KDDI、1Qは減収も増益 新型コロナウイルスの影響による販売端末数減少でコスト減

2020年7月31日に行われた、KDDI株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:KDDI株式会社 代表取締役執行役員副社長 村本伸一 氏

新しい世界「ニューノーマル」

村本伸一氏(以下、村本氏):本日はお忙しい中、KDDIの決算説明会をご視聴いただき誠にありがとうございます。2021年3月期第1四半期の決算についてご説明します。

まず7月に発生した集中豪雨により被災されたみなさま、およびそのご家族の方々に心よりお見舞いを申し上げます。我々KDDIグループは、被災地の復興に向けて引き続き全力で取り組んでいきます。

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まずはニューノーマルな時代に向けて、ウィズコロナの時代、そしてその先を見据えた当社の姿勢についてご説明します。

新型コロナウイルス感染症の拡大により世界中でニューノーマルな生活様式が進んでいく中、リアルイベントのデジタル化、インタラクティブなECの拡大、働く場所の多様化、遠隔監視・制御技術へのニーズの高まりなど、当社を取り巻く事業環境にも大きな変化が見込まれています。

また、感染症拡大防止と持続的な経済活動を両立するためには、レジリエントな社会基盤の構築が不可欠です。当社はこのニューノーマルな時代に向け、5G、IoT、AIなどを活用し、デジタルトランスフォーメーションをさらに推進していきます。

ニューノーマル時代の新しい働き方へ

企業のレジリエント性を高めるためには、社員や組織の高度な自律性と成長が不可欠です。当社は以前から経営における人材ファーストの考え方に基づき、自律性高く成長を続ける人材を目指す社員像として、社内に向けて掲げてきました。

このたび社員一人ひとりが時間や場所にとらわれず成果を出す働き方を実現することを軸として「KDDI新働き方宣言」を策定しました。その働き方を支えるため、人事制度の改革、社内DXも推進していきます。

ニューノーマル時代において、人材ファースト企業への変革を加速し、激変する環境に対応しうる経営基盤の構築を目指していきます。

新働き方宣言

緊急事態宣言下において、約9割の社員がテレワークを活用しました。アンケートなどを取ることでテレワークの有効性や課題を分析し、今後はテレワークを活用したハイブリッド型の新しい働き方を定着させ、さらに業務効率を高めていくこととしました。

具体的には、新働き方宣言にもとづき、より実行性を高めるためにそれぞれのワークスタイルや組織における役割を4つのモデルケースに分類しました。モデルケースや生活環境に応じて、社員一人ひとりが自分に合った働き方の最適解を見つけ実現できるように、会社としても支援していきます。

新人事制度/社内DX

スライドの左側をご覧ください。新人事制度ではKDDI版ジョブ型を導入します。職務領域の明確化と成果・挑戦・能力に基づく評価・報酬を行うジョブ型の長所を生かしながら、KDDIグループの事業領域における多様な成長機会を提供するなど、自律的なキャリア形成の支援を行います。

スライドの右側です。社内DXでは、テレワークと出社のハイブリッドな働き方の実現に向けて、オフィスやITの環境整備を進めていきます。新しい働き方に向けた組織の浸透と環境整備を加速していきます。

新型コロナウイルス感染症対応

5月に新型コロナウイルス感染症対応基本方針を発表し、その基本方針に基づきさまざまな対応を行ってきました。引き続き、事業を通じて社会と生活の安定に貢献していきます。

オープンイノベーション

7ページからは当社の取り組みについていくつかご紹介します。スライドの左側は、「KDDI MUGENLABO」によるスタートアップへの支援です。

パートナー連合の46社は、各社のアセットを提供する「MUGENLABO支援プログラム 2020」を開始しました。今後は感染症拡大防止に向けて、スタートアップ企業の技術を活用するなどの取り組みを行っていきます。

