3. 部下や後輩を信頼できない上司
ここまでは頼りない上司のお話でしたが、一方でパワフルすぎても嫌われてしまうようです。
あるメーカーで働くEさんは「うちの上司はプレーヤー型なので、マネジメントはほぼできない。自分でやったほうが早いという思いが根底にあるので、部下に任せるべき仕事も任せられない。人に任すことができず、自分が残業して処理すればいいやと抱え込んでしまうので、部下が育たない」と話します。
「上司の仕事の一つに部下の育成があると思うけれど、その意識が感じられない。とりあえず成果を上げることが一番で、成果を上げるなら自分が働けばいいという考えなんだと思う。部下としては、信頼されてないと感じて仕事のモチベーションが下がってしまう」と話します。
広告代理店で働くFさんも、上司との信頼関係に不満があると言います。「マネージャーが手を動かしてしまうと全体を俯瞰的に見られる人がいなくなって、誰もまとめきれなくなってしまう。指示を出す人と手を動かす人が同じだと適正な仕事の配分ができなくなるような気がしている」と話します。
「それに、上司から仕事を任されるのは仕事のやりがいの一つだし、『ああ、評価されているんだな』と感じられるいいチャンスだと思っている。今の上司はそれがないからツライ」と話していました。
確かに、仕事を任せられれば責任も感じますし、成長にもつながります。それを奪ってしまうと部下はやる気をなくしてしまうのではないでしょうか。
おわりに
嫌われる上司にはそれぞれ理由がありました。本人の性格的なものもあるでしょうが、立場が一段上なのだから余裕を持った対応をしてほしいという部下の気持ちが背景にあるように思えます。管理職になったら、自分の行動を見直してみることが必要かもしれません。
大塚 ちえ