株式市場の振り返り-日経平均株価は5連騰、売買代金も久々3兆円超の活況に
2016年7月15日(金)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.7%の上昇、TOPIXも+0.5%の上昇で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲4.0%下落して3日続落となりました。
日経平均株価は、前日比+10円高で寄り付いた後、徐々に上値を切り上げて推移し、後場の開始後間もなく一時+221円高となる場面が見られました。しかし、その後は高値警戒感等から上値が重くなり、16,500円を挟む攻防が続きます。結局、大引けは+111円高の16,497円で終わり、5日続伸となりました。
東証1部で上昇したのは980銘柄、値下がり878銘柄、変わらず109銘柄でした。東証1部の出来高は25億1,078万株、売買代金は3兆1,130億円(概算)となっています。売買代金が3兆円を超えたのは、歴史的な急落となった6月24日以来です。しかし、SQ算出日を除くと、上昇相場での3兆円超えは2月15日以来ちょうど5ヵ月ぶりとなりました。
セクター動向と主要銘柄の動き-金融関連セクターが買われる中、ユニクロ株がストップ高
東証1部で上昇したのは19業種、下落したのは14業種でした。上昇率上位には、保険、証券、銀行など金融セクターが勢揃いした他、輸送用機器も大幅上昇となりました。他方、下落した業種には内需関連やディフェンシブ・セクターが名を連ねています。
個別銘柄では、前日にQ3累計決算を発表したファーストリティリング(9983)がストップ高となり、株価指数上昇を大きく牽引しました。また、“ポケノミクス相場”の主役である任天堂(7974)も連日で急騰して年初来高値を更新しています。また、15日に上場したLINE(3938)も公開価格を大幅に上回る初値を付けましたが、その後の株価は軟調に推移して終わりました。他には、マツダ(7261)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)も大きく値を上げました。一方、ファナック(6954)、テルモ(4543)、塩野義製薬(4507)、ファミリーマート(8028)などの主力株が値を下げています。
本日(7月19日)の注目点-相場環境は好転続くが、ポケモノミクス相場の揺り戻しにも注意
“ポケモノミクス相場”に沸いた先週は、日経平均株価が5連騰となり、週末金曜日には久々に売買代金3兆円も記録しました。株式市場にはエネルギーも蓄積されつつあり、尚且つ、過度な過熱感もないため、良好な相場環境と言えます。とは言え、先週1週間の上昇率は+9.2%に達しており、そろそろ利益確定売りが優勢になっても不思議ではありません。来週(7月25日~)は大きなイベントも控えていることから、ポケモノミクス相場の揺り戻しに対する警戒心を、徐々に持ち始めた方がいいでしょう。
そうした視点からも、3連休明けの19日(火)は、先週パフォーマンスが芳しくなかった内需関連銘柄に注目したいところです。もちろん、為替相場の反転(円安)が更に鮮明になれば、外需セクターの買い戻しが続くと見られますが、来週後半から本格化するQ1決算が厳しい内容であることが推測されるため、深追いは禁物かもしれません。売られ過ぎ感のある好業績ディフェンシブ銘柄を意識しましょう。
青山 諭志