あらた、1Qは増収増益 AI技術の活用による需要予測や物流センターの省力化に注力、10年後には売上高1兆円超を目指す

2020年8月30日にログミーFinance主催で行なわれた、第14回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナーの第1部・株式会社あらたの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社あらた 代表取締役 副社長執行役員 鈴木洋一 氏\n元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏\nフリーアナウンサー 八木ひとみ 氏

第14回 個人投資家向けIRセミナー

鈴木洋一氏(以下、鈴木):株式会社あらたの鈴木と申します。個人投資家さま向けのIR活動は、けっこう自分なりには一生懸命やっているつもりなのですが、従来であれば北海道から九州まで全国を回り、会場でみなさまにお会いして対面で行なうのが普通でした。しかし、オンラインでの活動は、みなさまには私の顔が見えても私はみなさまの顔が拝見できず、どのような反応かわからないのですが、一生懸命お話ししたいと思います。

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どうしても今の時期ですと、新型コロナウイルスについて少しお話ししなくてはいけないと思うのですが、なかなか収束が見えないのが一番つらいところで、ワクチンや治療法ができてくれば「あそこまでがんばれば、対応していけばいいんだ」と思うわけですが、先が見えないため、そのような見通しが早く立てばと思います。

この間、あるクリニックに行った時にお医者さまが「正しく恐れることが大切で、必要以上に恐れることはない」と仰っていました。今日は両側に衝立があるので、私はマスクを外していますが、「マスクをしてうがいをして手をきちんと洗う、そして除菌するということを繰り返していれば、恐れることはない。その上で日常生活にも仕事にもきちんと取り組めば、必ず良い方向に行くのだ」と正しく恐れることについてお話しされていました。そちらを聞いて私も「そうだな」と思いまして、何年か先には……半年先かもわかりませんが、改善していくことを目標にして、がんばっていきたいと思います。

余談ですが、私は年に1度、毎年10月か11月に、家内と海外旅行へ行くのを楽しみにしています。去年は11月に西海岸とハワイに休みを取って行ってきたのですが、今年は行くことができないため、「しょうがない。でも来年の10月には行くんだ」と楽しみにして、仕事もがんばっていきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の流行で、どんなものを買いましたか?

鈴木:それではプレゼンをはじめたいと思います。2月以降の新型コロナウイルスで、みなさま、いろいろなものを買われたと思うのですが、坂本さん、どのようなものを買いました?

坂本:そうですね、マスクはないながらもなんとか調達したり、あとは除菌系のアルコールないしは、ティッシュなりというところです。

すべて当社の取り扱い商品です。

鈴木:今坂本さんにおっしゃっていただいたようなものは、まさしく我々が日常扱っている商品です。

当社は、日用品・化粧品において日本最大級の卸商社です。

日本最大級卸商社

鈴木:我々の仕事は、そのようなマスクや除菌剤、ウェットティッシュなど……一時期、新型コロナウイルスとは関係がありませんでしたが、紙製品やトイレットペーパーが不足したことがありました。毎日生活者のみなさま方が使うものを、平常時は当然として、このような有事の時にこそ小売業の店頭を通して、消費者の方に買っていただけるようにする、メーカーと協力して安定的な供給を得て小売業に提供するのが我々の一番の仕事です。そのような面では、メーカーと小売業の真ん中にいる、中間流通機能を持つ卸売であり、扱う商品は日用品・化粧品といったものになっています。

手元に商品が置いてあるのですが、マスクや洗濯洗剤、あと体を拭くティッシュなど、私達の身近にある商品をお届けしています。のちほど、我々のプライベートブランドについても少しご説明したいと思っています。

我々の会社がだいたいどのくらいの規模の会社かという話になりますが、まず、取引の大きさを見ていただきたいと思います。資料に出ていますが、メーカー数がだいたい1,200社、そこから約10万アイテムの商品を仕入れ我々が在庫して、小売業からご注文があるとそれを小売業にお届けするというのが仕事です。

