日本電気、大型案件の減少、ビジネスPCの更新需要一巡やマクロ経済悪化の影響により1Qは減収減益

2020年7月31日に行なわれた、日本電気株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日本電気株式会社 代表取締役 執行役員副社長 兼 CFO 森田隆之 氏

セグメント変更の概要

森田隆之氏:みなさま、こんにちは。CFOの森田です。本日は音声配信というかたちでの決算説明会となりますが、多数の方々にご参加いただきありがとうございます。それでは本日発表させていただきました2020年度、第1四半期の決算概要についてご説明します。

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はじめに決算の概要です。まずセグメント変更の概要についてご説明します。当社は本年4月に実施した制度や組織の変更に伴い、この第1四半期決算からセグメントの一部を変更しています。本日のご説明はこの新セグメントベースで行ないます。また過去実績についても組み替えて表示しています。

主な変更はこちらにお示ししているとおりですが、1点補足しますと、システムプラットフォームは今回の制度変更によりその他に含まれています。

第1四半期 概況

5ページをご覧ください。2020年度、第1四半期実績の全体像をご説明します。売上収益は、前年にあった大型案件の反動とビジネスPCの更新需要の減に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により減収、調整後営業損益は、費用節減や子会社株式の売却益を計上したものの、売上収益の減少により減益となりました。調整後当期損益は、調整後営業損益の減少に伴い減益です。

第1四半期 実績サマリー

6ページをご覧ください。第1四半期の売上収益は5,877億円、調整後営業損益は58億円の損失となりました。また調整後当期利益も23億円の損失となりました。フリー・キャッシュ・フローは842億円の収入となり、これについては後ほどご説明します。右側の表にはセグメント別の実績をお示ししています。

調整後営業損益の増減要因(前年度比)

7ページです。調整後営業損益に関して前年からの増減要因についてご説明をします。第1四半期はビジネスPCの売上減による20億円の減、2019年度にあった大型案件の反動による40億円の減がありますが、これらは当初から想定していた減益要因になります。

これに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する経済悪化の影響を受け、グローバル、エンタープライズ、日本航空電子工業で175億円の減益となりました。マクロ環境悪化の影響を受け、費用コントロールとニューノーマル需要の獲得により相殺していくという考え方に変更はありません。

また第1四半期の実績におけるマクロ経済悪化の影響は5月時点での想定の範囲内で推移していると分析しています。この第1四半期では、5Gを中心とする開発費を前年比で40億円増加させ、費用コントロールにより、前年比で70億円を改善させています。加えて、期初から掲げている資産売却を進め、オプトロニクスの株式を売却するなど、需要環境の変化に対する施策を実行しています。

社会公共

8ページ以降はセグメント別の業績になります。最初は社会公共です。売上収益は医療・公共向けの減少に加えてビジネスPCの売上減により減収となりました。調整後営業損益は売上減により減益となっています。

社会基盤

9ページをご覧ください。社会基盤です。売上収益は航空宇宙・防衛向けが減少したことに加え、連結子会社の日本航空電子工業の減により減収となりました。調整後営業利益は、主に日本航空電子工業での減益となっています。

エンタープライズ

10ページをご覧ください。エンタープライズです。売上収益は前年の流通向け金融向けの大型案件の減少に加え、ビジネスPCの売上減により減収、調整後営業利益は売上の減少により減益となっています。

ネットワークサービス

11ページをご覧ください。ネットワークサービスです。売上収益は連結子会社のNECネッツエスアイを中心に増収となりました。調整後営業損益は5G関連の投資増により減益となっています。

グローバル

12ページです。グローバルです。売上収益は旺盛な需要により海洋システムが増加しましたが、ディスプレイ、ワイヤレスが減少したことに加え、買収時に見込んでいたKMDの一部事業の終息により減収となりました。調整後営業損益は売上減により減益となっていますが、この影響に対する対策として費用節減を行ない、影響をある程度吸収できています。

グローバル事業の状況 (1)

13ページではグローバル事業のSBU別売上収益の動向についてお示ししています。ご参考にしていただければと思います。

グローバル事業の状況 (2)

14ページではグローバル事業での施策について記載をしています。ディスプレイ事業についての状況です。3月25日に発表をしたシャープとのNECディスプレイソリューションズの合弁会社化ですが、そのために必要となる各国行政機関での審査を行なっている状況です。非連結化の目処は今年度上期末を見込んでいます。

エネルギー事業については、従来収益改善につながるパートナリングを目指してきましたが、そこに至るまでに時間を要する状況であることに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響も重なり、これ以上の先送りは困難と判断しました。

今回、NECエナジーソリューションズにおける新規受注を停止し、契約済みプロジェクトの敢行や、保守等の保守義務の履行のみ継続することを決定しました。既存プロジェクトの敢行は2021年度上期までの予定であり、補償義務は2029年度までの見込みです。今後のリスクオフに向けた経営判断を今般行なったということです。

国内受注動向 (ハードウェア含む)

