新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が、経済の混乱・停滞を招いています。すでにその影響を受けて生活が苦しくなっている人や、先行きの見えない現状に不安を覚える人も少なくないでしょう。
COVID-19は未だ収束の気配がなく、この状態はしばらく続くと考えられます。こんな時期だからこそ、将来や不測の事態への備えを万全にしておくことの大切さに気づいた人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、コロナショックを乗り切るために今日から取り組みたい貯蓄のコツや、家計の見直しポイントについて考えていきたいと思います。
「みんなの貯蓄事情」年収が違っても大差なし!?
「年収の高い人は普段からしっかり貯金できているだろうから、こんな非常時にも余裕があるんだろうなあ」、なんて、漠然としたイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
実はそうとも言い切れないのです。
総務省が2020年5月に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上世帯)」によると、1世帯あたりの貯蓄現在高は1,755万円となっています。
これを年間収入の階級別にみると、年収1,000万~1,250万円の世帯の貯蓄額は2,280万円と2千万を超え、年収1,500万円以上の世帯となると貯蓄額も4,594万円と跳ね上あがります。その一方で、年収が200~250万円の世帯から900~1,000万円の世帯については、いずれも貯蓄額が1,000万台となっており、収入と貯蓄額は必ずしも比例していません。
つまり、家庭ごとに事情は異なるものの、単純に年収が高ければ高いほど貯蓄(=将来や不測の事態への備え)がしっかりできている、といは言い難いことが分かります。
もちろん、手取りの収入が現在よりも増え、かつお金の使い方や生活水準を変えなければ余裕は生まれます。でも、たとえ目先の収入が増えなくても、工夫次第でしっかりと貯蓄をすることができるということです。