スズキ、新型コロナウイルスの影響による販売台数激減等で1Q売上高は半減、営業利益も大幅減益

2020年8月3日に行なわれた、スズキ株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:スズキ株式会社 取締役常務役員 長尾正彦 氏

2021年3月期第1四半期決算説明会

長尾正彦氏:それでは、私の方から第1四半期の決算をご報告します。本日はご参加いただきありがとうございます。本題に入る前に、7月の豪雨災害で亡くなられた方々に対して深くお悔やみを申し上げますとともに、被災されたみなさまにお見舞い申し上げたいと存じます。

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それでは、本題の決算の総括から入ります。資料としては、プレスインフォメーションとパワーポイントの2種類がありますが、パワーポイントの資料の各ページにページ番号を振っていますので、引用しながらご報告したいと思います。

第1四半期決算 総括

2ページは決算の総括です。結論としては新型コロナウイルスの影響につき、大幅な減収減益となりました。スライドをご覧ください。売上高がほぼ半減、営業利益については売上高半減等により大幅な減益です。

営業利益は13億円まで減っています。当期純利益が18億円となっていますが、こちらは表外に記載しているとおり新型コロナウイルス関連損失154億円を特別損失に振替えました。インド等でロックダウンがあったため、工場の操業停止に関わる固定費相当額を特損に計上したことをご報告します。

販売台数ですが、四輪車が26万3千台で64.3%の減、二輪車が27万4千台で39.8%の減で、台数も大きく減らしている状況でした。

四半期毎の業績推移

3ページは四半期ごとの推移になります。新型コロナウイルスが流行する前からすでに減速していましたが、第1四半期は新型コロナウイルスの影響を受け、売上高、利益ともに急速落下しました。

連結:売上高の状況

4ページは売上高の状況ですが、一番左が四輪になります。みなさまもご存じのとおり当社の四輪は、日本、インド、インド以外の海外でだいたい3分の1ずつシェアしていますが、インドが一番大きく減少し、2,830億円が2,348億円の減で482億円と大きく減少しました。

二輪については北米がやや増加していますが、そちら以外は各地で減少となっています。マリン事業他は、中国でやや増加している等ありますが、四輪、二輪と比べると減収幅は小さくなっており、19億円の減収にとどまっています。為替影響は143億円の減収要因となりました。

連結:営業利益増減要因

5ページは営業利益増減要因を分解したものです。スライド中央の売上・構成変化等のマイナス1,319億円が一番大きく効いているところです。

他方でさまざまな努力をし、諸経費等の減が525億円、減価償却費の減が181億円等、経費面での節約あるいは緊縮財政等もこの時期に並行して進めたため、そちらが数字にも表れてきています。

先ほどお伝えした特損振替が、スライドの一番右側に154億円と出ています。つまり13億円と相殺して141億円の実質赤字ですが、特損にも振替えたということをご理解いただきたいと思います。

連結:為替レート

6ページは為替レートです。タイバーツ以外は差損方向に効いて円高だったため、45億円の減益要因となっています。

連結:設備投資等

7ページは設備投資等ですが、当社単独の設備投資はほぼ前年並みです。他方で子会社は大きく減っており、ロックダウンの影響が直に出てきています。物理的に工事ができなかった等があり、インドなどで大幅に減少した結果が表れてきています。

連結:キャッシュ・フロー

8ページはキャッシュ・フローです。7ページの有利子負債残高にも出てきますが、キャッシュ・フローは万全の体制で資金の体制をとっています。

営業キャッシュ・フローは業績悪化によりマイナスですが、投資キャッシュ・フローはマルチ・スズキで資金確保のために投資信託を売却し、これらが反映されて165億円の資金増加となりました。こちらを相殺すると、フリーキャッシュ・フローとしては595億円のマイナスとなっています。

ここまでで手元資金は十分に確保できていきますが、新型コロナウイルスで何が起こるかわからないということから、今後の事業資金のリスクを勘案し、当第1四半期に銀行から新たに4,000億円の借入を実行したところです。

そちらも含めて、財務キャッシュ・フローは積み増されています。トータルとしては、当第1四半期の期末残高は7,672億円まで積み上がっています。

連結:事業別業績(売上高・営業利益)