スライドの右側です。「KDDI Open Innovation Fund」出資先のCAMPFIREと協力し、経営に大幅な支障をきたした事業者のためにクラウドファンディングを通じて手数料無償化の支援も行いました。スタートアップや事業者の支援を通じ、社会課題の解決を促進していきます。

次世代の育成

AEONでの取り組みです。感染症拡大防止のための休校措置などにより学習困難となった児童や学生を支援します。

高校生1万人を対象に英会話レッスンを無償で提供したり、新学習指導要領で英語学習が変化していく小学生に対しては英会話動画コンテンツの無償配信も行っています。このように教育環境のDXをサポートしていきます。

エンターテインメントとスポーツに活力を

エンターテインメントとスポーツについてですが、こちらでも新型コロナウイルス感染症と共生する手段を模索していきます。

スライドの左側は「音のVR」ですが、360度動画の見たい、聴きたい部分に自由自在にフォーカスできるインタラクティブな視聴技術です。アーティストがファンとつながる新しいプラットフォームを提供します。

スライドの右側は、世界トップクラスのクライマーで結成した「TEAM au」への支援です。東京オリンピックは1年延期となり、選手の練習環境にも影響が及んでいます。クライミングウォールを建設し、AIやIoTの先端テクノロジーを活用するなど、引き続き選手へのサポートを行っていきます。

1Q連結業績ハイライト

ここからは2021年3月期の第1四半期連結業績についてご説明します。11ページは第1四半期連結業績ハイライトになります。

連結の売上高は1兆2,427億円で、通期目標に対する進捗率は23.7パーセントです。営業利益は2,907億円で、進捗率が28.2パーセントでした。

親会社の所有者に帰属する当期利益は1,823億円で、進捗率は28.5パーセントです。第2四半期以降の業績影響を慎重に精査しており、通期予想は据え置きとしています。

1Q連結営業利益 増減要因

営業利益の増減要因についてご説明します。スライドの左側ですが、成長領域のライフデザイン領域とビジネスセグメントで合計206億円の増益となり、順調に進捗しています。

一方、新型コロナウイルス感染症の影響で端末の販売台数が大きく減少したことによる販売コストの減少で、241億円の増益です。さらに端末販売粗利の減少等により、その他で98億円の減益となっています。

この第1四半期は前期の第1四半期が大変悪かったこともありYOYで増益となりましたが、端末の販売台数が前年同期比で45万台減少し、また4Gから5Gへの移行が予定どおり進んでいません。

我々としてはこの増益は決して喜べないと思っており、むしろ焦りを感じています。引き続き、5Gの早期展開をしっかりと進めていきます。

新型コロナウイルス感染症の業績影響等

新型コロナウイルス感染症の業績影響についてまとめています。第1四半期の業績にはパーソナルセグメントでの端末販売コストの減少や、ビジネスセグメントでのテレワーク需要の増加等による一時的な増益が発生しています。

第2四半期以降では業績影響の精査を進めるとともに、期初計画達成に向けた事業の推進、成長領域へのコスト投下を進めていきます。

お客さま本位の価値提案に向けて

事業戦略についてです。5月の本決算でもお示ししたとおり「グループID」×「エンゲージメント」×「総合ARPU」の最大化に向けてエンゲージメントを中心に据え、お客さまとの信頼関係の構築を第一に、グループ全体で事業戦略を推進していきます。次ページより順にご説明します。

ダブルブランド戦略

ダブルブランド戦略です。auは大容量を安心してお使いになりたいお客さまのために、6月25日から「データMAX 5G ALLSTAR パック」の提供を開始しました。

また、UQ mobileでは中容量を志向するお客さまのために、6月1日から「スマホプランR」の提供を開始しました。auとUQ mobileの双方で、幅広いお客さまに選ばれるサービスの提供を目指していきます。

