「成功報酬付き公募投信」には要注意~問題点は何か?

投資信託の信託報酬と成功報酬とは?

資産運用会社が投資信託を運用する際、通常彼らの運用費用は信託報酬から支払われます。この信託報酬は、「純資産総額に対して何%」といった形で設定され、信託財産から差し引かれて運用会社に支払われる手数料です。

たとえば、年間1%の信託報酬率で純資産総額が100億円の投資信託を運用する運用会社には、年間1億円の信託報酬が支払われます。信託報酬率は固定料率ですから、分かりやすい手数料体系です。ちなみに、販売会社(銀行・証券会社など)にはこの半額が手数料として支払われます。

続きを読む

最近、この信託報酬に加え、“成功報酬”を導入する公募投信が散見されるようになりました。成功報酬は、その投資信託の運用成績がある水準を上回ったら、上回った分のたとえば20%を成功報酬として運用会社が徴求する手数料。海外ファンド、特にヘッジファンドで採用されている報酬制度です。

この場合、運用会社は通常の信託報酬に加え、運用がうまくいけば成功報酬も手にすることができるというものです。

成功報酬の計算方法

ある投資信託の成功報酬(20%)を計算する際の基準価額が1万円だったとします。決算日にこのファンドの基準価額が1万2,000円に値上がりしていれば、その差の2,000円の20%である400円が成功報酬となります(図表参照)。

そして、次の成功報酬の計算基準(ハイウォーターマーク [High Water Mark] という)は1万2,000円となり、次回の成功報酬は、基準価額がこの1万2,000円を超えた際に発生します(理解を容易にするため、信託報酬は計算しません)。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。