昨年、金融庁から金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表され、老後は年金収入の他にざっくりと2000万円が足りなくなるという内容だったため「老後2000万円問題」として大きな話題となりました。

また厚生労働省による平成30年簡易生命表では、男性の平均寿命は81.25年、女性の平均寿命は87.32年となりいずれも過去最高を更新しています。

老後2000万円問題に平均寿命の更新と、老後への不安は大きくなるばかりです。
定年60代の方にとってはまさにタイムリーな話であり、他人事ではないはずです。

今回は60代の貯蓄額について確認してみましょう。

定年60代みんな貯金いくら?

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、「金融保有世帯」の60代世帯の貯蓄額は下記のようになっています。

  • 平均貯蓄額:2203万円
  • 中央値:1200万円

平均は一部の貯蓄額が高い方に影響されるため少し歪んでしまうことがある一方、中央値は貯蓄額が少ない順に並べて一番真ん中にくる数値であるため、より実際の生活レベルに近い結果と言えます。

中央値で見ても1000万円を超えています。

この結果は金融資産保有世帯に限定した結果となっています。

一方で、「金融資産を保有していない世帯」も含めるとどうなるかみていきましょう。

  • 平均貯蓄額:1635万円
  • 中央値:650万円

金融資産保有世帯にくらべて平均値も中央値もざっくり半分になっています。

こうしてみると、60代で資産格差が大きくなっていると言えるのではないでしょうか。