9ページは事業別の業績です。スライドの上段が売上高、下段は営業利益です。四輪は売上高が半減し、利益はほぼゼロという状況です。二輪は売上高が半減、利益は残念ながら赤字です。

とくにこの4月から6月の四半期は大型二輪車の販売シーズンですが、ロックダウン等や欧州などで販売するお店が開けられなかったこともあり、売上利益に結び付かなかったことが数字として出てきています。

他方でマリン事業については新型コロナウイルスの影響は比較的小さくなっており、43億円と黒字を維持しています。

少し横にそれますが、アメリカでもオート型船外機の需要が大きくなっています。新型コロナウイルスの影響で「家に閉じこもりっぱなしよりは、水上に出て思い切りオープンエアーのところでリフレッシュしよう」という流れが出てきており、そちらが数字として出てきています。

連結:所在地別業績(売上高・営業利益)

10ページは所在地別の業績で、すべての地域で減収減益となりました。欧州とインドを含むアジアでは赤字となっています。

マルチ・スズキ・インディア社の業績

アジアの主流であるインドについては、先週の29日にインドのマルチが決算を発表したため、その概要を載せております。

右側の円換算額をご覧ください。営業利益が236億円の営業赤字となっています。税前利益や当期純利益については、営業利益ほど下がっていません。減益幅が少ないのは投資信託の評価計上ということがあり、その分縮小している表れです。

四輪車 生産・販売実績

12ページ以降は台数関係ですが、まず四輪車の生産販売の実績台数になります。グラフと数字をご覧いただくと一目瞭然ですが、インド、日本、パキスタンはすべてマイナスになっており、前年割れという状況です。

四輪地域別販売(日本)

13ページは日本です。36.5%の減で10万6千台です。日本の場合はロックダウンこそありませんでしたが、海外の一部部品が滞った影響で生産が一旦止まり、ペースダウンしました。また緊急事態宣言が出ていた時期には、当然ですが外出されるお客様がある程度減ったことが表れています。

四輪地域別販売(インド)

14ページはインドです。4月は国内販売がゼロになったため、82.1%の大幅減という状況になっています。足元の状況ですが、4月から6月の中でも後半については販売店の稼働再開や、工場でも段階的に1勤から、最近に至っては2勤化への許可もおり始めたため、再開を始めているところです。

販売、生産ともにこのような状況ですが、インドの感染動向がまったく収まってきていません。直近では5万人の感染者が出ており、世界のベスト3に入っている状況です。終息がまだ見通せず、一部の州では再ロックダウンせざるを得ない状況や、きめ細かく対応している動きも出てきていますので、感染動向が一番気になるところです。

従って生産、販売の見極め方としては、とくに生産のところで感染者が出ると人繰りでどうしても手配が大変になりますので、このあたりをきちんと進めていかないとならない状況です。

マルチ・スズキ・インディア社の新型コロナウイルス感染防止対策

マルチ・スズキでの感染防止対策の写真を載せています。消毒や体温測定、パーテーション、フェイスシールドなど、かなり徹底してチェックしています。

Withコロナで、新型コロナウイルスと同居しながらなんとか稼働を落とさないようにするために必要なことですので、あらためてご理解いただきたいと思います。

四輪地域別販売(アセアン)

16ページはアセアン関係です。こちらも新型コロナウイルスの影響でだいたい前年比で半分減と、大幅減となっています。インドネシアは62.8%の減、フィリピンは70.1%の減、タイは少し緩和されていますが29.5%の減、ミャンマーで32.5%の減です。インドほどではありませんが、アジアにも大きな影響が出た時期でした。

二輪車 生産・販売実績

17ページは二輪の生産販売実績です。先ほどお伝えしたように、生産で56%の減、販売で39.8%の減となっています。とくにインドはスクーターが好調でしたが、ロックダウンにより一番大きく減少し、このような状況になっています。

通期予想の公表延期について

18ページは、一番の主力であるインドが第一波の感染動向がまだ収まっておらず、収まったとしても第二波、第三波がどうなるのかよくわかりません。感染動向がまったく収まっていないため、見通しにくい状況です。

ひとえにこの感染動向を吟味する必要があるため、大変申し訳ありませんが、今回は次期予想を見送らせていただき、引き続きしっかりといろいろなアンテナを張って状況を見極めていきたいと思います。ご説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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