋州市場・インド市場

次に9ページ目、アジア大洋州・インド市場です。左側のグラフ、アジア大洋州の油圧ショベルの需要については、全体で対前年同期比19パーセントの減少となりました。国別では、タイは政府の補助金政策により、需要が昨年に対して増加傾向となっています。一方で、インドネシアでは前期からの回復は見られますが、依然、新型コロナウイルスの影響に加え、コモディティ価格の低迷により、前年同期比では減少となっています。国ごとに回復状況が異なるため、引き続き国別の状況を捉え、対応していきます。右下のインドの油圧ショベルの需要においては、ロックダウン解除により経済活動が徐々に再開し、前年同期比13パーセントの減少と、前期から回復傾向にあります。

ロシア・中東市場

10ページ目、ロシア・中東市場になります。右上のロシアの油圧ショベルの需要は、各プロジェクト関係の遅延や低水準の原油価格の影響などもあり、前年同期比15パーセントの減少です。右下のグラフの中東の油圧ショベルの需要も、前年同期から増減はないものの、需要自体が低いレベルで推移しています。

マイニング機械

マイニング市場についてご説明します。新型コロナウイルスからの世界経済の回復遅れに加え、代替燃料への転換加速により、原油および一般炭の価格が下落し、インドネシア・ロシアなどの石炭産出国での中小規模鉱山、コントラクタ向け需要が減少しています。大手鉱山各社の設備投資抑制方針も依然継続しており、マイニング需要全体が減少することを想定しています。結果、2020年度の通期のマイニング需要は、前回の見通しである対前年35パーセント減少から、今回は40パーセント減少と見通しを変更します。

補足 : BB Ratio

12ページ目、BB Ratioです。超大型ショベルは現地での在庫調整を進めたため、同期間での単独での新規受注が減少。結果、BB Ratio は100パーセントを下回りました。第3四半期は現地在庫の補充、新規の受注を含め、100パーセント以上を維持する見通しです。一方、ダンプトラックは金鉱山顧客からの受注があり、100パーセントを維持しました。

トピック:鉱山全体の経営課題を解決するデジタルソリューション

13ページ目からはトピックスになります。近年、鉱山においては、機械の高性能化だけではなく、鉱山全体の経営課題を解決するソリューションのニーズが高まっており、それにお応えする弊社の動きを2つご紹介します。まず、1つ目は「ConSite® Mine」の開発です。カナダのグループ会社Wenco社と共同開発したもので、IoTとAIを活用し、鉱山機械を遠隔監視します。AIと応力解析技術を用いることで、超大型ショベルのブームやアームの金属疲労による亀裂の予兆を可視化したり、オペレータの操作データや燃料消費量を分析するなど、安全性と生産性の向上、ライフサイクルコストの低減に貢献します。2つ目は、ベンチャー・キャピタルのファンドへの出資になります。ベンチャー・キャピタルのクリサリックスが有する、マイニング分野での豊富なネットワークを活用し、ロボティクスやIoT、AIなど、鉱山向けの最新技術を持つスタートアップとのオープンイノベーションを強化します。

トピック:市場ニーズを反映した製品展開

14ページ目は、変化する市場ニーズを反映した製品展開について、2点ご紹介します。2020年10月、中国市場向けの土木専用機「ZX60C-5A」を発売しました。テストマーケティングとともに、中国市場で増加傾向にある個人チャーター業のお客さまのニーズを反映し、都市土木に最適な仕様および構造と、高いコストパフォーマンスを実現しました。

また、マイニング事業では、超大型油圧ショベル「EX2000-7」を2021年10月に発売予定です。油圧回路を刷新し、作業量を維持しながら、燃料消費量を最大19パーセント低減しました。先ほどご紹介した「ConSite® Mine」をはじめ、遠隔操作や運転支援システム、さらには自律運転機能など、将来にわたり鉱山現場を支える機能拡張にも対応していきます。

