退職後の生活、特に老後にまつわるお金のニュースを最近よく耳にしませんか。定年の延長、年金の受給年齢幅の拡大、老後2000万円問題などなど。私達の関心を集める話題だけに、皆さんも興味津々かと思います。
退職金も私達の関心事のひとつですね。本日は、老後の生活資金でもある退職金について、その運用法についてお伝えします。
平均の退職金額はいくら
退職金をもらえるとすれば、一体いくら受け取れるのでしょうか。下記は厚生労働省が発表した「平成30年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付・一時金年金の支払い実態」の資料です。それぞれの退職金は下記のとおりです。
定年退職者の退職給付額(学歴別)
- 大学、大学院卒(管理、事務、技術職)・・・1,983万円
- 高校卒(管理、事務、技術職)・・・1,618万円
- 高校卒(現業職)・・・1,159万円
大学、大学院卒の定年退職者は退職金額が2,000万円近くありますから、昨年話題になった「老後2,000万円問題」は、定年後に住宅ローンが大きく残っていなければ、なんとか解決できそうですね。
しかし、高校卒の場合、自助努力が必要になるかもしれません。
もっとも、2,000万円だけで足りるかという議論もあるでしょう。
実は、将来の住居費用や介護費用は2000万円問題の計算に入っていないため、2,000万円だけでは老後の生活を支えることはできません。
近年は退職金制度がない会社も多く、一括受け取りも可能な「確定拠出年金」などを活用して、運用しながら老後の資金を蓄える方もいます。
退職金は大切な老後の生活資金です。自分がいつまで生きるか計算できないからこそ、少しでも増やしていく努力が必要なのかもしれません。
生活費は運用しながら増やす
銀行員時代は、投資信託をリタイア世代の方に販売する機会が多くありました。リタイア世代の方は、資産を減らすことはできません。なるべくリスクが少なく、長期で安定して運用できる投資信託、あるいは単位型の投資信託などを、多く販売しました。
投資信託のメリットは運用しながら、分配金で毎月運用成果を引き出すことができる点です。
実際のところ、毎月分配型は、あまりお勧めしたくない商品です。しかし、リタイア世代の方に限っては、否定するつもりはありません。
むしろ、生活資金と割り切った資金であれば、運用しながら一部を取り崩していく受け取り方は、問題ないからです。
分配金で受け取った分を普通預金から毎月引き出すといずれ資産は枯渇します。しかし投資信託で運用した場合、運用しながら取り崩していっているので、資産が減るスピードは理屈では遅くなります。
注意したいのは、投資信託選びです。ここで長期運用に不適切なファンドを選んでしまうと増やすどころか減らすスピードを早めてしまう可能性があります。
例えば、リスクが大きかったり、流行り廃りのあるテーマ別の投資信託などは避けた方が無難でしょう。
4%ルールとは
この運用しながら取り崩していく方法ですが、実は米国でアーリーリタイアメントを狙っている、比較的資産を保有している若者世代に、流行している資産運用の考え方と共通しています。
学説自体は1998年に米国のトリニティ大学で発表された、資産運用に関する論文(Trinity Study)で提唱された「4%ルール」のことを指します。ルールの詳細は下記の通りです。
- 定年後(老後)は年間生活費の25倍の資産を持っておく
- 資産は株式と債券の組み合わせで保有する
- 資産の4%を毎年生活費として引き出す
上記の方法で運用を継続すると、自分が亡くなるまで、つまり20年後30年後でも、資産は枯渇することはなく、むしろ資産は増加したという結果が報告されています。
本来であれば、投資や運用の経験は、リスクが取りやすい若い頃から始めておき、経験を積んでおくことが理想ですが、日本人は運用に不慣れな方が多く、定年後からスタートする方も少なくありません。
このルールに従って、運用をスタートすれば、長期投資をしながら、老後の生活費を賄うことも可能です。
65歳の平均余命は男性で約20年、女性で約24年ありますから、決して定年後の長期運用を諦める必要はありません。定年後で運用を始めたとしても、資産が増える可能性は多いにあるのです。
確かなアドバイザーに相談しましょう
とはいえ、初心者の方の場合、自分で口座開設して、投資信託を選んで、運用を開始するのは、なかなか骨の折れる作業です。
その場合は、信頼できるアドバイザーを探してから、運用をスタートしましょう。
金融知識の豊富なアドバイザーに出会えれば、生涯の財産になります。
例えば、私は元銀行員ですが、金融商品や運用のノウハウ、経済などの知識はありますが、不動産の知識はあまりありません。そんな時役立つのは、銀行員時代の融資課の同僚です。
不動産を生業とした専門家の話は多いに参考になります。実際不動産を購入する際にも参考にさせてもらいました。
その道のスペシャリストは、我々の知らない情報を持っています。退職金は大切な老後の資産ですから、できれば、いろいろな金融機関、ネット銀行でも構いませんので、知識が豊富で、相談しやすいと感じたアドバイザーとお付き合いされることをお勧めします。
まとめにかえて
退職金は残念ながら、年々減少傾向にあります。上述しましたが、退職金自体が無い企業も少なくありません。
自分自身の老後は、まさに自助努力にかかっていると言っても過言ではありません。信頼できる専門家を早めに見つけ、退職金の運用方法をはじめ、お金のことを相談できる体制を整えることが鍵となりそうです。
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