取引している小売業は、企業数として約3,500社です。店舗数でいうと、出店などいろいろなかたちがありますので、約4.5万店舗ほどです。つまり、1,200社のメーカーから10万アイテムを常時仕入れて在庫して、3,500社の全国で4.5万店舗の小売業にお届けしているというのが我々の仕事になっています。

■卸売業 売上高ランキング(2020年3月期)

鈴木:そうは言っても、競合や他業種など、いろいろな卸があり、その中でどのくらいの位置付けにあるのかというご質問をいただくことがあります。『日経MJ』という日経の新聞が年に1度、前年の全国のすべての業種の卸売業のランキングを行なっているのですが、スライドは今年の7月の最新のものになります。

これを見ていただきますと、上にメディパルホールディングスやアルフレッサホールディングス、三菱食品、スズケン、日本アクセスや国分グループと続き、10番目が当社となっています。これは売上の大きさです。

ここで着眼していただきたいのは、上位はすべて医薬品と食品卸であることです。医薬品のマーケットには、病院向け、医科向けも入っています。それと一般薬品のOTCも入っている。3番目以降に三菱食品が出てきますが、これはご存知のとおり食品ですので、医薬品、食品のマーケットは、我々のマーケットと1桁違うぐらいの大きさがあります。その中で、我々は日用品卸売業として一番大手であるということになります。比較するとだいたいどのあたりにいるかという位置付けがおわかりになるかと思います。

坂本:そうすると日用品業界の中でトップであるということですね。食品はたしかにかなり単位が大きいですね。三菱食品とか国分グループはスーパーやコンビニなどに卸しているので、相当なボリュームになると思うのですが、御社は卸しているのがドラッグストアなどが中心ということで、あとからうかがっていきたいと思うのですが、よろしくお願いします。

鈴木:はい。そのような面で、日用品卸としては全国で一番大きいのだとご理解いただきたいと思います。

■日経各誌に当社が掲載

鈴木:こちらのスライドも日経なのですが、向かって左側が日経電子版の8月21日に出た記事です。どのようなことが書かれているかというと、ヤオコーという埼玉のスーパーがものすごい増収増益で、業績が好調なこと、それから100均のセリアも業績が好調であるということです。

これは、新型コロナウイルス禍の中で、生活者のみなさまが巣ごもりとなったり、要するに家の中で過ごす時間を大切にするということで、食品や家庭用品もそのような商品をうまく提案して、お客さまから評価を得ているということで、上場企業の連続最高益ランキングにあがっているということが書いてあります。

その中に当社も実は31位で入っており、ずっと4年間連続で最高益となっていますので、そのようなところを評価して書いていただいています。

それから右側は日経ヴェリタスですが、ペットの商品が売れているということです。家にいるということで、新しくペットを飼う方もいらっしゃるし、ペット用の消臭剤やお菓子の需要が増えていて、我々は実はペット用品を年間で1,500億円ほど販売しています。その中で、当社の銘柄も期待できるということで、載せていただいています。

■卸の必要性①

鈴木:今一度、卸というものがよくわからないと言われる方がいらっしゃったり、あるいは直取引でいいのではないか、メーカー直のほうが物が安くなるのではないかというお話をされる方がいらっしゃるので、一部そのような話も正しい場合があるとは思いますが、我々がどういう機能を担っているのか、この図で簡単に説明したいと思います。

上に5つのメーカーが、下に小売業が6つあって、もし卸売業のような中間流通業を持つ会社を使わずに取引をすると、取引の数がいくつになるかを線で書いたものです。要するに、30の取引がここで起きていて、もちろんトラックも30動くわけでして、それだけこの間での取引量が非常に大きくなっています。

■卸の必要性②

鈴木:もう1つの図で描いているのが、真ん中に当社を置いていますが、同じようにメーカー5社と6つの小売業があり、線の数が一気に減って11になります。

なぜかというと、メーカーから当社が商品や情報を集約し在庫を保管して、それから商品の品質を管理して、それを下の6つの小売業に配送するため、サプライチェーン全体で考えると、効率性が高くなるのです。