トピック:自律型建設機械に向けたシステムプラットフォーム

8月に、自律型建設機械のシステムプラットフォーム「ZCORE®」を開発しました。「ZCORE®」は、人と機械が協調することで安全性と生産性の向上を図る、協調安全を実現するためのもので、施工現場でオペレータが行っている認識・判断・実行を、機械システムが行えるようにしました。「ZCORE®」は、当社が扱う建設機械のすべてに適用が可能で、「ZCORE®」を用いることで、当社は迅速に自律型の建設機械を開発することができ、お客さまのニーズに応じて、機能拡張とカスタマイズを容易に行うことができます。以上で説明を終わります。ありがとうございました。

連結決算の概要

塩嶋慶一郎氏:続きまして、執行役の塩嶋です。どうぞよろしくお願いします。それでは私から、2020年度第2四半期累計期間の決算、ならびに2020年度業績予想の概要をご説明します。まず17ページ、連結決算の概要をご覧ください。2020年度第2四半期累計期間の売上収益は、新型コロナ・為替円高の影響が大きく、前年同期比25パーセント減の3,609億円。調整後営業利益は前年同期比76パーセント減の109億円で、利益率3.0パーセント。営業利益は85億円で、利益率2.4パーセントでした。親会社株主帰属の当期利益は、前年同期比99パーセント減の2億円でした。

なお、中間配当金については、本日の弊社取締役会で1株当たり10円と決議しました。また、2020年度第2四半期累計期間の為替レートは、対前年同期比で米ドルが1円60銭の円高、ユーロは40銭の円安、元は50銭、オーストラリアドルは2円の円高でした。

連結地域別売上収益

次に18ページ、連結地域別売上収益をご覧ください。中東を除き、すべての地域で前年同期比減収となりました。特にアジア・欧州・北米で新型コロナの影響が大きく、円高影響も重なり、大幅な減収となりました。なお、中国に関しては前年同期比で8億円の減収となりましたが、為替影響を除きますと3億円の増収でした。

日本も新型コロナの影響を受けたものの、災害復旧工事などによる需要増加で911億円と、前年同期比89億円、9パーセントの減収でした。結果、海外売上収益比率は、前年同期比4ポイント減の75パーセントとなりました。

マイニング売上収益推移

続いて19ページ、マイニング売上収益推移をご覧ください。当2020年度第2四半期累計期間のマイニング売上収益は、右から2本目の棒グラフに示したとおりに585億円と、為替円高影響もあり、前年同期比28パーセントの減収でした。本体売上が37パーセントの減収で、トラックについては65パーセントと大幅増加した一方、ショベルは同累計期間の納入案件が少なく、55パーセントの減収でした。また、マイニング向け部品・サービスも、前年同期比22パーセントの減収となりました。

バリューチェーン*¹ 売上収益推移

続いて20ページは、バリューチェーンの状況です。同じく右から2番目の棒グラフをご覧ください。当四半期累計期間のバリューチェーン売上収益はご覧のとおりで、前年同期比11パーセント減の1,671億円でした。為替円高影響を2パーセント相当の減収要因と分析しており、現地通貨ベースでは前年同期比で9パーセントの減収でした。棒グラフの上段から2段目、グレー色のレンタル事業は、これまでの施策効果により、前年同期比で10パーセントの増収となりました。

連結損益変動要因

続いて21ページは、2020年度第2四半期累計期間の連結損益変動要因です。調整後営業利益が、前年同期比341億円の減益を余儀なくされた要因です。新型コロナの影響は引き続き大きく、全世界で深刻な需要減退に見舞われ、これまでご説明したとおり、大幅な減収を余儀なくされたことから、物量・構成差で440億円もの減益要因となりました。

加えて、主に中国での販売価格引き下げによる売価変動、14億円の減益影響もありましたが、一方で、国内ならびにオーストラリアにおける資材費改善効果22億円、ならびに大幅減収に対応して、生産・販売連動経費を主体に114億円もの間接費低減を図りました。為替円高影響マイナス23億円の結果、調整後営業利益は対前年同期比341億減益の109億円となりました。