グループID

グループIDの状況についてです。グループID数はUQ mobileが牽引し、6月末で2,720万と順調に増加しています。

UQ mobileの純増数は、第1四半期で前年同期比1.5倍、「スマホプランR」をスタートした6月単月では前年同期比2.4倍になっており、大変ご好評をいただいています。

au PAY

エンゲージメント向上の中心に位置づけている「au PAY」です。昨年4月より開始したコード決済の「au PAY」ですが、順調に決済件数が伸びています。

本年2月から3月にかけてキャンペーンを実施した結果、au以外のお客さまにも多くご利用いただき、認知度も大きく上昇して決済件数も大きく伸びました。キャンペーン後も引き続き伸長しています。

また、いよいよ5月21日より共通ポイントとしての「Pontaポイント」を開始しています。ローソンではポイント増量キャンペーンを行うなどの利用促進により、今後もさらなるエンゲージメント向上を目指していきます。

au総合ARPAの成長ドライバー

au総合ARPAの成長ドライバーです。第1四半期のau総合ARPAは7,790円となり、前年同期比で4.6パーセントの成長となりました。

その中でも「auでんき」のARPAの伸びが大きく、「auでんき」契約数の順調な拡大と感染症拡大による在宅時間の増加影響もあり、第1四半期は640円と前年同期比で31パーセント増加しています。

また、「auスマートパスプレミアム」の会員数も順調に増加しており、足元では1,000万会員を突破しました。ライフデザインサービスの利用者が順調に増加しています。

テレワーク需要の高まり

ビジネスセグメントです。テレワーク需要の高まりについては、クラウドアプリが5倍、リモートアクセスが4倍、ビデオ会議が8倍となり、サービスの申込みが増加しました。

スライドの右側ですが、法人向けのソリューションをワンストップで提供している「KDDIまとめてオフィス」では、緊急事態宣言中の4月に前年同期比でスマートフォンの新規契約数が1.6倍、タブレットが1.8倍、モバイルルータが1.9倍と拡大しました。

感染症拡大の防止策をきっかけに、テレワークなどの非接触化、デジタル化が大企業から中小企業にも大きく拡大しています。

新たな働き方を支えるDX

テレワークを含めた新たな働き方を支えるDXについてです。スライドの左側ですが、新たに「ゼロトラスト」のコンセプトに基づいた高セキュアなセキュリティシステムの提供を開始しました。お客さまの働き方とシステムの構成に最適なソリューションの提案を進めていきます。

スライドの右側ですが、当社の法人部門を虎ノ門新拠点に移転します。座席数は人員に対して4割削減し、オンライン会議ツールを充実させるほか、社内外のネットワークや複数のクラウドサービスなどの活用を想定し、自らが働き方のDXを実践していきます。

法人向け5G

法人向け5Gについてです。スライド左側の「SORACOM」では、auの5Gネットワークに対応したMVNO事業を今年度中に開始します。

また、当社と共同で5Gを活用したユースケースの創出に向けて、「AWS Wavelength」を活用した超低遅延のアプリケーション環境の実証実験をこの7月から開始しました。

スライド右側は、オフィスビルの課題解決や働き方改革を促進するオフィスソリューションの提供に向けた5Gの活用です。三井不動産とのパートナーシップにより、5Gの特性を生かしたDXを推進していきます。

au 5G

au 5Gのインフラレイヤーについてです。2021年3月末には約1万局を、2022年3月末には約5万局の基地局の展開を予定しています。5Gの早期全国展開を加速し、5Gのコンシューマ向け利用と各産業のIoT市場の浸透を推進していきます。

サマリー

最後に本日のサマリーです。新型コロナウイルス感染症対応基本方針に基づき、通信を取り巻く幅広い領域で社会的役割の拡大を目指していきます。

ニューノーマルの時代に向けて、レジリエントな社会基盤の構築に向けたDXを加速し、新しい働き方の推進により激変する環境に対応しうる経営基盤を強化します。

業績と事業戦略については、第1四半期は感染症の影響の顕在化と、第2四半期以降の業績影響を慎重に精査して期初計画の達成を目指していきます。成長領域のライフデザイン領域とビジネスセグメントは順調に推移しました。

以上、社会の安定に向けた取り組みと堅実な経営を今後も推進していきます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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