2:赤い値札で特別感があるように見える
2つ目の買い物におけるワナは、「赤い値札」に潜んでいます。みなさんもスーパーで赤い値札に白い文字で値段が書かれているものを見たことは多いはず。
実はこれも行動経済学では有名なワナとして知られています。
確かに赤い値札の商品は、お得なものが多いため、必ずしもワナというわけではありません。そのため赤い値札があるだけで、魅力的に見えるということは頷けるかと思います。
しかし、なぜ赤い値札は安く感じるのでしょうか?
心理学では厳密に解明されてはいませんが、一説によると、昔、男性は狩猟、女性は果実採取を行っていたため、(果実が熟しているのかどうかを)色で見極める能力が身に付いているのではないかと言われています。
つまり、一般的には男性よりも女性の方がスーパーに行く回数も多く、特に赤い値札に惹かれやすくなっているのです。
また、2016年に出た京都橘大学の前田洋光准教授らの『パッケージカラーが商品イメージおよび購買意欲に及ぼす影響-チョコレートのパッケージを題材として』という研究によれば、赤い色は「親近感」を沸き立たせ、商品を買いたくなるように誘導しやすい傾向があることが分かっています。(※3)
このように、親近感を抱きやすい「赤い値札」に騙されないようにするには、どうすればいいでしょうか?
結論は、先ほどの例と同様に「1グラムあたりの値段を計算する」という方法にあります。
たとえば、いくつかお米が並んでいる中で1つだけ赤い値札になっていても、冷静に「1グラム当たりの値段」を計算して、他の商品と比較しましょう。