その他営業収支において、資産売却益等で7億円のプラスに働いた前年に対し、当年度は新型コロナによる休業補償等で3億円の引き下げ要因となり、10億円の減益となりました。その結果、営業利益は対前年同期比348億円減益の85億円となりました。

要約連結損益計算書

続いて22ページ、要約連結損益計算書をご覧ください。ここまで売上収益から営業利益までご説明しましたので、営業外損益以下を簡単にご説明します。金融収益および費用は、主として支払利息の減により、前年同期比4億円改善となりました。一方、持分法損益は前年同期比20億円の減少でした。新型コロナにて持分法各社の業績が悪化、特に米州の会社が大幅に悪化したことが原因です。親会社株主に帰属する当期利益は、前年同期比99パーセント減の2億円となりました。

当期においては、新型コロナ影響による需要減に対処すべく生産調整を行ったことから、日立建機単体の課税所得が赤字となり、税効果会計のメリットが得られずに連結での法人税負担がかさんだこと、加えて、非支配持分損益も流出の割合が大きかったことが影響しました。

要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)

四半期別の状況です。一番右側の2020年度第2四半期をご覧ください。当第2四半期の売上収益は1,907億円となり、前年同期2,459億円に対して552億円の大幅な減収となりましたが、第1四半期と比較しては205億円の増収となりました。また、調整後営業利益率は、折れ線グラフに示したとおりに4.2パーセントとなりました。

要約連結財政状態計算書

続きまして、24ページは2020年9月末の連結貸借対照表です。対前年度末2020年3月比較では、非流動を含めた営業債権が2,107億円と、414億円圧縮しました。棚卸資産も2,966億円と3,000億円を下回り、前年度末よりも46億円縮減しました。結果、総資産は1兆1,415億円と、前年度末よりも260億円圧縮しました。

手持日数は、営業債権を前年度末より4日短縮の95日に縮減しましたが、一方で、棚卸資産は15日延伸の133日となりました。この結果、正味運転資金手持日数は、前年度末よりも16日延伸した187日となりました。

右側の有利子負債計は、前年度末よりも17億円縮減した3,373億円となりましたが、一方で現預金を29億円積み増したこともあり、ネット有利子負債は46億円縮減の2,722億円となりました。資本合計は5,303億円で、親会社所有者持分比率は41.9パーセント、ネットD/Eレシオは0.57となりました。

連結キャッシュ・フロー

続いて、25ページは連結キャッシュ・フローです。当第2四半期累計期間の営業キャッシュ・フローは378億円のポジティブとなり、前年同期比で475億円の改善となりました。また、投資キャッシュ・フローも前年同期比25億円の170億円の支出としたことから、フリー・キャッシュ・フローは同500億円改善の208億円の収入となりました。

要約連結損益計算書(予想)

続いて、今回の2020年度業績予想をご説明します。スライド26ページ、要約連結損益計算書(予想)をご覧ください。先ほど、執行役営業本部長、先崎がご説明した2020年度の需要環境、ならびに上半期の実績や世界の先行きの経済状況、為替動向を鑑み、現時点の今年度業績予想は前回予想を据え置きます。

具体的にはこの表のとおりに、前回7月公表値の売上収益7,700億円、調整後営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期利益200億円を据え置きます。第3四半期以降の予想為替レートも変更していません。31ページに「参考資料1」として、第3四半期以降の売上収益と調整後営業利益に影響する為替感応度も掲載しましたので、ご参考願います。

要約地域別売上収益(予想)

地域別売上収益の予想です。2020年度の売上収益について、前回予想7,700億円を据え置きとする旨、ご説明しましたが、その地域別の予想となります。中東・中国については前年比で増収を見込む一方、アジア・インド・欧州・北米では為替円高影響を含めて、前年比20パーセント以上の大幅な減収を予想しています。

マイニング売上収益推移(予想)

