株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続落、結局は“寄り付き天井”に終わる

2016年7月26日(火)の東京株式市場は続落となりました。日経平均株価は前日比▲1.4%の下落、TOPIXも▲1.4%の下落で引けています。いずれも3日続落です。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲1.2%下落する反落となりました。

日経平均株価は、前日比▲84円安で寄り付いた後、円高進行などにより▲200円超安の展開が続きました。後場の前半には一時▲297円安まで下落しましたが、その後はやや盛り返して、取引時間中の高値を伺うまで下げ幅を縮小します。しかし、大引けに掛けて再び下げ始め、結局は▲237円安の16,383円で終わっています。終わってみれば、寄り付き天井となりました。

東証1部で上昇したのは405銘柄、値下がり1,470銘柄、変わらず95銘柄でした。東証1部の出来高は19億1,084万株、売買代金は2兆3,278億円(概算)となっています。売買状況はまずまずでした。

セクター動向と主要銘柄の動き-30業種が下落する中、任天堂は反発し、日本電産は続伸

東証1部で上昇したのは3業種、下落したのは30業種でした。下落した業種に大きな特徴は見られませんでしたが、金融関連、素材関連、輸出関連などが弱かったようです。上昇した数少ない業種では、情報・通信の健闘が目立ちました。

個別銘柄では、任天堂(7974)は粗い値動きを繰り返して小幅高で引けましたが、売買代金は再び膨らんでいます。また、前日に大幅高となった日本電産(6594)は続伸して年初来高値を更新しました。さらに、ソフトバンクグループ(9984)が大幅上昇となり、KDDI(9433)やアステラス製薬(4503)も値を上げました。一方、京セラ(6971)、日東電工(6988)、TDK(6762)、アルプス電気(6770)などの電子部品・材料関連が軒並み大幅下落となり、トヨタ自動車(7203)や富士重工(7270)も値を下げています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は反落、さらに厳しい薄商いに直面

東証マザーズ総合指数は、寄り付き後は前日終値を上回る推移となりました。しかし、その後はマイナス圏に沈んだまま浮上せず、900ポイント割れも視野に入るなど、見どころなく反落となりました。また、出来高は4,032万株、売買代金は602億円となり、いずれも前日を下回っただけでなく、2015年11月以来の薄商いとなりました。新興市場の状況は、かなり深刻と見ていいでしょう。なお、値上がりが51銘柄、値下がりは175銘柄、変わらず7銘柄でした。閑散相場を打破するような物色テーマの登場はいつになるのでしょうか。

個別銘柄では、時価総額が大きい3つの銘柄、そーせいグループ(4565)、CYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)は、大きな動きを見せることなく、いずれも小幅安となりました。全体的に下げた銘柄が多かった中、ヘリオス(4593)、Gunosy(6047)など一部の中堅銘柄が値を上げました。しかし、それ以外で特に大きく動いた銘柄は少なかった模様であり、ここ1~2週間続く“新興市場らしからぬ展開”に終始しました。物色テーマがないから仕方ありません。

本日(7月27日)の注目点-事前の期待値が下がる中、電機セクターへの注目を継続

104円/ドル台を付ける円高進行に見舞われた26日は、株式相場は下落を余儀なくされました。円高になった背景として、政府の景気対策が想定より小規模になりそうだとか、木曜日から開催される日銀の金融政策決定会合に対する期待の剥落などが挙げられているようです。これらは実際に出てみないとわかりませんが、事前の期待値は低ければ低いほど好都合です。低い期待値はポジティブサプライズを生み易くなりますし、仮に期待外れに終わっても、ショックは小さく済みます。

特に、日銀の金融政策に関しては、4月28日の“ゼロ回答サプライズ”を始めとして、今年は何度も煮え湯を飲まされてきました。27日(水)も期待値が下がって株式相場が低迷する可能性もありますが、必ずしも悪い事ばかりではないと言えましょう。一方で、先週末に発表した決算内容が評価された日本電産が続伸する等、業績相場の下地は整いつつあります。引き続き電機セクターに注目したいところです。

一方の新興市場は、残念ながら、底が見えません。利益確定売り、換金売りのピークは越えたと思われますが、買い手が登場しないと話になりません。26日の売買代金約600億円は、東証1部に例えると1兆円割れのイメージです。このような閑散相場では、わざわざ冒険する必要はなく、静観することが望ましいと言えましょう。

青山 諭志