そうこうしているうちに、お客さんが尋ねてきたことに対応するには誰に回せばいいのか、自分で回答できるのか、業務がどのように回っているのか等が分かるようになり、自分自身の社内コミュニケーションもずいぶんマシになっていった記憶があります。

そういう観点では、会社にかかってきた電話を真っ先に取るというのは、格好の新人教育と言えるでしょう。

電話1本でもイメージは変わるもの

普段の生活を考えても、電話にせよ対面にせよ、感じのいい受け答えをする店はまた利用しようという気にさせられます。一方、木で鼻をくくったような事務的な対応だと足が遠のきます。顧客と何かトラブルがあった場合、後者だと怒りの火に油を注ぐ状態になるはずです。

人間である限り、他人とのコミュニケーションを取らざるを得ません。電話(話し言葉)であっても、SNS(書き言葉)であっても、コミュニケーションの道具の1つなのですから、うまく扱えるに越したことはありません。

電話が個人化し、メールに代わるチャットツールやSNSのメッセージサービスへが台頭しつつある中、リモートワークという新しい仕事環境も広まっています。こうした状況では、ますます若手にコミュニケーションの取り方を教えるのが難しくなっているのかもしれません。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)