50キロのサイクリング、いざ決行!のはずが

男子は自転車が好きで、小学生時代からママチャリをこいで10~15キロくらいは平気で出かけていました。中2の夏休み、同級生4~5人とかなり遠出のサイクリングに出かける予定でした。

都内西部の自宅から、メンバーの1人の祖母が暮らす湘南まで片道約50キロ。自転車で往復し、祖母の家に1泊する計画でした。それぞれ両親の了解を得、湘南の祖母も快く承諾していたようです。

もっとも家庭ごとに教育方針、経済力に違いがあるのはご承知の通りです。他のメンバーは、すでに遠出用の自転車を持っていたり、兄の自転車を借りることにしたり、新たに購入したりして、50キロのサイクリングに備えた自転車を用意しました。

この男子は、クロスバイクを買うために1年ほど前から貯金していたので、残金は親に出してもらうつもりでいたようです。しかし男子の両親は、「自分で決めたことは最後まで自分でやり遂げる」という教育方針があり、助け舟を出すことはありませんでした。

結局、湘南まで約50キロのサイクリング計画の言い出しっぺがこの男子だったこともあり、男子の貯金が目標額に達するまで延期することになりました。その数カ月後の昨秋、ようやく10万円貯まり、憧れのクロスバイクを購入したのです。

まもなく3連休を利用して、待ち望んだ湘南までのサイクリングが決行されることになった、のですが……。