2020年8月3日に行なわれた、株式会社ジェイテクト2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ジェイテクト 専務取締役 牧野一久 氏

1-1) 2021年3月期 第1四半期 決算のポイント

牧野一久氏:みなさま、おはようございます。ジェイテクトの牧野です。日頃からいろいろとお世話になっています。第1四半期の決算ということで、すでに資料をご覧いただいている方もおありかと思いますが、お手元の資料について、私からご説明します。

それでは、第1四半期の決算のポイントです。一番目として、ここに書いてあるとおりです。当第1四半期は、新型コロナウイルスの影響等により前年同期比で売上が半減、各事業で大幅に減収・赤字に転落となっています。地域別では、中国のみ増収も他地域は減収、全地域で減益となっています。

2つ目の当期業績予想ですが、OEMであるトヨタが出したデータと我々で取れるかぎりのデータをもとに試算した結果、売上前年比でマイナス20パーセント、足元四半期のところは50パーセントくらい減っていますが、それが年度後半には、押し並べて20パーセントのところまでくるだろうということで非常に厳しいところです。

固定費の削減も損益分岐点では落ちていますので、いわゆる足元の固定費と、将来含めた開発費も大きく見直しながら、やるべきことはやるという中で取り組んでいますが、まだ結果的には20パーセントの減収で、大幅な減益赤字となっています。

それを受けまして、当期の配当金は業績が赤字となる予想であることと下期以降の状況は我々もまだよく見えていないことから、配当については慎重に考えさせていただきたく、未定としています。

1-2) 連結損益

売上については46.1パーセントの大幅な減収、利益も半分以下で大きく赤字になっています。設備投資と研究開発については、先ほどご説明したとおり、足元では減らしていますが、まだまだこれでは駄目だという状態です。

1-3) 事業利益の増減分析

事業利益については今年度から本格的にIFRSで会計処理を行なっています。従来の営業利益は経常利益に近いもののため、今までの営業利益を事業利益と称し、社内および外部へもこちらにて説明しています。

スライド中央の階段グラフをご覧ください。どこの会社でも新型コロナウイルスの影響により売上減が非常に多かったものと思います。しかし、当社は研究開発費、労務費などを減らし、原価改善等を行なってもその影響を吸収できていないということで、大幅に減益というのがこちらに書いてある内容です。

1-4) 法人所在地別業績

法人所在地別業績です。日本が償却費や新規連結の影響で減収以上に減益となっています。償却については、ステアリングを中心に投資の削減がこれから効いてくるところだと思います。また、欧州は前期において減損を行なったことや研究開発の大幅見直しによって、コロナ禍ではありますが、減収の影響はかなり限定的に押さえられていると思います。

北米においても前年度に工場の寄せ止め等を行ないました。それを含め固定費や原価改善が若干進みはじめたこともあり、若干減収よりも営業利益減少の幅が縮小しています。

2-1) 2021年3月期 業績予想

今年度の予想です。こちらも足元ですが、中国はすでに米中の関係でほど前年並になっています。あとのところは、日本も含めまして、5月がボトムだと思っています。そこから、地域によってはだいぶ違いますが、欧米、とくにアメリカは、かなり戻してきています。日本は若干まだ弱いのかなと思います。懸念事項としては、ASEANのところが先も見ても不安定かというところです。それらを入れて、1兆1,400億円、マイナス200億円の事業利益になっています。こちらの1兆1,400億円には、6月以降のトヨタの回復のスピードの早まりを反映していません。

ご存知のように、トヨタの比率はグループの中でも結構低いこともあり、我々はヨーロッパのお客さまも結構多いものですので、そこがあまりよく見えていない部分があり、そのあたりの情報は反映していない状況です。

2-2) 事業利益の増減分析

増減要因です。固定費の圧縮を一生懸命図っていますが、もう走り出しているものも含め、止まらないものもあるため、原価改善、固定費削減を含めても、結局は200億円くらいの事業利益のマイナスがこちらに出ています。簡単ではありますが、説明は以上にさせていただきます。

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