日立建機、1Qの調整後営業利益は前年比87%減 コロナ影響で油圧ショベルの需要が低迷

2020年7月27日に行なわれた、日立建機株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日立建機株式会社 執行役 営業本部長 先崎正文 氏\n日立建機株式会社 執行役 財務本部長兼CFO 塩嶋慶一郎 氏

油圧ショベル世界需要推移

先崎正文氏:先崎でございます。本日はお忙しいなか、弊社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。はじめに、このたびの令和2年7月豪雨により亡くなった方々にお悔やみを申し上げるとともに、大きな被害を受けたみなさまにお見舞い申し上げます。被災地が1日も早く復興することをお祈り申し上げます。

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それでは、地域別市場環境と見通しについてご説明申し上げます。3ページは、油圧ショベルの世界需要の推移です。2020年度の需要見通しは、前回同様、16万6,000台で、対前年で23パーセント減を想定いたします。

第1四半期は中国で回復が見られましたが、引き続き、世界での新型コロナウイルスの収束の時期や経済環境が不透明な状況は変わらず、通期で前回見通しを据え置き、今回も地域別の見通しは提示いたしません。今後も新型コロナウイルスの状況を注視しながら、各国の経済活動状況を把握し、市場環境の変化に迅速に対応できるよう取り組んでまいります。

日本市場

次に、各地域ごとに第1四半期の結果などを中心にご説明いたします。4ページをご覧ください。日本市場です。スライドの左上の第1四半期の住宅投資・設備投資・公共投資は、ともに大きく減少いたしました。需要においては、左下の油圧ショベル、右上のミニショベルは前年より微減、右下のホイールローダは対前年で22パーセントと大きく減少いたしました。

欧州市場

次に欧州市場です。2020年1-3月期のユーロ圏のGDP成長率は、各国大幅減少となっております。第1四半期の需要においては、新型コロナウイルスからの回復が遅れている影響で、油圧ショベル、ミニショベル、ホイールローダの3製品ともに50パーセント前後の大きな減少となりました。

北米市場

続いて北米市場です。スライドの左上の住宅着工件数は、前年同期比で減少に転じました。左下の建設投資については、伸び幅は減少しているものの、引き続き前年同期比で増加しております。一方、第1四半期建設機械需要は、新型コロナウイルスの影響により、油圧ショベル、ミニショベルともに前年同期比で3割前後の減少となっていますが、継続して建設投資などの市況を注視して対応してまいります。

中国市場

次に中国市場です。4-6月期のGDPの成長率はプラスに転じ、前年同期比でプラス3.2パーセントとなりました。固定資産投資は、大きく落ち込んだ前期よりは回復しましたが、前年同期比ではマイナス3.1パーセントとなりました。

油圧ショベルの需要については、第1四半期の国産機含めた全需要で、前年同期比で67パーセントの増加です。内訳としては、国産が82パーセントの増加、外資は45パーセントの増加となりました。地域別の需要やクラス別需要構成比は、資料の右側をご参照ください。

補足:中国市場

8ページは中国市場の補足です。スライドの上のグラフをご覧ください。外資のみの月別油圧ショベル需要推移においては、新型コロナウイルスの影響により春節商戦が後ろ倒しになり、2020年度第1四半期で対前年45パーセントの増加となりました。6月はほぼ例年どおりの需要環境に落ち着いたと考えております。

アジア大洋州市場・インド市場

スライドの左側、アジア大洋州の油圧ショベルの需要につきましては、全体で前年同期比28パーセントの減少となりました。ただし、国ごとの需要については、タイでは、政府によるインフラプロジェクトが活況なことにより大幅な増加。オーストラリアでは、新型コロナウイルスの影響が比較的少なかったことで微減となっております。

一方、インドネシアでは、新型コロナウイルスやコモディティ価格の低下を受けて大幅減となるなど、国により状況が異なる結果となりました。また、2020年度から一部の国において中国メーカーが統計に新たに加わったこともあって、減少幅が縮みました。