ただし「あらた」と書いてある部分の中間となる企業が高い機能を持っていないと、うまくいきません。ですから、どこかの会社が入ればよいのだということではなく、正しく強い中間流通機能を持っており、ローコストで運営できている会社がいれば、この図が成り立つということです。

坂本:そういったところを整備するのはすごく大変なことですよね。小売業もたくさんありますし、小口配送を行なわなければならない部分もあると思いますので、そちらはやはり集約の意味が出てくるのかと思うのですが、このあとお話ししていただけると思うのですが、1つご質問をさせていただくと、このメーカーの名前が書いてあるように、いろいろなメーカーの商品を集約して配送しているということなのですが、これはもうほとんどのメーカーとお付き合いがあるという考えでよろしいですか?

鈴木:はい、みなさまがご存知のメーカーとはすべて取引があると思っていただいて構いません。ただ、1社だけ例を出すと、花王は卸流通を使っていません。

坂本:自社流通があるのですね。

鈴木:はい。花王は販売会社を持っており、そこで自社の商品だけを取り扱って、花王の商品だけをそれぞれのお得意先に販売しています。ですから、花王の商品だけはどこの卸も取り扱いができないというか、していないということです。

中心にいて、集約と分散をやっているということですから、中核の機能を持っているということになります。よく空港で、例えばアジアではシンガポール、アメリカであればシカゴ、日本だと成田、というようなかたちです。香港は、ハブ空港と呼ばれますが、我々もいわゆるハブなのです。

■あらたの取り扱いアイテム

鈴木:取り扱いアイテムは、今少しお話しした中でご説明したとおり、ヘルス&ビューティー、ハウスホールド(洗剤関係)、殺虫剤や芳香剤、それからティッシュペーパー、トイレットペーパー、紙おむつ、家庭用品の台所用品と掃除用品、調理器具、あとはペット関係です。

坂本:ペットはジャペルでの取り扱いになっていますが、こちらは子会社ですか?

鈴木:はい、100パーセント子会社です。専用卸です。

坂本:ここの卸も流通に一緒に乗せて、配送されているということですね。

鈴木:そうですね。やっはりペット用品とそれ以外の商品では、商品の大きさや、注文の頻度が違ってくるので、我々の日用雑貨系商品とペット関係商品を、同じ物流センターの中で在庫管理して出荷しようと思うと、逆にコストが高くなってしまう場合があるため、ジャペルにペット関係はすべて移管して行なっています。

坂本:そのような工夫もされているのですね。

あらたの強み

鈴木:当社の強みをいくつかご説明したいと思います。

■買い物の楽しさを提供する総合提案

鈴木:これはお店の売場の絵なのですが、商品をお届けするだけではなく、実はいろいろなことを行なっていまして、1つは左上にPOPと書いてありますが、いろいろな商品の説明を、我々が売場の大きさやレイアウトに合うようにして作り、お届けしています。メーカーの既成のものでは、大きさが大きすぎたり小さすぎたりということもあり、売場の大きさも違うため、お店に合ったかたちでそのようなものを提案しています。それから、左下のところにある棚割りは売場のレイアウト管理です。毎年新製品がたくさん出てきますので、すべての商品を売場に置くわけにいかないため、「この商品は残念だけど売場から外して、こちらの新商品を売場に何フェイス、この位置に置くといいよね」ということを、我々の出荷情報や小売業のコスト情報などに基づいてシミュレーションした上で、「このような売場はどうでしょうか」という提案を行なっています。

それから、右上にはエンド企画としてその時季やトレンドを反映した特別な売場をつくる提案をしたり、もう1つはとても地味なのですが、とても大切な仕事で、売場に商品がいつもきれいに並べられているように欠品や空きがないように、バックヤードから商品を持ってきてきちんと並べる仕事を我々が請け負い、提供しています。

坂本:このような店舗絡みのお仕事をされる方というのは営業の方になるのですか? 営業が店舗とコミュニケーションをとり、POPを持っていったり、棚割りの提案をしたりというところで、非常に密なお付き合いをされているからこそ、長く関係が続くというかたちなのですか?

