これを見ると、上位5社平均では日本株のパフォ-マンスの方がより高く、なんら日本株が上がらない理由はありません。ところが、株価指数では韓国株に4倍以上の差をつけられています。悔しいと言えば悔しいのですが、ここは冷静になぜ韓国株のほうが上がっているのか要因分析をしてみましょう。

  1. 投資家にとって韓国の高経済成長率は魅力的(前述)。
  2. KOSPIの株価収益率(PER)は約26倍で、日経平均株価は約18倍。市場は、韓国企業は日本企業よりも利益成長性が高いと判断している。
  3. KOSPIの株価純資産倍率(PBR)は1.0倍程度で、日経平均株価の1.1倍と大差はない。

これらをまとめると、韓国株はマクロ経済の成長期待を背景に高成長割安企業が多いイメージ、というところでしょう。また、日本企業はキャッシュばっかり溜め込んで投資しないとか、株主還元しないとかというイメージがありますので、それも日本株が買われない理由かもしれません。

“灯台もと暗し”と言いますが、投資機会は意外な近場にあるものかもしれません。ただ、日本国内で韓国株式に投資する場合、投資信託は全投資信託約6000本のうち1本のみ、東証上場ETFは2本しかありませんので、選択肢が限られているのが難点です。もっとも運用会社にしてみれば、設定しても売れないのが残念なところなのですが。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)