「サラリーマンの年金」はどう変わる? 老後資金は貯めるだけでなく稼ぐ時代に!?

「繰下げ受給」を利用している人は少ない

では、繰上げと繰下げ、どちらが得なのでしょうか。結論から言うと、平均的な死亡年齢まで生きるとしたら、何歳から年金受給を開始したとしても受け取る年金の合計額はさほど変わりません。

厚生労働省 年金局の資料によると、60歳から75歳までの間、どの時期に年金受給を開始したとしても、65歳から平均的な死亡年齢まで年金を受け取った場合の年金額とほぼ同額になるように計算されているようです。なお、現在試算に使われているデータは、平成27年完全生命表による年齢別死亡率で、この時点の65歳の平均余命21.8年となっています(男女平均)。

2017年度の繰上げ・繰下げ制度の利用状況を見てみると、繰上げを利用している人の割合は19.7%、繰下げを利用している人の割合はわずか1%強という結果です。繰上げする人の割合は年々減少していますが、もらうものは早めにもらっておこうと考える人が多いということなのでしょうか。

また、繰下げの利用が少ない理由として、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳へと段階的に引き上げられている途中ということが考えられます。この引き上げ完了時期は男性2025年度、女性が2030年度なので、それ以降は変わってくるかもしれません。

おわりに

人生100年時代においては、現役をリタイアしてからの長い時間をどう過ごすのかによって、必要な老後資金の金額はずいぶん変わってきます。年金をもらいながら働くことや、夫婦で年金をもらう時期を調整して年金額を増やす選択など、それぞれのライフスタイルに合わせて老後の生活を考えてみてもいいのではないでしょうか。

【参考資料】
年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました」(厚生労働省)
繰下げ制度の柔軟化」(厚生労働省 年金局)

中野 令子

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1級ファイナンシャルプランニング技能士。大手証券会社で約17年勤務。個人と法人向けに金融商品の販売に従事。
現在は家業を手伝う傍ら、毎日の生活の中にあるお金をテーマに執筆活動中。
難しくて敬遠しがちな金融のしくみについて、わかりやすく説明。プライベートでは2児の母として、奮闘する毎日。