だれにでも起こりうる「おひとりさま」生活

「おひとりさま」は気楽な面もある一方、肩身が狭いといわれている面もあります。結婚をしたことのない未婚の一人世帯もあれば、夫婦どちらかとの死別により一人世帯になることもあります。つまり誰もが「おひとり様」になる可能性があるのです。とくに女性は長寿の傾向にあるため、一人世帯になる可能性が高いといえます。

2019年の総務省の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、60歳以上の一人世帯・無職者の生活費は、1カ月で平均13万9,739円となっています。上記の年金受給額を振り返ると、男性の受給額で多いのが15~20万円、女性で多いのが5~10万円です。老後の収入は年金のみと仮定すると、きびしい生活になることがうかがえます。

一人世帯の老後を想定したときに必要になるもの

夫婦世帯・おひとり様世帯の収入を比較すると、おひとり様世帯、とくに女性の一人世帯において、より厳しい老後生活が想定されます。女性の人生は一般的に男性よりも長く、しかし収入面では男性より低い傾向にあります。長年、勤務してきた場合は退職金が見込めますが、退職金は一般的に給与額をベースとして算出されますので、給与面や雇用形態(正規雇用か非正規雇用であるか)が重要な要素となります。

早めに老後を見据えた住居の確保をしていくなど、真剣に計画していくべきだといえるでしょう。収入を増やせない場合は支出を抑える工夫の習慣化も大きな意味を持つはずです。