今後の日米同盟でやるべきことは明確

では、今後の日米同盟はどうなるのだろうか。現在、基本的に日米同盟を取り巻く環境は“はっきり”している。

北朝鮮の核・ミサイルの脅威は依然として続き、新型コロナウイルスの感染拡大や香港国家安全維持法などを巡り、米中関係はさらに悪化し、インドやオーストラリアも中国への態度を硬化させている。

また、台湾を含め、南シナ海や東シナ海における中国の海洋活動は活発化しており、緊張が高まっている。

要は、詰めの作業においては意見の不一致があるかも知れないが、日米同盟においてやるべきことは明確だ。トランプ大統領とオバマ前大統領は考え方が大きく違うが、外国の紛争に加担したくないという“非介入主義”では同じであり、バイデン候補も中国への厳しい姿勢という点ではトランプ大統領と同じである。

日本を取り巻く安全保障環境では超党派的なものがあり、現在総裁選に出馬すると考えられる候補者たちの誰が新しいリーダーになったとしても、やることははっきりしている。

安全保障における中国や北朝鮮への対応、役割分担など日米同盟の発展においてもやるべきことは同じであり、これはトランプ大統領が再選しても、バイデン氏が勝利しても変わることではない。いずれにせよ、新しい日米関係が本格的に動き始めるのは11月の大統領選以降になろう。

和田 大樹