株式市場の振り返り-狭い価格レンジ内での動きに終始した結果、日経平均株価は小幅反落
2016年8月30日(火)の東京株式市場は小幅反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.1%の下落、TOPIXも微小下落で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.3%上昇となる続伸となりました。
日経平均株価は、前日比▲46円安で寄り付いた後、すぐに▲59円安となりますが、前場の半ばには+14円高まで切り返しました。その後は前日終値を挟む狭いレンジでの攻防が続き、大引けは▲12円安の16,725円で終わっています。日中の値幅が僅か73円という小さな値動きでした。
東証1部で上昇したのは778銘柄、値下がり1,029銘柄、変わらず164銘柄でした。東証1部の出来高は15億4,953万株、売買代金は1兆6,783億円(概算)となっています。結局、前日を下回る薄商いでした。
セクター動向と主要銘柄の動き-上昇業種と下落業種が拮抗、電子部品株の好調が目立つ
東証1部で上昇したのは16業種、下落したのは17業種でした。上昇率の上位には、金融関連、素材関連、輸出関連が目立っています。他方、下落率が大きかった業種は、内需関連、ディフェンシブ業種などでしたが、閑散相場を反映して、特段大きな特徴はなかったと言えましょう。
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)など通信株が大幅下落となり、良品計画(7453)やミニストップ(9946)などが年初来安値を更新しました。また、任天堂(7974)、花王(4452)、ファナック(6954)なども値を下げて終わりました。一方、電子部品株が好調に推移し、アルプス電気(6770)、村田製作所(6981)、TDK(6762)などがいずれも上昇しました。また、エーザイ(4523)、塩野義製薬(4507)など薬品株が値を上げています。
本日(8月31日)の注目点-月末特有の粗い動きに注意しながら、円安メリット株に注目
前日の30日も含め、週明けの株式相場は予想外の閑散相場になっています。円高懸念は払拭されたものの、週末の雇用統計の内容を見極めたいという様子見スタンスでしょうか。31日(水)は月末ということもあり、揺さ振りが仕掛けられ、取引時間中に粗い値動きとなる可能性があるので注意しましょう。
一方、為替相場が円安に振れており、出遅れ感の強い輸出関連株がフォーカスされる展開が続くと見られます。31日もこの動きに乗るのが有効でしょうが、一方で、資金シフトに伴う内需関連銘柄の大幅下落があれば、下値を拾うことも一考に値しましょう。特に、9月下旬から決算発表が始まる小売セクターには、この観点が重要となります。
青山 諭志