次に、28ページはマイニング売上収益予想です。2020年度のマイニング売上収益予想は、前年比18パーセント減収の1,360億円と、前回7月公表値を下方修正します。マイニング機械本体は、トラックとショベル合計で前年比27パーセントの減収を見込むほか、マイニング向け部品・サービスも、予想為替レートの円高影響を含めて、前年比12パーセント減収の予想です。なお、32ページに「参考資料2」として、地域別のマイニング売上収益内訳を掲載していますので、ご参考願います。

バリューチェーン*¹ 売上収益推移(予想)

続いて29ページ、バリューチェーン売上収益推移(予想)をご覧ください。2020年度のバリューチェーン売上収益予想は、前年比5パーセント減収の3,587億円と、前回7月公表値、25億円下方修正します。今回見通しでは、部品・サービスを前年比10パーセント減収の1,750億円、レンタルも同16パーセント増収の620億円と、いずれも前回公表値を据え置くほか、ソリューションビジネスにおいては同11パーセント減収の811億円と、前回公表値を51億円上方修正します。他方、最上段のその他。主に中古販売やソフト事業、ファイナンス等が含まれますが、こちらを前年比3パーセント減収の407億円に下方修正しました。なお、売上構成比は、前年比6ポイント増加の47パーセントを据え置きます。

連結損益変動要因(予想)

ご説明の最後となります。30ページ、連結損益変動要因(予想)をご覧ください。2020年度調整後営業利益が、対前年同期比で366億円減少した400億円となる要因をご説明します。この図に示しましたとおりに、新型コロナ影響による物量の減少、構成差による影響536億円が大きく、加えて売価変動で11億円、予想為替の円高影響52億円も減益要因となりますが、一方で、資材費の低減40億円、間接費の大幅縮減193億円で補うことで、調整後営業利益400億円を据え置きます。営業利益は、調整後営業利益の減益にて、前年比で368億円の減益となる360億円の予想を据え置きます。なお、31ページ以降に参考資料を4枚付けていますので、ご参照ください。以上、駆け足でしたがご説明を終わります。ありがとうございました。

COVID-19による事業環境の変化と当社の取り組み

平野耕太郎氏:それでは、引き続きまして社長の平野から、中期経営戦略の方向性について説明します。5月の年度末決算の際に、中期経営計画の方向性についてお話をさせていただきました。本日はその続編という位置付けで、当社の施策についてご説明します。現在の不透明な環境下において、市場の先行き……来年、再来年の合理的・適正な算定をすることは非常に今の時点では難しい。したがって、今年度を初年度とする中期経営計画の数値目標等の発表については、今回は見送りとさせていただきました。もう少し先々が見えてきた時点で公表とします。

昨年度までの中期経営計画期間中、都度都度、「お客さまの現場や意識が大きく変わってきている」ということを説明していきました。それが今回の新型コロナにより、さらに足元、その変化が急速に進んでいると感じています。現場の安全性の向上、生産性の向上、燃料費やメンテナンスコスト等、ライフサイクルコストの低減はお客さまの重要課題で、これらの課題解決が新型コロナにより、今まで以上に求められています。我々が前中期計画で進めてきたバリューチェーンの拡大は、まさに、このお客さまの課題解決を目指したものであり、さらなる推進が求められています。

前3カ年で実現したこと・新3カ年の取り組み

37ページをご覧ください。当社は前中計において、新車販売中心のビジネスモデルから、経営資源を既存の主要製品のビジネスに集中するだけではなくて、全世界で稼働する機械をターゲットとしたバリューチェーン事業へ、とビジネスモデルを変換してきました。また、収益構造の安定化を図り、同時に、日本を含む世界各地の拠点にて事業の再編を実行し、経営の効率化に努めてきました。2022年度を最終年度とする今回の中期計画では、前中計にて注力したバリューチェーン事業を、デジタル技術を活用することにより、お客さまとのあらゆる接点において提供するソリューションを深化させ、売上構成比50パーセントを目指していきます。

中期経営戦略の方向性

38ページをご覧ください。今年度から取り組んでいる中期経営戦略も、基本はこれまでの大きな方向に変化はありません。経営戦略の柱は、バリューチェーン事業の強化、お客さまとあらゆる接点で深化したソリューションを提供すること、そして、変化に柔軟に対応できる企業体質の形成。この3つです。次のスライドからは、右に挙げます経営戦略の柱、それぞれについて施策をご説明します。

