ツムラ、中国子会社の新規連結の影響や一般用漢方などのヘルスケア国内販売が好調で1Qは増収増益

2020年8月6日に行なわれた、株式会社ツムラ2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ツムラ 取締役常務執行役員CFO 半田宗樹 氏

2020年度 第1四半期 決算の概要

半田宗樹氏:今般、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみをしますとともに、感染されました方々の一刻も早いご回復を心よりお祈りします。現場で治療にあたられている医療従事者のみなさま、行政のみなさま、感染防止にご尽力されているみなさまに深く感謝します。また令和2年7月、豪雨災害によりお亡くなりになられた方々、ご家族のみなさまに謹んでお悔やみをしますとともに、被災されましたみなさまには心よりお見舞いします。みなさまにおかれましては、日頃より当社並びに漢方にご支援を賜り誠にありがとうございます。それでは説明いたします。

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2ページ目は2020年度第1四半期決算の概要です。売上高は前年同期と比べ3.5パーセント増の317億6,800万円となりました。上期計画に対する進捗は49.5パーセントです。

営業利益は前年同期と比べ9.6パーセント増の57億3,200万円となりました。上期計画進捗率は63パーセントと高めではありますが、COVID-19拡大による活動自粛での経費の未消化が主な要因です。

経常利益は前年同期に比べ6.5パーセント増の57億5,000万円となりました。四半期純利益は前年同期と比べ3.6パーセント増の40億4,500万円となりました。

決算ポイント ~ 前年同期比:増収増益の1Q決算

3ページ目は決算のポイントです。売上高は前年同期比で3.5パーセント伸長しました。これは中国子会社の新規連結によるものです。医療用漢方製剤129処方の売上高は前年同期と比べ0.2パーセント減少しましたが、一般用漢方などのヘルスケア国内販売は好調で、前年同期と比べ37.4パーセント伸長しました。売上原価率は42.1パーセントとなりました。前年同期と比べ、薬価改定による上昇分を生薬関連コストで吸収したものの、子会社の外部販売の増加影響により1.6ポイント悪化しました。販管費率は39.9パーセントとなりました。前年同期と比べCOVID-19拡大による活動自粛に伴う経費の未消化等により2.6ポイント減少しました。

営業利益の増減要因(前年同期比較)

4ページは営業利益の増減要因です。売上高が前年同期と比べ10億6,800万円増加しており、営業利益に与える影響額は6億3,600万円となりました。原価率の増減における影響額はマイナス5億600万円となりました。内訳の主なものとして、営業利益のプラス要因では、生薬関連コストで1億2,900万円、営業利益のマイナス要因としては、外部販売の増加で3億8,100万円と薬価改定等に伴う売上構成で2億5,400万円となりました。

販管費については先ほどお伝えしたとおり、COVID-19拡大による活動自粛に伴う経費の未消化等により3億7,200万円が営業利益のプラスとなりました。以上の結果、当四半期末における営業利益は57億3,200万円となりました。

財政状態およびキャッシュ・フロー

5ページは財務状態及びキャッシュ・フローについてです。当四半期期末の資産合計は3,126億6,800万円で、前年度末と比べて16億2,500万円増加しました。流動資産は、受取手形及び売掛金が減少した一方で、現金及び預金の増加等により、前年度末に比べて67億8,600万円の増加となりました。

固定資産は、建物及び構築物が増加した一方で、当期より津村盛実製薬有限公司を新規連結したこと等に伴う投資その他の資産の減少等により、前連結会計年度末に比べて51億6,000万円の減少となりました。負債合計は、1,002億6,800万円で前年度末から22億7,500万円増加しました。流動負債は、支払手形及び買掛金が減少した一方で、流動負債におけるその他資産の増加等により、前年度末に比べて24億7,700万円の増加となりました。固定負債は、前年度末に比べ2億200万円の減少となりました。純資産合計は、2123億9,900万円で前年度比で6億4,900万円減少しました。以上の結果、自己資本比率は0.3ポイント低下して65.7パーセントとなりました。キャッシュ・フローについてはご覧のとおりです。

長期経営ビジョン実現へのロードマップ

6ページは長期経営ビジョン実現へのロードマップです。第3期中期経営計画は成長投資のステージと位置付け、国内漢方市場の持続的拡大と中国事業の基盤構築を行ない、連結売上高は1,350億円以上を目指しています。

育薬処方・Growing処方 売上高

7ページは医療用漢方製剤の売上高です。医療用漢方製剤129処方合計の売上高は294億800万円、前年同期比7,100万円の減少、0.2パーセントの減少となっています。