スライドの右下、インドの油圧ショベルの需要は、新型コロナウイルスによるロックダウンなどが大きく影響し、前年同期比で74パーセントの減少となりました。

ロシア・中東市場

ロシア・中東市場です。スライドの右上、ロシアの油圧ショベルの需要においては、新型コロナウイルスの影響は比較的軽微であったものの、原油価格下落による影響などもあり、前年同期比で47パーセントの減少です。スライドの右下、中東の油圧ショベルの需要も、前年同期比で35パーセントの減少で、台数規模も低いレベルで推移しております。

マイニング機械

続いて、マイニング機械になります。新型コロナウイルス感染拡大がマイニング需要へ与える影響度は、いまだ不透明です。新型コロナウイルスに加え、一般炭価格下落によるインドネシア、ロシアでの中小規模鉱山およびコントラクタ向けの需要の減少、また、大手鉱山各社の設備投資抑制により、マイニング需要全体が更に減少することを懸念しております。

このため、年度見通しは対前年でマイナス35パーセントを据え置き、今後も需要動向を注視しながら販売・生産体制を調整してまいります。

補足:BB Ratio

マイニング機械の受注状況推移をBB Ratioでご紹介いたします。超大型油圧ショベルは、各クラスで100パーセント以上を維持しております。一方、ダンプトラックは、新型コロナウイルスの影響により大手鉱山各社では設備投資計画の見直しおよび抑制を行っており、商談延期や中止が発生しております。その結果、新規受注も減少し、100パーセントを下回っております。

主要市場の状況

13ページには、2020年度の主要市場の見方をまとめています。まず日本は、第1四半期の結果はほぼ前年並みでしたが、新型コロナウイルスの第2波の影響による景気不透明感から、先行きは懸念されます。また、欧米は規制緩和傾向がございますが、第2波による経済への影響を懸念せざるを得ません。

一方、中国では春節が数週間遅れたかたちで市場が動き出し、いち早く回復、例年並みの需要環境に戻っております。オセアニア市場では、一般建機は徐々に回復の見込みではありますが、マイニングは不透明感が高まっております。全体としては、新型コロナウイルス影響の長期化により、年度内にプラスには転じないと想定しております。

トピック:ConSite®の独自の知見やノウハウを日立に共有

次からはトピックスのご紹介となります。まずは、「ConSite」に関するご紹介です。当社の建設機械に対する遠隔監視サービスソリューション、「ConSite」の独自の知見やノウハウを日立製作所と共有いたしました。日立製作所は「ConSite」の知見、ノウハウを活用し、建設機械業界以外の産業機械メーカーにアフターサービス強化支援ソリューションを提供する予定です。

トピック:超大型油圧ショベルの自律運転実証実験を開始

超大型油圧ショベルの自律運転に向けた実証実験を、オーストラリアの鉱山で2021年度から開始いたします。弊社では、1992年に雲仙普賢岳の噴火災害復旧工事で油圧ショベルの遠隔操作を行い、2013年にはインターネット回線を介し、800キロメートル離れた場所から油圧ショベルを遠隔で操作するなど、業界に先駆けて長距離遠隔操作の研究開発を進めてまいりました。今回、長年の研究開発成果を礎として、ユーザーニーズに対応してまいります。

また、自律運転機能は「EX7型シリーズ」に後付できる仕様とし、お客さまが保有する現行機を有効活用していただくことを想定しております。

トピック:アフターサービス用部品のブランド区分をグローバルで統一

最後に、アフターサービス用部品を3つのブランド区分、すなわち純正部品、認定サプライヤーが生産する「SELECTED PARTS」、そして再生部品に整理いたしました。メーカーとして品質保証を付けて、グローバルでの供給体制を確立し、お客さまには機械の耐用年数や用途、予算に応じてサービス部品をこれら3つのブランドから選択いただくことができます。以上でございます。ご清聴、ありがとうございました。