鈴木:そうですね。実は我々の子会社にインストアマーケティングという会社がありまして、そちらがその機能を担っています。店頭管理部隊というチームがあるのですが、各人が定期的にどことどこの店舗を担当すると決まっており、店舗を回って売場を管理する仕事を請け負っています。

■豊富な情報力を活かした自社開発商品①

鈴木:そのような中で、卸売業というのは、メーカーから商品を仕入れるのが基本ですが、実は自社のプライベートブランドも取り扱っています。スライドに出ているのは「ファブラッシュ」という商品で、実物もここに持ってきています。

八木:柔軟剤ですね。

坂本:こちらは無香料なのですか、珍しいですね。柔軟剤はけっこう強い香りがあるものが多く、スメルハラスメント的な話がけっこう出てくると思うのですが。

鈴木:これは我々のPBとして中堅メーカーに作っていただいて、自社の流通で販売している商品です。

坂本:普通に考えるとこのような商品は並ばないですよね。匂いがあるのが柔軟剤というのが普通ですから。

八木:ありそうでなかった。

■豊富な情報力を活かした自社開発商品②

鈴木:それからほかにもありまして、今日はもう少しご説明したいと思っているのですが、スライドの左側が「cureamino(キュアミノ)」というシャンプーとコンディショナーで、これは我々が味の素ヘルシーサプライと共同開発してアミノ酸を入れて作っています。これも今日持ってきているのですが、このような商品です。

八木:すごくシンプルです。髪の傷みや酸化を考えたということですよね。味の素ヘルシーサプライさまと共同開発ということですね。

鈴木:我々はそのような商品を独自では開発できないため、いろいろなメーカーやほかの業種の方にも「市場でこのような商品がこれから期待できるので、一緒に考えていただけませんか」とお声がけしています。我々は工場を持っているわけではないので、コンセプトをつくって、それをどうやって実現するかと。

一番新しいPB製品は、右側にあるデオドラントミスト「薬用24stock」というもので、デオドラント(制汗剤)です。これはミストタイプで、体中全部に使えます。

八木:消臭効果ということですよね。いろいろな自社開発商品を開発されているということなのですが、自社製品の売上構成比率を、今後どんどん上げていく計画はあるのでしょうか。

鈴木:上げていきたいと思っていますが、その大前提として、ナショナルブランドをたくさん売り、市場で我々が今であるポジションをさらに大きくしていく必要があります。それと同時に、我々の開発できる商品も拡大していきたいと思っています。

言い方を変えると、いい品質のもので消費者の方、生活者の方にいいなと思ってもらえる商品であれば、それはナショナルブランドであろうがなかろうが、どんどん市場に出していきたいと考えています。消費者の生活を豊かにし、気持ちよく快適に暮らせるようにできる商品をどんどん売っていきたいという考え方のため、両方をしっかり売っていきたいと思います。

坂本:小売店にも実際に御社の人間が行き、ニーズを吸い上げてきて開発するということで、どちらかというとニッチな、あってほしいものを御社が開発するという考えですか?

