国相手のケンカに強い? 関空橋を巡る争いでも主張を通す

泉佐野市は大阪南部にある人口約10万人の地方都市です。名前を聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、関西国際空港(関空)の対岸にある自治体と言えば、地理的なイメージが湧くでしょう。

その泉佐野市は国とのケンカに強い自治体として、今回改めて名を知られることになりましたが、同市はかつて関空橋を巡る国との争いでも主張を押し通しています。

関空と泉佐野市を結ぶ関西国際空港連絡橋(関空橋)は、もともと関西国際空港会社が所有していましたが、2009年に国有化されています。国有化に伴い、関空橋からの固定資産税の減少に直面した泉佐野市は関空橋の利用税新設を計画。

当初は国が難色を示し実現困難と思われていた利用税ですが、関空橋の出入り口を人質に取っている泉佐野市に強く反対できず、2012年4月に川端総務相(当時)が利用税の導入に同意。そして、2013年3月30日から徴収が始まり、2018年3月30日に5年間期間延長となって現在に至っています。

財政的に地獄を見た泉佐野市

ただし泉佐野市も、懐事情を考えると強気に出ざるを得ない理由があったのです。

関空開設の際、関空の対岸で“りんくうタウン”と名付けられた都市開発が行われました。りんくうタウンは当初こそ大手企業の進出もありましたが、その後は撤退が相次ぎ開発を主導した大阪府の第三セクターは2005年に経営破綻しています。