2012年以降の“アベノミクス相場”や最近の“ポケモノミクス相場”など、これまで株式投資には興味がなかったという方も株式市場のニュースを耳にすることが多くなってきたのではないでしょうか。
定年退職された方にとっては年金の資産運用、現役世代には、GPIF(独立行政法人 年金積立管理運用)の年金運用パフォーマンスが国会の話題にも取り上げられるなど、これまで以上に株式投資が身近になってきているとも言えます。
では、これまで資産形成に興味のなかった方も個人投資家として資産運用を始める方が良いのでしょうか。今回は株式投資の3つのメリットについてまとめます。
株式投資を始める3つのメリット
株式投資のメリットですが、大きく分けて3つあります。
- 株価が上昇することによる超過収益(キャピタルゲイン)
- 配当収入(インカムゲイン)
- 株主優待
株式を保有すると、株主としてこうした恩恵を得ることができます。
どんな企業に投資をするべき?
株式投資を始めたいという方にとっては、やはり株価が投資した時の何倍にもなるという魅力が最も大きいのではないでしょうか。一方で、株は企業の業績が悪くなり倒産したりすれば紙くずになるのでは、とお考えの方もいるでしょう。
ここで、株式投資において何倍にもなる銘柄、特に株価が10倍になる“テンバガー”と呼ばれる銘柄に投資をし続けた投資の賢人たちの知恵をお教えします。それは、極めて当たり前の簡単なことです。
「企業の過去の業績、つまり歴史に注目する」
”なんだ、そんな当たり前のことか”と思われる方も多いかと思います。では、自分が子供だった頃のことを思い出して次の例について考えてみてください。
これまで夏休みの宿題を毎日午前中にしてきた子供と、新学期直前に宿題をまとめてしてきた子供がいるとしましょう。夏休み中の明日、宿題をする確率はどちらの子供の方が高いでしょうか。
子供のすることなんて気まぐれだよとおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、現実的にはこれまでしっかりこなしてきた子供の方が明日宿題をする確率が高いと思います。
実は、同じことが企業およびその業績についても言えます。毎年増益を続け配当を増やしてきた企業とそうでない企業を考える際に、来期の増益の確率はどちらの方が高いかということです。
マクロの景気は誰にとっても完璧に予想することは難しいですが、経営者の能力やその企業のビジネスモデルの強靭さは過去の実績が証明しています。この歴史という事実を株式投資に活用しない手はありません。
世界的に著名な投資家たちも、過去の実績や歴史に注目してきたのです。未来を予測しなくても企業業績の実績を見れば答えが出るわけですから、多くの人にとっても手が届かないものではなさそうです。
配当は利益が出た後に得られる株主の特権
配当はどの企業も実施しているわけではありません。基本的には1年間に得た利益の中から株主に支払われます。企業が利益から税金を支払った後の「当期純利益」が多ければ多いほど配当原資が増えます。
また、発行済株式総数が少なければ少ないほど一株当たりの配当は増えます。米国企業で株主還元に積極的な企業の中には「自社株買い」を行い、発行済株式総数を減らしていく企業もあります。そのように株数を減らすことで、既存の株主がよりメリットを受けられるような状況にしているのです。
日本にも毎年増配を続けている企業もありますから、そうした企業に投資をして配当ライフを満喫したいものです。
意外に楽しい株主優待ライフ
日本経済新聞の調べによると、2016年6月末に株主優待制度を導入しているのは1,296社と、上場企業が3,500超のうち実に3分の1を超える割合になっています。
株主優待は個人投資家に株式投資を身近に感じてほしい、長期で投資をしてほしいという思いで設定されていますから、自分のお気に入りの企業を見つけて投資をするとよいと思います。特に、商品やサービスの割引券などを株主優待として設定している場合、その企業のヘビーユーザーにとっておすすめかもしれません。まずは自分の興味のある会社の株主優待について調べてみてはいかがでしょうか。
青山 諭志