米国の利上げが近づき、世界の株式市場が足踏みした2016年8月22日‐26日

8月22日‐26日のTOPIXは、対前週末比▲1%の続落になりました。週後半(金曜日)に行われた米ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の発言などで、米国の利上げが年内に行われるとの期待が高まりドルが上昇しましたが、日本株は時差の影響からこれを織り込むのは翌週に持ち越されました。米株はやや下げ、欧州株は金融株を中心に小幅に上げていますが、総じて足踏み気味だったと言えるでしょう。

こうした相場動向を踏まえ、今回は楽天証券の売れ筋投信を見てみましょう。

楽天証券の2016年8月22日‐26日の週間売れ筋ランキングを見る

まず、楽天証券の全体売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)

第2位:フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)

第3位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第4位:ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインα・コース

第5位:ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)

楽天証券の2016年8月22日‐26日の積立週間売れ筋ランキングを見る

次に、楽天証券の積立売れ筋ランキングのトップ5を見ていきます。

第1位:ニッセイ外国株式インデックスファンド

第2位:LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド

第3位:たわらノーロード 国内債券

第4位:ニッセイ日経225インデックスファンド

第5位:たわらノーロード 先進国株式

五輪開催国ブラジルの通貨レアルを絡めた投信が人気に

いかがでしょうか。米国や海外のREIT(リート)投信、インデックス型の外国株式・日経平均・国内債券・先進国株式などの低コストパッシブ投信が引き続き上位にランクインしている様子は、これまでと大きく変わりません。個人投資家の利回り志向の強さ、投信の積立におけるコスト志向の強さが伺えます。

しかし、興味深い動きは、全体ランキングの第1位と第4位にブラジルレアルに絡んだ毎月分配型投信がランクインしていることです。

ただし、これらのファンドの中身は複雑です。

日本株ハイインカム(毎月分配型)(ブラジルレアルコース)では、日本株のいわゆるカバード・コールという取引とブラジルレアルへの通貨の投資で収益を高めようとする投資戦略を取っています。

ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)ツインα・コースでは、ドル建てのブラジル株式のカバード・コール取引とドル円相場のカバード・コール取引が組み合わさっています。

こうしたファンドが人気化した背景には、個人投資家の根強い分配金志向にとどまらず、日本株やブラジル株、あるいはブラジルレアルや米ドルの対円相場が数か月前に比べて持ち直してきたという相場の変化を捉える積極的な投資姿勢も伺えます。とはいえ、リスクもありますので、注意深く基準価額を追っていく必要がありそうです。

 

LIMO編集部