老後資金はどのように調達すべき?

老後資金の基本は、「年金額との差額」を余命年数分用意することです。老後資金の準備は早めのほうがいいですが、定年後の資産形成プランを考え、今からでもやれることを見つけておくのが大切です。

【金融商品を使う】

預貯金を運営して老後資金を確保するなら、低リスクで税制優遇を受けられる「つみたてNISA」や「iDeCo」がおすすめです。両者を併用することで予想外の支出に対する備えをしつつ、老後に向けた資産形成が可能になります。

金融審議会が令和元年6月に公表した市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」をみてみると、20~50代における老後不安の1位は「お金」でした。資金寿命を延ばす手段では「働く」「節約」のほか「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」が挙げられていますが、実際に投資を行っている人は少ないとみられ、意識と行動の乖離があるようです。

【できるだけ長く働く】

高齢者の雇用についても近年さまざまな制度が変化し始めています。厚生労働省「高年齢者の雇用」では、「65歳までの雇用機会の確保」「再就職の援助」のほか、65歳以上になっても意欲と能力に応じて働き続ける制度について示されています。

できるだけ長く働いて資金を増やし、年金受給を繰り下げることで、受け取れる年金額を上げることも可能です。繰り下げは現在70歳までですが、22年には75歳までに拡大されます。受け取り開始時期にもよりますが、現時点では繰り下げを選択することでだいたい78歳前後を境に年金の総受給額が多くなるそうです。