鈴木:そうですね。市場性があまりないかもしれませんが、消費者が「このようなものがあればいいな」というものをある程度採算を考えて商品化していこうと思います。

■全国を網羅する物流ネットワーク

八木:続いて、物流ネットワークについてということですね。

鈴木:はい。我々の一番基幹は、ものを運ぶところであり、ここが一番大切で、全国の大型物流センター11拠点を含み、全国で40拠点の物流センターがあるのですが、北海道から九州まで商品を届けています。

■物流機器

鈴木:物流機器として倉庫の中にいろいろな物流機器があるのですが、その機器でAIアームロボットというものがあります。

鈴木:AIでアームに人間のレバーがあるようなもので、大きさや重さの違う必要な商品を必要な数だけ自分で取ってくれて、24時間動いてくれるので、このようなものも導入しています。

八木:省力化につながるということですね。

鈴木:はい。2年前に九州の新しい鹿児島にあるセンターに導入しました。このような省力化、自動化の商品の提案や、物流機器の導入は積極的に行なっています。

鈴木:もう1つは、ソーターで必要な商品を右左に仕分けて落としてくれるものです。例えば店舗別に落ちたりしますので小売業のピッキング作業の効率化にもなります。取り扱っているアイテムが10万アイテムもありますので、目で見て「これがこうだ」というのもなかなか難しいため、自動化しています。

坂本:イメージが湧きました。

鈴木:本当は物流センターに来ていただくのが一番いいのですが、今日は時間がないので……。こちらもオリコン自動倉庫ということで、コンテナにピッキングした商品を詰めるのですが、それをいったん自動倉庫内に納めておいて店舗別、コース別に溜まったらそれを一気に吐き出すのです。コンベアでザーッと下りていったところにあるトラックに積めばその商品は間違いがないということです。ピッキングは何回も行ないますが、いったん集めてコース別、お店別になれば揃ったものをザーッとコンベアで下ろすというかたちになります。

坂本:これは省力化に寄与しますね。

八木:どれくらい前からこのような工場での省力化に取り組まれてきたのですか?

鈴木:もう10年くらい前から省力化はどんどん進めています。機器は毎年更新しながら新しいものを入れ替えています。今後はもっと機器がガラッと変わってロボットが出るようになると思いますので、より省力化できると思います。

坂本:まだまだ今の工場でももっと省力化できる可能性もあるし、でもそうなるとお金がかかると思うので、その辺は当然様子を見ながらだと思うのですが、おそらく、他社が1から同じことをしようとすると非常にお金がかかるので、そこは参入障壁と考えていいですかね?

鈴木:そうですね、決して我々のビジネスは利益率が高いわけではないので、ある一定以上の売上規模がないと利益額は獲得できません。我々の売上規模は現在、7,000億円ですので、何百億円という利益を出すことはできます。そのくらいの利益、キャッシュがないと投資は非常に難しく、そのような面では、参入障壁は高いと思います。今後、3年間で物流センターやシステムを中心に総額で約300億円ほど投資したいと考えてます。

八木:設備投資ですか?

鈴木:そうです。では、そのお金はどこから調達するのだという話ですが、基本的には自分たちの自己資金で賄いたいと思っています。年間の減価償却費が今、だいたい40億円くらいあり、今、当期純利益が60億円くらい出ていますので、合わせて100億円になります。毎年、100億円くらいのキャッシュを理論的に獲得しているので、お金が入って、出ていくタイミングはありますが、借入金と純資産とのバランスが極端に悪くなることはないと思います。

坂本:そこは気を付けて運用されているということですね。では、続いて経営ビジョンと中計をよろしくお願いします。

■2020年3月期 連結損益計算書

鈴木:やはり、重要なところはなんと言っても数字がどうなのか、という話になると思います。スライドは2020年3月期ということで、直近の1年間の業績です。7,962億円という売上高で、これは前年に対して105.5パーセントという数字になりました。見ていただきたいのは経常利益の101億円という数字です。こちらは前年に対して7.4パーセントの上振れ、売上5パーセントに対して経常利益が7パーセントということで、売上高の伸びよりも高い数字を上げられている状況のため、バランス良く収益性を上げてきていると思います。

■2021年3月期 第1四半期 連結損益計算書

鈴木:次が直近の2021年第1四半期の決算です。売上は前年比108.5パーセントということで、2,119億円。経常利益は36億6,900万円で、前年比136.2パーセントになります。

坂本:新型コロナウイルスの影響はかなりあったかと思うのですが、どうでしょうか?

