2020年8月3日に行なわれた、株式会社西武ホールディングス2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社西武ホールディングス 執行役員 経営企画本部IR部長 中川義秀 氏
2021年3月期 第1四半期 決算実績
中川義秀氏:西武ホールディングス中川です。2021年3月期第1四半期の決算実績について、3ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、需要が大幅に減少し、各事業で休業を行なうなど事業環境が極めて厳しい状況となった結果、営業収益は前期比54パーセント減の663億円となりました。利益については固定費の削減等に努めたものの、営業利益は176億円の赤字、親会社株主に帰属する四半期純利益は287億円の赤字となりました。なお、通常は営業費用として計上している費用のうち、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う要請等による休業期間の固定費などを107億円を特別損失に計上しました。
新型コロナウイルス感染症影響
次に4ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症影響についてです。左上の表のとおり、コロナ前における見込みからのマイナス影響の概算金額は営業収益全体で774億円、営業利益全体で535億円ありました。内容については記載のとおりです。ページの下半分に鉄道運輸収入とホテル業のRevPARについての月次の推移を示していますが、鉄道による収入が前年の第1四半期と比べて113億円の減少、RevPARは94.8パーセントの減少となりました。右上の表には特別損出に計上した固定費についてセグメント別に記載しています。内訳としてはホテル・レジャー事業が中心となっています。
セグメント別営業収益
次に5ページをご覧ください。セグメント別の営業収益です。各セグメントでコロナ影響により減収となりました。不動産事業については、コロナ影響以外に前年同期に分譲マンション、アンヴィーネ保谷の引き渡しがあったことによる減収要因や、ダイヤゲート池袋の賃料収入の増加といった増収要因もありました。なお、表の下に注意書きを入れていますが、今期より広告セグメントを変更しており、前年の第1四半期の数値は変更後の区分によって記載しています。従来の区分からの組み替えの詳細を32から34ページに掲載していますので、ご参照ください。
セグメント別営業利益・償却前営業利益
次に6ページをご覧ください。上段の表はセグメント別の営業利益についてです。記載の要因よりすべてのセグメントで減益となりました。摘要欄において費用の減少をプラス要因として記載しています。都市交通・沿線事業とホテル・レジャー事業の欄に記載している人件費などの費用の減少はその下の行の一部固定費を特別損失へ振り替えたことによる減少分以外の実質的な削減を示しています。
2021年3月期 第1四半期 主な営業状況①
2021年3月期 第1四半期 主な営業状況②
第1四半期における各事業の主な営業状況について8ページと次の9ページに記載しています。
ホテル業 ホテルごとの営業状況(概要)①
ホテル業 ホテルごとの営業状況(概要)②
また、国内のホテルごとの営業状況については36ページ、37ページにも掲載していますので、ご参照ください。緊急事態宣言期間を中心に各事業において休業等を実施しました。
必要運転資金確保への取り組み
次に10ページをご覧ください。運転資金確保への取り組みについてです。6月までに2,200億円を超える資金手当を行なったほか、人件費や水道光熱費などの固定費の削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業を実施しました。雇用調整助成金の多くは、第2四半期以降での平常となる見込みです。
お客さま・従業員の安全・安心の確保、収益回復への取り組み
次に11ページをご覧ください。コロナ下において、お客さまならびに従業員の安全・安心の確保を何よりも優先し、事業運営を行なっています。各事業で感染予防対策、感染拡大防止対策を実施したうえで、施設の営業を再開し、ニーズに対応した新たなサービスの提供も開始しました。
営業外・特別損益
25ページをご覧ください。特別損失についてご説明します。冒頭ご説明しましたとおり、休業期間中の固定費など107億円を臨時休業等による損出として計上しました。また、減損損出を約25億円計上しましたが、この主な要因は「としまえん」を8月に閉園することを決定したことに伴い、遊園地の遊戯物などの設備を減損処理したものです。
2021年3月期 連結業績予想
最後に28ページをご覧ください。今期の業績予想についてです。足元で、新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加傾向となるなど、日々状況が変化するなか、現時点で業績への影響を合理的に算定することが困難であることから、業績予想は引き続き未定としています。今後予想が可能となった段階ですみやかに発表します。
足元の動向ですが、鉄道、ホテルともに多少の改善傾向は見られるものの、前年実績を大きく下回る状況が続いており、感染の再拡大による影響も懸念され、先行きが不透明な状況です。この難局を乗り越えるため、5月26日に公表しました2020年度における事業上の重要事項に基づき、自体終息までは必要最低限の事業運営に特化することを最優先とし、必要運転資金の確保に努めるとともに、お客さまや社会に対し、ほほえみと元気をご提供できるよう事業運営を行なってまいります。
また、必要最低限の事業運営に特化する観点を最優先としながらも、新規中期経営計画において想定していた重点施策を可能な限り推進するとともに、事態終息にも人々の価値観の変化を見据えた行動改革に取り組んでまいります。説明は以上です。