バリューチェーン事業の強化(レンタル・中古車)

1つ目に、バリューチェーン事業の強化です。今日は、バリューチェーンの中のレンタルと中古車に関して説明をします。建設機械は排ガス対応機、ICT・情報建機やバッテリー対応機など、さまざまな機械が昨今、開発されています。これらの機械を現場に合わせてすべて保有するのは、お客さまにとって大変負担で、現場に最適な機械をレンタルするという流れが強くなっています。

しかし、お客さまもすべての機械をレンタルするわけではなく、主要な機械は保有し、個々の現場に必要な機械はレンタルすることになると思っています。当社のような建設機械メーカーは、最新の建機を使ってグローバルでレンタル事業を行うことができ、また、レンタル機の稼働情報や故障の状況を、開発や生産に活用することができます。

また、それらの情報を活用した、良質なメンテナンスを施した高品質のレンタル機械を供給し、故障予兆診断も提供できるレンタル事業を、世界で展開していきます。世界各地でレンタル事業を拡大することによって、メーカー保証付き中古車の取扱量を増やし、中古車再販後も保守メンテナンスを請け負っていきたい、という狙いもあります。このように、当社がメーカーとしてレンタル事業を展開することは、お客さまの価値にもつながると思っています。

進化したソリューションを提供

40ページをご覧ください。2つ目に、進化したソリューションの提供です。日立建機は、人と機械が協調して働く現場で、「人・機械・施工環境」の情報共有によって、安全性と高い生産性を実現したいと考えており、将来は協調安全の中で自律運転する、協調型建設機械が必要とされると考えています。建設業においては、生産労働人口の減少、熟練技能者の高齢化を背景として、省人化による生産性の向上が課題となっています。

その解決策の一つとして、自律運転する建設機械の開発に期待が寄せられていますが、自律型建設機械を実現する上で、周囲で働く人々の安全性も確保する必要があります。今年8月に発表したプラットフォーム「ZCORE®」は、現場でオペレータが作業時に行う、認識・判断・実行を機械が行えるようにしていくもので、当社の各種建設機械の将来の自律化に向けて準備を整えていきます。

変化に強い企業体質の形成:開発力強化

41ページをご覧ください。次に、変化に強い企業体質の形成として、開発力強化に関する施策をご説明します。当社が推進するバリューチェーン事業の展開は、製品やソリューションが優れていることが大前提となります。製品は、国や地域、業種によってさまざまな要求があります。そこで当社では、製品開発力を横断的に強めること、また、その優れた製品をバリューチェーンにつなげ、お客さまにソリューションを提供するために、情報の緊密な連携や、デジタルなどの分野における外部との連携強化が重要だと考えています。

お客さまの課題解決につながる機械や、サービスの開発へ迅速につなげるために、世界各地で刻々と変化する市場ニーズを把握し、日本と各地で情報を共有し、マーケティング・開発設計・情報連携・デジタル化促進などを、一体運営する体制を推進していきます。このように開発力を強化することで、変化に柔軟に対応できる企業体質の形成を目指していきます。

ESG指標:社会に必要とされる企業であるために

42ページをご覧ください。最後に、社会に必要とされる企業であるために、推進している内容をご紹介します。「豊かな大地、豊かな街を未来へ…」という企業ビジョンそのものが示すとおり、当社の事業は、社会や環境への貢献に直結しています。当社の進めている安全性向上、生産性向上、ライフサイクルコスト低減についての課題解決は、まさしく社会価値の追求であり、2030年に向けてそれぞれ、ここに示すような目標を定めています。

今年度は初のESG説明会を開催予定ですので、その際に、当社のESGに関する取り組みの詳細をご説明します。新型コロナの影響で引き続き厳しい状況が続いていますが、そのような中でも、しっかりと先を見据えて事業運営を進めていきますので、今後ともご指導・ご支援をよろしくお願いします。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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