育薬処方の売上高は77億7,900万円と0.7パーセントの減少、Growing処方の売上高は64億6,100万円と1.7パーセント減少しました。

育薬処方、Growing処方以外の119処方の合計は151億6,800万円と0.6パーセント増加しました。

COVID-19による影響

8ページはCOVID-19による影響です。折れ線グラフは、マンスリーとして公表しています出荷ベースのツムラ単体の売上高前年同月比です。

単月で、4月が110パーセント、5月が86.6パーセント、6月が101.5パーセントと推移し、第1四半期累計で100.6パーセントとなりました。

4月はCOVID-19感染症患者さまの症状改善に期待できる漢方処方が伸長したことおよびCOVID-19関連対策として長期処方が増加したことなどによるものでした。5月は4月の長期処方による反動、COVID-19による受診抑制および医療機関からのMRへの訪問制限の影響により大きくマイナスとなりました。6月は東京、名古屋、大阪、福岡など都心部を除き、出荷は徐々に回復してきました。

棒グラフは、実売の第1四半期販路別、前年同期比の伸長率です。HPでは情報提供活動ができなかったにもかかわらず97.3パーセントと健闘しました。これは2019年度下期の「大建中湯」のHPへの情報活動の強化など、日頃の絶え間ない情報提供活動の結果であると考えています。GPでは、都心部以外では医療関係者からの要望による訪問が増加したことで101.3パーセントとなり、売上が徐々に回復してきています。また特別寄稿「COVID-19に対する漢方治療の考え方」に記載され処方においては、出荷ベースで前年同期比売上が伸長している処方もあります。具体的には「葛根湯」「補中益気湯」などが伸長しています。

Kampo Mega Web講演会

9ページは、4月以降の情報提供活動の1つである「Kampo Mega Web講演会」についてです。「Kampo Mega Web講演会」は漢方を処方している数が10処方未満の医師、あるいは漢方を処方していない医師を主なターゲットとして実施しています。

昨年度3回の「Kampo Mega Web講演会」を実施しましたが、今年度第1四半期では3件、7月に2件実施しています。昨年度と同様にご好評をいただき、多くの医師の方にご視聴いただいています。

エリア企画セミナーとエリアWeb講演会

10ページは「エリアWeb講演会」の企画状況です。

エリア活動では、地域特性・施設の特徴を考慮した、きめ細かい情報提供を行ない、漢方を学びたい医師へのニーズに応えるために各営業拠点による企画を開催しています。開催例として挙げますと、支店管轄の営業所における、各地域に密着した講師による漢方講義全8回シリーズを企画し、1回目は274名、2回目は330名に視聴していただきました。

営業活動については、従来の訪問型活動が十分に実施できない状況が続く中、Webを活用したセミナーを大幅に増やしており、一定の効果を認めています。また、MRによる施策を積極的に展開し、各エリア、医療圏の状況に合わせた新たな活動も開始しています。

今後も、医療関係者からの要請に応じ、オンラインによる活動とこれまでの訪問型活動を使い分けるハイブリッド型の活動に加え、eプロモーションを更に充実させ、積極的かつ効率的な情報提供活動を推進していきます。

中国事業基盤構築の枠組み(進捗状況)

11ページは中国事業基盤構築の進捗状況です。津村盛実、天津工場の建設はCOVID-19の影響による遅れをできる限り取り戻し、2022年の稼働を目指しており、2021年11月の竣工を予定しています。

中成薬事業基盤と販売体制の構築のためのM&A候補先については、1社に絞り込み、現在交渉・調査を実施しています。分析研究センターは2022年稼働の予定です。

2020年度 業績予想 ~ 修正なし

12ページは2020年度業績予想です。年間配当は1株当たり64円を予想しています。EPSは169.92円、ROEは6.2パーセントの予想です。

尚、現時点でCOVID-19の収束時期を正確に見通すことが困難なため、上記業績予想にはCOVID-19の影響を反映していません。仮に感染拡大が徐々に収束に向かった場合と継続した場合を想定し、売上高へのマイナス影響を2パーセントから4パーセントと予測しますが、長期化した場合等、状況に変化が発生した際には適時・適切な開示を実施します。

株主還元

13ページは株主還元です。中間配当は32円とさせていただき、期末配当と合わせて年間64円の配当を予想しています。2020年度の配当性向は、先ほどの業績予想ベースで37.7パーセントを予想しています。

引き続き、漢方事業の持続的な拡大と中国事業の成長投資及び基盤構築を通じて、企業価値の向上を図るとともに、中長期の利益水準やキャッシュ・フローの状況等を勘案し、安定的かつ継続的な配当を目指し、経営にまい進していきます。以上、ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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