「自分の親に介護が必要になったとき」のこと、考えたことがありますか?働き盛りの世代にとっては、仕事や子育ての優先順位が高くなるのは自然なこと。「介護のお金」の問題は、後回しになってしまいがちではないでしょうか。なかには、「急に介護が始まり慌てている」と頭を抱える家庭も珍しくありません。

今回は、「介護にはどのくらいのお金がかかるのか」「親が元気なうちにどのような点を心づもりしておけばよいのか」という視線から見ていきましょう。

「介護費用」ってどれくらいかかるの?

まずは公益財団法人生命保険文化センターが2018年12月に公表した「平成30年(2018年)度 『生命保険に関する全国実態調査』」の結果をもとに、介護費用の実態をみていきます。なお、この調査は全国(400地点)の世帯員2人以上の一般世帯を対象に、訪問留置・訪問回収法で調べたものです。

この調査の結果、公的介護保険サービスの自己負担費用を含む「介護に要した費用」のうち、「一時費用」(住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用)のこれまでの合計額は平均69万円(前回80万円)となっています。また、「介護に要した費用」のうち、月々の費用は1カ月あたり平均7.8万円(前回7.9万円)となりました。

このように、介護費用にはまとまったお金が必要であることが分かります。いきなり介護をする状況になった場合、これらの費用をどう捻出していくかも考えなければなりません。老後にむけて、元気なうちから備えておくべきだといえるでしょう。