15ページでは国内における第1四半期の受注動向をご説明します。社会公共は前年にマイナンバー関係の中間サーバー更新案件があったことに加え、中堅中小のITサービスが市況悪化の影響を受けたことで減少となりました。エンタープライズも前年に流通向け金融向けの大型案件があったことや、ビジネスPCの受注、需要減に加えて市況悪化の影響により減少となっています。

一方で、6月の受注は前年比で97パーセントと回復してきており、未だ不透明感が強く楽観視はできない状況ではありますが、前年並みの水準となっています。一方、社会基盤は、ベトナム向け地球観測衛星が貢献したこともありプラス成長となりました。この案件を除いても前年比で増加しており、堅調な受注環境が継続しています。

フリー・キャッシュ・フローの状況

16ページ、フリー・キャッシュ・フローの状況です。営業キャッシュ・フローは調整後営業損益の134億円の悪化に加え、税金、賞与、その他支払い増により320億円の悪化がありましたが、期末債権残の回収や資産効率化の加速により、運転資金が約440億円改善したことで前年並みの水準となりました。

一方、投資キャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び関連会社再編の影響等により約20億円の改善となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは2019年度と比べ10億円改善し842億円の収入となりました。

業績予想サマリー

続いて2020年度通期の業績予想についてご説明します。18ページをご覧ください。年間の業績予想は5月12日に公表した計画から変更はありません。セグメント別の内訳は、7月21日に公表したセグメント変更を反映したものとなっています。

今後の新型コロナウイルス感染症拡大を起因とする変化への対応

19ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症の拡大を起因とする環境変化に対する対応についてご説明をします。マクロ環境の悪化による今年度の業績への影響ですが、第1四半期の状況、また現時点での今後の見通しを社内でレビューした結果、その見通しに関しては、本年5月の期初計画の発表時からの変更はありません。

上期での終息を前提とした場合、一定程度減収インパクトが想定されますが、費用コントロールや新たな需要の獲得により、利益予想を達成することできると考えています。またキャッシュマネジメントについては、売却可能な資産のキャッシュ化も含めて引き続き万全の手元流動性を確保していきます。

New Normalに向けた取り組み

20ページではNew Normalに向けた取り組みをご紹介しています。まずハワイ主要5空港の生体認証・映像分析技術とサーマルカメラを組み合わせた感染症対策ソリューションの提供です。体表温度が高い人物の検知と空港内での移動経路の見える化により、環境客やビジネス客のみなさまの安全・安心な旅行、出張と、現地の方々の安全対策に貢献します。

またNECはNew Normal時代の新しい働き方をDXで実現するデジタルオフィスのプロジェクトを始動しました。New Normal時代に求められるオフィスの在り方を見据え、生体認証や映像分析など先進ICTを活用したゲートレス入退システムやマスク対応レジレス店舗など、さまざまな実証をNEC本社ビル内にて開始しており、2020年度内を目処に、順次ソリューションの提供を開始していきます。

New Normal時代のマーケティング変革の実践

21ページです。マーケティング活動でもNew Normalに向けた変革を実践しています。今月、当社初のデジタルイベントとなりますNEC iEXPO Digitalを開催しましたが、延べ3万人を超えるお客さまに参加いただき、リアルと遜色のない成果をあげるなど手応えを感じています。

これを踏まえ、毎年11月に開催しているプライベートイベントを、今年は展示も含め日本最大級のオールデジタルイベントとして開催することを決定しました。デジタル開催のメリットを活かして海外のお客さまの集客を強化するなど、前年のリアルイベント比で2.5倍の規模となる5万人の集客を目指していきます。

5G領域における取り組み強化

最後にトピックスを紹介します。23ページでは5G領域における取り組み強化についてご説明をします。まず1つ目は、本年6月にNTTと革新的光・無線技術を活用したICT製品の共同研究開発およびグローバル展開を目的とした提携に合意をしました。具体的には、O-RANをはじめとするオープンアーキテクチャーの普及促進と、IOWN構想の実現に向けて取り組みます。これらの取り組みにより、日本の産業競争力協会および通信インフラの安全性、信頼性の一層の確保に貢献していきます。

2つ目は楽天モバイルとスタンドアローン方式の5Gコアネットワークを共同開発をすることに合意しました。高い信頼性を備えた日本製の5Gコアの構築を共同で進めるとともに、Rakuten Communications Platform(RCP)のグローバル展開に貢献していきます。

米国1934年証券取引所法に基づく制限解除について

続いて24ページをご覧ください。NECは本年3月にSECへForm20-Fを提出しましたが、6月29日付で登録の効力が発生し、米国における当社株式の売買・勧誘に対する制限が撤廃されました。この第1四半期決算発表以降、米国投資家へのコミュニケーションを積極的に行なっていくことで、今後も市場、資本市場のみなさまとの対話を通じて企業価値の向上に向けた取り組みを強化していきたいと考えています。

IR Day 開催について

最後に25ページです。こちらは資本市場のみなさまを対象としたイベントとなりますが、当社は昨年に引き続き9月14日に「NEC IR DAY」を開催します。各ユニット長、事業責任者から、それぞれの担当領域における現中計達成に向けた取り組みについてご説明します。ぜひ参加いただきますようお願いします。私からのプレゼンテーションは以上となります。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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