連結決算の概要

塩嶋慶一郎氏:執行役の塩嶋でございます。私から、2020年度第1四半期累計期間の決算、ならびに2020年度業績予想の概要をご説明申し上げます。

連結決算の概要をご覧ください。2020年度第1四半期累計期間の売上収益は、新型コロナウイルスや円高の影響が大きく、前年同期比で27パーセント減の1,702億円。調整後営業利益は前年同期比で87パーセント減の29億円で利益率1.7パーセント。営業利益は25億円で利益率1.5パーセント。親会社株主帰属の当期利益は前年同期比で99パーセント減の2億円でした。

なお、第1四半期累計期間の為替レートは前年同期比で米ドルが2.3円の円高、ユーロは5円、元は0.9円、オーストラリアドルも6.3円の大幅な円高でした。

連結地域別売上収益

連結地域別売上収益です。日本は399億円と、前年同期比で2パーセントの減収となりました。海外でも、中近東を除いた各地域で前年同期比減収となりました。とくに北米、欧州、ならびにアジア、インドで、新型コロナウイルスによるロックダウンの影響が大きく、円高影響も重なり、大幅な減収となりました。

中国、オセアニアにおいては、他地域と比較して早めに新型コロナウイルスが収束し、ロックダウン解除が実行されたものの、いずれも前年同期比で減収となりました。その結果、海外売上収益比率は、前年同期比で6ポイント減の77パーセントとなりました。なお、売上収益は前年同期比で645億円減少の1,702億円でしたが、為替円高影響にて85億円の減収で、現地通貨ベースの物量では561億円の減収でした。

マイニング売上収益推移

マイニング売上収益推移をご覧ください。2020年度第1四半期累計期間のマイニング売上収益は、スライドの右から2本目の棒グラフに示したとおり289億円でした。為替円高影響もあり、前年同期比で25パーセントの減収となりました。

その内訳は、売上が24パーセントの減収です。トラック本体については、オセアニア地域の貢献で69パーセントと大幅増加したものの、ショベル本体は当第1四半期の納入案件が少なく41パーセントの減収となりました。一方、マイニング部品・サービスは前年同期比で25パーセントの減収となりました。なお、地域別実績の詳細は、32ページの参考資料2に掲載しておりますのでご参照ください。

バリューチェーン売上収益推移

バリューチェーンの状況です。(スライドの)右から2番目の棒グラフをご覧ください。当第1四半期累計期間のバリューチェーン売上収益は、ご覧のとおり、前年同期比で15パーセント減の789億円でした。為替円高影響を5パーセント相当の減収要因と分析しており、現地通貨ベースでは前年同期比10パーセント減益でした。

各棒グラフの上段から2段目、グレー色のレンタル事業は、これまでの施策の効果により、前年同期比で10パーセントの増収となりました。

連結損益変動要因

続いて22ページは、2020年度第1四半期の連結損益変動要因です。調整後営業利益が、前年同期比で200億円の減益を余儀なくされた要因です。

新型コロナウイルスについては、当年度は第1四半期に入っても影響が大きく、全世界で深刻な需要減退に見舞われ、これまでご説明したとおり大幅な減収を余儀なくされたことから、物量・構成差で249億円もの減益要因となりました。

新型コロナウイルスの影響を含む大幅な減収に対応して、生産・販売連動経費を主体に間接費を68億円縮減しましたが、為替円高影響19億円も加わり、調整後営業利益は前年同期よりも200億円減少した29億円となりました。また、営業利益は前年同期よりも212億円減少の25億円となりました。

要約連結損益計算書

要約連結損益計算書をご覧ください。ここまで、売上収益から営業利益までご説明してまいりましたので、このページでは営業外損益以下を簡単にご説明します。

金融収益及び費用は、主として為替差損の低減影響により、前年同期比で19億円改善となりました。一方、持分法投資損益は前年同期比で6億円の減少でした。親会社株主に帰属する四半期利益は、前年同期比で99パーセント減の2億円となりました。

要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)