鈴木:そうですね。新型コロナウイルス禍で特有の商品も売れましたが、一般品でみなさまが「少しは持ってた方が良いよね」とか「予防のためにちょっと持ちましょう」ということで、買いがどんどん先行しています。そのような面で売上が上がっており、私はこの傾向がしばらく続くと思っています。

坂本:足元を見ると(新型コロナウイルス禍)の余韻が残っているというかたちですかね。

鈴木:そちらと、予防や衛生に関する需要が非常に伸びてきていますので、これからもそうなると思います。例えば、手はいつもきれいに洗っておきたいとか、除菌したいということはきっと意識として残りますので、我々はそのような提案について売り場でしっかりと小売業と相談しています。

坂本:またそのようなアイテムが増えてくるということも含めて、将来的に余韻は残るだろうというところですね。

■2020年3月期 カテゴリー別 売上構成比

鈴木:これは前期1年間の前年との比較ですが、主力のヘルスケアとハウスホールドがそれぞれ5パーセント、6パーセントと非常に伸びています。ホームケアが少し下がっていますが、これは前年、殺虫剤があまり売れなかったことから落ちています。紙製品は順調に伸びています。家庭用品、ペット用品も、食品以外のものはすべて網羅できています。

八木:今回の新型コロナウイルスでマスクの着用機会が本当に多くなったと思うのですが、女性の立場から言うとメイクアップ用品は、とくにマスクをしている口元辺りのメイクをしなくなったというわけではないのですが、前よりもかなりメイクの頻度は落ちたと思うのです。こだわりも落ちてきていると思うのですが、化粧品の需要はいかがですか?

鈴木:そうですね。八木さんのご指摘のとおりで、新型コロナウイルス禍になってから、ヘルス&ビューティーの中の化粧品の売上については、前年を切っています。やはりマスクをしていますので、化粧をする機会や必要性がなくなり、売上が落ちているのは間違いないです。ただ、少しずつですが、女性の方中心に、商品も工夫されててこの時期に肌をきれいにしておこうということで基礎化粧品とかは少しずつ伸びてきますので、全体としては少しずつ戻ってきているといった傾向にあります。

ですからこれはこのタームの一時的なダウンであり今後我々が使っている化粧品、ドラッグストアで販売している商品については少しずつ戻ってくると思っています。

■2020年3月期 業態別 売上構成比

鈴木:これは販売先の小売業の構成比を書いたのですが、やはり我々の扱っている商材の性格から言って、ドラッグストアが非常に多く、約49パーセントを占め、続いてホームセンター、スーパー、ディスカウントストア、大手GMS、それからその他の順になります。

これを見ていただきますと、ドラッグストアが非常に多いのですが、すべての業態をまんべんなく行なっていますので、このような新型コロナウイルス禍でもそれぞれが全部伸びてきており、その他の中には実はEコマースが入っています。我々はEコマースのお店に対しても、企業に対しても販売させていただいてるということで、数字も伸びています。

八木:今後この辺りの比率というのは大きくなってくるのでしょうか?

鈴木:おそらく額は増えてくると思います。

坂本:どちらかというとECだと、倉庫に納品してしまえばいいので小口配送しなくていい分利益率が高いのかなと思うのですが、いかがですか?

鈴木:そうですね、小口配送する必要はありません。条件はいろいろ厳しいのですが、それでもそれぞれのお店に配送するわけではないので、大型の物流センターにお渡しするのが我々の仕事です。

■配当・優待

鈴木:大切な配当の状況です。2009年から2020年まで棒グラフになってますが、毎年増配しており、減配は一度もありません。今期は前期に比べてこの間もまた増配したのですが、年間で1株あたり90円になっています。今の5,000円ぐらいの株価で計算して利回りが大体1.8パーセントほどになります。優待ということで、株主に1,000円のクオカードを年に2枚渡していますので、それを合わせると約2パーセント台になってくるということで、安定配当で毎年増配していこうというのが我々の基本的な考え方です。

