特に、キャラクター型の貯金箱は子供たちに人気で、それにコツコツと小銭を貯金して、一杯になると銀行に預けに行くというパターンだったような気がします。経験のある方も多いのではないでしょうか?

そこで物心がつき始めた子供と銀行に、初めての接点が生まれたものでした。しかし、今回開始となった「大量硬貨取扱手数料」は、100枚まで無料とはいえ、子供たちがコツコツと貯めた貯金から手数料を徴収するということです。

しかも、窓口の銀行員が数えるのではなく、どうせ機械で数えているにもかかわらずです。

銀行と地域社会とのギャップは広がるばかり

こう書くと、“ATMで預入すれば無料だからいいじゃないか”、“今時の子供は小銭なんか貯めないよ”という意見があるでしょう。確かに、そうかもしれません。しかし、原点回帰で個人顧客との繋がりが求められている銀行が、ここまで手数料に固執する必要があるのか疑問が残ります。

銀行からもらった貯金箱に一生懸命貯めた小銭を、窓口で預けた時の湧き上がる感動はもう遠い昔の話なのでしょうか。私たちの生活に密着した金融機関には遠く及ばないと感じずにはいられません。

葛西 裕一