「たったの700円とか、物が安い、高い、と判断するのはあなたが大きくなって、自分でお金を稼いで、そのお金を使えるようになってから。今、あなたはまだお父さんが一生懸命働いて稼いでくれたお金を使っているの。しかもあのプラモデルは、生きていくのに必要なものではないよね? それを『たった700円』『安い』なんて言うのは大きな間違いです」

子供は身近な人から「高い」「安い」を学習している

私たちが物の値段の「高い」「安い」を判断する際には、必ず比較対象があります。たとえば「安い」と判断する基準は、他のスーパーよりも値段が安かった、今までの価格よりも値下げしていた、同じ種類の他の商品よりも価格が低かった…など。

では、子供たちはいったい何をもって「高い」「安い」と判断するのでしょう。

幼稚園年長の娘のママである筆者の知人は、このような興味深い話をしてくれました。

「うちの子供は、100円のお菓子を『安い』って認識しているみたいで、買い物にいったら『このお菓子100円で安いから買って』とか言うのよ。たぶんダンナが100円ショップで『これもたったの100円なんて安いなぁ』って言ってるのが原因じゃないかと思うんだけど」

つまり、知人の娘は、何かと比較して100円のお菓子を「安い」と判断しているのではなく、大人の会話から「100円は安い」と判断するようになった、というわけです。これはなにも知人の娘に限ったことではないような気がします。

えてして子供たちが「これ安い」と発言する背後には、大人の「X円だなんて、安いわね」なんていう言葉が影響しているのではないでしょうか。