■株価の推移

鈴木:こちらは我々の株価と日経平均株価とを2015年4月1日を100として指数化し、グラフにしているため、株がどう動いているかが見えるわけです。上の青い折れ線が我々の株価ですが、ずっと伸びてきていまして2018年4月をピークに、それから公募増資と社債を合わせて108億円発行しましたのでで希薄化も若干あり、株価が下がってます。

2019年になってからは8月以降、自己株式取得を行い株価を上げてきています。ところが、上がったところで新型コロナウイルスがきて、いったんグッと下がったのですが、今は新型コロナウイルスの前以上に株価が上がってきているということで、市場でもある程度期待されているのではないかと思います。

今PBRは1倍くらいで動いています。時価総額で900億円は超えてきました。一時期、1,000億円を超えていましたが、1,000億円まではいけると思っています。今期の年初来の高値が5,380円です。ですから、もう少し上げていかなければと思っています。

鈴木:株価の中で、先日の新しい雑誌で「日経マネー」という雑誌が出ていまして、その105ページにあらたの記事が載っていまして、ここにマーケットジャーナリストの方が「期待できるところの1つだよ」と言っていただいているので、ぜひ買ってください。

坂本:僕もこの前の号に対談が載りましたが、年間でけっこう売れています。

■⻑期経営ビジョン2030

鈴木:そのような中で、足元の話にもありますが、10年後の長期経営ビジョン2030ということで、「10年後のあらたはどうなりたいか」というところです。1つは売上高は1兆円を超えたいということと、もう1つはやはり、社会とうまくつながっていかないと認められないということで、SDGsに合わせながら、今までも行なってきてはいるのですが、それぞれ社会にどのように貢献していくのかということで、サプライチェーン全体にどう好循環を生む会社になるということです。それから、社員にとっての働き甲斐や、環境のためにはどうするのだということに関して、目的や目標を置いて進めていきたいと思います。

■中期経営計画2023

鈴木:10年というとちょっと先になるので3年単位くらいで時間軸を置いています。中期計画2023というのはまさしく今期から始まっている3年間なのですが、売上で8,450億円で経常利益で120億円、営業利益115億円、ROEについては9パーセント台の維持を考えています。

どのように行なっていくかということです。DXと言われていますが、今後、デジタル関係の技術はどんどん高まってきます。そうすると消費者の生活も大きく変化します。ですから流通チャネルも多様化すると思います。今ですと製造、我々みたいな配送を行なっているところと販売する製、配、販がそれぞれ独立して流通が動いているというのがサプライチェーン全体の主流になっています。これからもそうだと思いますが、もう1つ出てくるのが製造小売といわれるところで、家具の小売業やアパレル関係のファッションでも日本を代表する企業が製造と小売を自分のところで完結しています。

それからもう1つがDtoC(ダイレクトトゥコンシューマー)ですが、オリジナリティある商品をその人の要望に合わせて開発するなど、単品で良い商品を開発し、Eコマースで販売しているものが増えてきます。そのようなことに対して、我々が対応していくということだと思います。

1つは物流を中心とした在庫管理をどういうふうにしていくかということと、それと商品の幅を広げていくことが必要だと思います。しかし、幅を単に広げていくと、どうしても在庫が多くなるため、どの商品をどれだけ持っていればいいかと、いつ注文すればいいかをAIの技術を使いながら需要を予測してメーカーに発注していき、きちんと在庫管理をしてサプライチェーン全体で無駄のない在庫管理、欠品のない拡張を行なうことができれば、これから健康衛生や化粧品もどんどん伸びていくと思いますし、ECも取引も強化していきたいと思いますが、そのようなことができればこの数字は十分に達成できると思っています。先ほど配当のところで少しお話ししようと思っていたのですが、配当は安定的に増配しており、これからもそのような傾向で進み、今後3年間で大体50億円の配当金にしていきたいと思います。ですから、大体1株あたりが95円から100円ぐらいの間で配当できるようにし、配当性向に切り替えていくと大体25パーセントから28パーセントくらいを目指したいと思います。

