サイバーエージェント、3Q累計の営業益・経常益は下限レンジを達成 業績予想の範囲で順調に推移

2020年7月22日に行なわれた、株式会社サイバーエージェント2020年9月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田晋 氏

1.四半期決算①

藤田晋氏:社長の藤田です。それでは当社の第3四半期決算を説明します。まず、今回は、4月から6月の決算なのですが、当社は3月末くらいから全社でフルリモートに移行していまして、4月および5月はほぼすベて会社には出社せずにリモートで仕事を行なった期になります。6月からは、徐々に会社へも復帰しています。

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全体の業績としては、前回の第2四半期決算発表を4月末に行なったのですが、新型コロナウイルスの影響について保守的に見ていたところ、思ったよりも業績は堅調に推移しました。

各事業で言うと、メディア事業はこの期に「ABEMA」のWAU(Weekly Active User)が大幅に伸びました。

広告事業が一番新型コロナウイルスの影響を受けているのですが、結果前年同期比で横ばいまでに留めることができました。

ゲーム事業については堅調に推移したと思います。

1.四半期決算②

連結売上高は、期初の業績予想にもあるのですが、少しトップラインも売上を伸ばしづらくなってきていることに加えて、新型コロナウイルスの影響がありました。

1.四半期決算③

1.四半期決算④

連結営業利益の推移です。営業利益を堅調に確保できたのは、一方で販管管理費が想定していたよりも減ったためです。とくに交際費や出張交通費、広告費等が全体的に下がっており、昨年の第3四半期は当社の「下方修正キャンペーン」で大幅にコストを減らしていたのですが、その水準まで落ちています。

1.四半期決算⑤

例年どおり4月に新入社員が約300名入社し、従業員数は5,467名となっています。

1.四半期決算⑥

損益計算書です。

1.四半期決算⑦

バランスシートです。現預金は900億円です。

2.2020年度 業績見通し①

今期の業績見通しについては、売上が4,650億円、営業利益は280億円から320億円と臨時で発表していました。

2.2020年度 業績見通し②

しかし、第3四半期までの進捗は非常に順調であり、とくに営業利益および経常利益は業績予想の下限はすでに達成済みということになっています。

3.インターネット広告事業①

続いて、インターネット広告事業から個別に見ていきますと、先ほどお伝えしたとおり、4月末の第2四半期の決算の状況では、新型コロナウイルスによる出稿控えの影響がかなり大きくなるのではという予想だったのですが、一方で巣ごもり需要が取り込めそうなデジタル関連の広告主が積極的に広告を出稿したことで、結果として前年比では、ほぼ横ばいというかたちになりました。

3.インターネット広告事業②

営業利益はこのようなかたちです。

3.インターネット広告事業③

実はインターネット広告事業に関しても長年、新規分野への積極的な先行投資を行なっていたのですが、この新型コロナウイルス期に花開いたものがいくつかありました。とくにこのバーチャル撮影システムはフル3DCGで撮影ができるスタジオを持っており、広告の制作をしたり「ABEMA」の収録をしたりできるようになっています。

あと3DCGスキャンカーというものもあり、こちらは一度撮影すればその場所に行かなくても広告のクリエイティブをいろいろ変えていけるため、このような外で収録がしづらい時期にも非常に効果的にパフォーマンスを上げることができます。

3.インターネット広告事業④

それと同時に、この「極予測AI」の導入を進めています。こちらはクリエイティブの効果を事前に予測できるシステムなのですが、こちらの予測の数値がかなり当たるようになってきており、先日発表した「極予測AI」の導入が400社、「極予測TD」の導入が100社と進んでいるかたちになっています。

3.インターネット広告事業⑤

全体としては、4月から6月は新型コロナウイルスの影響でかなり広告の出稿の削減があったのですが、一方で巣ごもり需要が見込める広告主への営業を強化したということです。7月から9月以降は徐々に経済活動が再開してきているため、今後の売上の拡大をあらためて目指していくという方針です。

4.ゲーム事業①

ゲーム事業については、全体の数字としては堅調に推移しているのですが、この四半期で特徴的なのは、まず「プリンセスコネクト!」の中国版が大きく伸びたことと、それと同時に日本国内の「プリンセスコネクト!」も好調になっていることです。

4.ゲーム事業②

4.ゲーム事業③

営業利益はこのようなかたちですが、とくに4月6日より「ABEMA」でも放送していたアニメの「プリンセスコネクト!」がヒットしたことによって、またゲームにも好影響を与えるというグッドスパイラルになっています。

