テレワークによって、長時間労働が増えたという声がインターネットを中心に話題になっています。実際にテレワークに関する法律相談は増えているのか、弁護士の齋藤健博が解説いたします。
仕事とプライベートの切り分けが難しいテレワーク
テレワークに関する法律相談は、コロナ禍で増加しています。特に多い相談としては、「休憩時間の算出方法」「プライベートと勤務時間の切り分け」などです。
8月に日経ビジネスが行なった調査(※)で、対象者の約3割がテレワークによって労働時間が増加していることが明らかになったように、テレワークによる労働時間増加に関する相談も増えています。
テレハラ(テレワークハラスメント)も増加
テレワーク時のハラスメント相談も増加しています。最近のケースでは画面共有によるセクハラや、テレワーク中にプライベートな誘いをするなどの相談がありました。こちらも仕事とプライベートの切り分けがなされていないケースですね。
仕事とプライベートの線引きを明確にすべき
長時間労働やハラスメントなどのトラブルを防ぐためにはまず、仕事とプライベートの線引きを明確に定めることが重要です。テレワークは、電話でコミュニケーションをとることもあれば、LINEなどのコミュニケーションツールによることもあるでしょう。
必然的に距離を取る以上、たとえば過度な仕事の催促や要求などにもつながりやすいと実感しています。実際テレワーク明けに人間関係が豹変していたなどの話も見聞きします。重要なのは、密なコミュニケーションができない以上、他人を思いやり想像力を働かせることではないでしょうか。
参考
(※)「独自調査 不安あるも「在宅」「ジョブ型」に前向き」『日経ビジネス』no.2057(p.36-37)
齋藤 健博