日に新た

鈴木:最後に「日に新た」という言葉を書いてます。これはあらたという会社名をつくったときに社員から応募があったものなのですが、中国の湯王が毎朝使っていた洗面器のところにあった銘文「日に新た」、つまり、毎日新しい出発で社会の変化に合わせて、我々も新たな気持ちで毎日取り組んでいこう、というところから「日に新た」という言葉を使っています。

「社会のお役に立ち続ける」という変わらない想いを抱きながら、「日に新た」な気持ちで私たちだからこそできる新たな価値を提供していくことを使命にしていきたいと思っています。

質疑応答:中計について

八木:ありがとうございました。それではもう少しお時間がありますので、坂本さんからいくつかご質問をお願いします。

坂本:そうですね。会場からもご質問をいただいているので、中計についての質問をさせていただきたいなと思います。中計は達成できる見込みであるという話をいただいていますが、資料で言うと25ページです。そのあと、2024年3月期から30年3月期にかけて、1兆円を目指すという目標なのですが、そのイメージが緩やかに1兆円に向かっていくのかというところと、どこかで急成長する予定なのかというところ、あと、現状の物流施設のキャパシティを教えてください。なぜ質問したかというと、実際に今度の中計で、そのあとの1兆円を目指すにあたって、今の物流施設のキャパシティがいっぱいですと、そちらの設備投資が必要になってくるので、それも絡めて投資家は考えなければいけないと思うのですが、そのあたりを含めて教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

鈴木:はい。まず1兆円に向けてどんな角度、売上を上げていくかということですが、2030年が1兆円の目指すところなのですが、毎年我々の今までの平均売上が3パーセントくらい伸びていっています。今後も同じように3パーセントで伸ばしていくと、大体2028年くらいで1兆円ほどになります。2023年で今の第1回の中計が終わりますが、2回目の2024年から2026年の間でグッと上げていこうと思っています。というのは、先ほどの物流のご質問がありましたが、首都圏はご想像できるように市場がまず大きいということと、成長率が高いため、このままでいくとキャパシティが厳しくなっていきます。

ですから、3年間の間に物流の投資を行ない、売上拡大を吸収できるものを作り、それで第2次の2023年4月以降に始まるところで売上を上げていきたいと思います。我々の大型物流センターは年間で300億円あるいは500億円、600億円くらいのキャパシティで回しています。そのくらいの物流センターを、例えば首都圏で作ろうとすると、必要な投資額が、例えば土地も買った、建物も作った、設備も自分たちで行なったということになると、70億円から80億円、90億円という数字が必要になってくると思います。それは前回お話ししました我々の年計画キャッシュフローの中で賄っていきますので、余分なコストをかけずに準備して利益を上げていくという体制を第2次中計に持っていきたいと思っています。

坂本:それを見ながらということですね? 我々もずっと見ていきたいと思います。

質疑応答:株主優待について

坂本:ほかにも質問がいろいろありますが、要望の部分で株主優待は自社PB商品になりませんかというものが来ています。配送のコストもけっこうかかるので、そちらについてはいかがでしょうか?

鈴木:そうですね、株主の方からいろいろなご要望をいただいています。例えば「PB製品に良いものがあるのでこれにしろ」とか、あるいは「PB商品の詰め合わせはどうだ」といったご意見があるのですが、一部で大きな意見として「クオカードって1,000円は1,000円だよね、現金だよね」というものがあります。

坂本:そうですよね(笑)。そのようなところで長期優待だけでPB商品というのは非常に面白いかなと思います。コストもあるので長期投資家に向けるという意味ではいいかなと思います。

鈴木:間違いないです(笑)。みなさまのご意見をうかがいながらと思っています。

記事提供:ログミーファイナンス

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