4.ゲーム事業④

今後の新規タイトルとして計画しているものはこのようなラインナップです。とくに直近では左下の「NieR」が7月29日からクローズドβ版テストを開始するのですが、事前登録も好調で期待できるタイトルになると思います。

5.メディア事業①

最後、メディア事業ですが、メディア事業は「ABEMA」の広告収入ですね。こちらは純広告で、いわゆるブランド広告主が多いため、新型コロナウイルスの影響がかなり直撃したというようなかたちですが、全体としては堅調に伸びてきています。

5.メディア事業②

ダウンロード数はもうずっと堅調でして、5,600万を突破しています。

5.メディア事業③

この巣籠期間に入ってから、とくにWAUを大きく伸ばしています。ニュース関連で、総理や菅さんの速報もそうですし、各都道府県知事、市長の速報もそうですが、そのようなニュースをはじめ、ドラマ「M」や「乃木坂46時間TV」、また藤井聡太さんのタイトル挑戦など、話題に事欠くことのない状況だったと思います。

5.メディア事業④

プレミアム会員も順調に伸びています。徐々にここを伸ばす施策を投入しているのですが、限定コンテンツも増やしてきており、今後もけっこう出てきます。

5.メディア事業⑤

人気番組の「オオカミくんには騙されない」「恋する週末ホームステイ」といった恋愛リアリティーショーも撮影できるようになってきましたので、このような独自のものを投下していく方針です。

5.メディア事業⑥

6月に「PayPerView」機能をリリースしました。現在もオンラインライブにかなり力を入れており、先日はLDHの7日間連続ライブを有料で放送して、かなりの枚数のチケットを販売しました。

今週の土曜日は浜崎あゆみさんのライブ、日曜日は若者に人気のDa-iCEのライブなどが目白押しです。このあとも大物アーティストが控えていますが、ここに注力しているかたちです。

5.メディア事業⑦

今週の日曜日のDa-iCEのライブは、スライドの「ABEMAアリーナ」というフル3DCGを駆使した会場で行ないます。広告事業の設備投資のところで触れた「カムロ坂スタジオ」で、実際には当社の何もない、緑色の空間になります。

すでにガールズアワードのファッションショーも「PayPerView」で一度配信しています。それを見るとわかりますが、非常に広い空間で実施しているように見え、パッと見て本当の会場と見分けがつかないほどのリアリティーを持っています。

新型コロナウイルスの前は、人気アーティストでも、東京ドームなどの会場がなかなか取れずライブができないという問題があったのですが、オンラインライブであればチケットの枚数制限なく視聴することができますし、物理的な移動を伴わないため地方に住んでいても視聴できます。会場の問題も、こうしたフル3DCGで解決できます。

もちろん、ライブに行かなければわからないよさもあるのですが、それとは別のよさがあるということで、新型コロナウイルスの影響がある今だけでなく、今後も非常に力を入れて伸ばそうとしているところです。

5.メディア事業⑧

「PayPerView」で視聴すると、コメント機能などで参加したり、ほかの人の反応を見ることもできますし、応援機能もあります。またグッズも販売できるなど、さまざまな機能がありますが、それに加えて今後はマルチアングルや投票機能なども追加していく予定です。

5.メディア事業⑨

周辺事業で芽が出てきたものがあるのですが、それが「WINTICKET」です。現在は競輪事業の券売がメインで、ABEMAの中に競輪チャンネルを作って力を入れてきた結果、一気に取扱高が伸びており、足元ではすでに黒字化しています。そういう意味では、周辺事業で収益性を確保できるものが生まれたという手応えがあります。

5.メディア事業⑩

いつも出している図ですが、広告モデルからスタートして、「ABEMAプレミアム」や「PayPerView」といった課金収入をハイブリッドで乗せ、先ほどの「WINTICKET」のような周辺ビジネスも伸ばしていくという想定です。それが、徐々にかたちになってきたと思います。

6.2020年度

2020年度についてです。ずっとお伝えしていますが、中長期的な柱として当社のメイン事業の「ABEMA」を育てる方針を粛々と続けていくという方針です。マネタイゼーションに関しては、徐々に力を入れていますが、これから本格的に伸ばすフェーズに入っていくと思います。もちろん、まだまだ投資期でもありますので、投資しつつにはなりますが、同時にマネタイズも強化していきます。

広告事業に関しては、システマチックに効果を最大化できるところに強みが持てるようになってきましたので、そこを強化していこうと思っています。

ゲーム事業に関しては、引き続き既存事業の運用を強化し、また新規ヒットを狙っていくという方針です。私からのご説明は以上になります。どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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