Dさんの妻は仕事を始めましたが、「やはり50代の女性がそうそう稼げるような仕事を見つけるのは難しい…」とDさんは肩を落とします。「私も通院しなければいけない身。それに住宅ローンもあります。妻の収入だけではとてもやっていけず、貯金を切り崩す生活でした」

しかし、貯金は無限にあるわけではありません。ついにたくわえが底をつき、Dさんに重くのしかかったのは住宅ローンでした。

「とてもじゃないけれど支払いができなくなったので、消費者金融からお金を借りてしまいました。しかし、返済のあてもないので借金は膨らむばかり。ついに自己破産をして住まいも手放しました」

今は妻とふたり、賃貸アパートで生活している…というDさん。

「妻も年々体力が落ち、稼ぐ額も減ってきています。しかし私は通院しなければならない。いっそのこと私がいなくなれば…と、頭をよぎることもあります」

病魔はいつ襲ってくるかわかりません。そのときに備えて、住宅ローンなどは返せるときになるべく早く返しておくことが得策かもしれません。

離婚がきっかけで老後破産に…

続いてご紹介するのは60代の女性、Hさん。Hさんの老後破産の原因は「離婚」でした。

「子供がいない私たち夫婦は共働きでした。しかし私には…職場に不倫関係の男性がいたのです」

なんと30代半ばからふたりの関係は続いていたというのですから驚きです。しかし、そんな関係がついに明るみに出たのです。「相手の奥様はいつからご存じだったのか…。突然『妻にバレた』と彼から連絡が入りました」

お互いの夫婦4人で話し合いのもと、Hさんと相手の男性がそれぞれの配偶者に慰謝料を払うことに。

「そして、向こうのご夫婦は夫婦関係を続ける道を選び、私は主人に離婚を言い渡されました」