一族との感覚の違い

その話をご主人にしたところ、それなら我が家も顔を出そうという話に。

「夫の反応に『この人もあの家族の感覚なんだ』と思ってしまいました。私が一番気になるのはやはり義父のことです。高リスクな義父に対し、私はとにかく感染リスクを回避しなくてはということをいつも考えて暮らしています。小学校に通ううちの子供も最近では顔を出すのを遠慮するほど。それなのに、数百人の感染者を毎日のように出している都市部からくる一家を一緒になって歓迎しようという考えが私には理解できませんでした。私たちがいくことこそ『密』を作り出すのではないでしょうか。

そして、『今この町で他県ナンバーの車が数日止まっていたら?』『10人を超える人数で食事を取ったなんてご近所に知られたら?』ということが引っ掛かりました。簡単に引っ越すことのできない田舎町で暮らすものとして、あとあとまで噂されるような火種を作って欲しくない。私はその思いで頭がいっぱいでした」

そんな気持ちは持ちながらも、直接義両親に「帰省を辞めさせるべきなのでは」といえないというYさん。「夫の口からならまだしも、私の口から義兄弟に『来るな』はさすがに言えません。一度だけ『この辺とは感染者の数が違うみたいなのでお義父さんが心配じゃないですか』といったのですが『車で来るし、大丈夫じゃない?』と言われてしまいました。何度も止めるのはさすがに嫁の立場ではできませんでした」

毎日の感染者が増えるたび、ご主人には「やはり止めた方がいいと思う」とつぶやいているというYさん。帰省しても子供と自分は顔を出すつもりはないと話したところ、ご主人との間に嫌な空気が流れたそうです。「これ以上感覚の違いで溝ができるのは正直しんどいです。政府か首長が禁止してくれないか毎日願って仕方ありません」