続いて24ページは、四半期別の状況です。スライドの一番右側の2020年度第1四半期をご覧ください。当第1四半期の売上収益1,702億円は、2019年度第1四半期と比較すると、物量減に加えて、表示はしておりませんが、為替円高影響85億円を含めて645億円の大幅な減収となりました。調整後営業利益率も、折れ線グラフに示したとおり、当第1四半期は1.7パーセントとなりました。

要約連結財政状態計算書

2020年6月末の連結貸借対照表です。前年度末との比較では、非流動を含めた営業債権が2,153億円と、368億円圧縮しました。一方、棚卸資産は為替変動影響が主要因にて90億円の増加となったうえ、現預金も88億円を積み増ししたものの、総資産は1兆1,559億円と、前年度末よりも117億円圧縮しました。

手持日数では、営業債権を前年度末より8日短縮の91日まで縮減しましたが、一方で棚卸資産は13日延伸の131日となりました。この結果、正味運転資金手持日数は前年度末よりも8日延伸した178日となりました。

スライドの右側の有利子負債計は、前年度末よりも49億円増加した3,439億円となりました。一方で、現預金を88億円積み増ししたこともあり、ネットの有利子負債は39億円縮減の2,729億円となりました。資本合計は5,294億円で、親会社所有者持ち分比率は41.2パーセント、ネットD/Eレシオは0.57でした。

連結キャッシュ・フロー

続いて、連結キャッシュ・フローです。当第1四半期累計期間の営業キャッシュ・フローは、214億円のポジティブとなり、前年同期比で378億円の改善となりました。一方、投資キャッシュ・フローでは、前年同期比で17億円減の93億円の支出としたことから、フリー・キャッシュ・フローは前年同期比で395億円改善の122億円の収入となりました。

要約連結損益計算書(予想)

続いて、2020年度業績予想をご説明します。要約連結損益計算書をご覧ください。先ほど執行役営業本部長の先崎がご説明した2020年度の需要環境、ならびに3ヶ月の実績を踏まえ、現時点の今年度業績予想は前回予想を据え置きます。

具体的には、要約連結損益計算書のとおり、前回5月公表値の売上収益7,700億円、調整後営業利益400億円、親会社株主に帰属する当期利益200億円を据え置きます。第2四半期以降の予想為替レートも変更しておりません。

31ページに、参考資料1として当第2四半期以降の売上収益と調整後営業利益に影響する為替感応度を掲載しましたので、ご参考願います。

マイニング売上収益推移(予想)

マイニング売上収益予想です。2020年度のマイニング売上収益予想は、前回5月公表値を据え置き、前年比で8パーセント減収の1,530億円を見込みます。マイニング機械本体は、トラックとショベル合計で前年比10パーセントの減収を見込むほか、マイニング向け部品・サービスについても、為替円高影響が加わり7パーセントの減収を見込みます。売上構成比は、前年比で2ポイント増加の20パーセントを見込みます。

バリューチェーン売上収益推移(予想)

続いて29ページは、バリューチェーン売上の予想です。2020年度のバリューチェーン売上収益予想も3,612億円と、前年比で5パーセント減収となる前回5月公表値を据え置きます。事業ごとの内訳も同額を据え置きます。

部品・サービスは、前年比で10パーセント減収の1,750億円を見込みます。また、ソリューションビジネスも、16パーセント減収の760億円を見込みます。一方、レンタルは中国、アジア、オーストラリア等での拡大を織り込み、16パーセント増加の620億円を見込みます。売上構成比は、前年比で6ポイント増加の47パーセントを見込みます。

連結損益変動要因(予想)

連結損益変動要因をご覧ください。2020年度調整後営業利益が対前年比で366億円減少した400億円となる要因をご説明いたします。こちらのスライドの図に示したとおり、物量の減少530億円の影響が大きく、加えて為替の円高影響52億円も減益要因となる一方で、間接費の大幅縮減や資材費の低減で、調整後営業利益400億円の予想を据え置きます。営業利益は、調整後営業利益の減益にて、前年比で368億円の減益となる360億円の予想を据え置きます。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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