アパホテルにとって「有益な広告宣伝」

アパホテルの「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン」、これは将来の同社のシェア拡大につながる広告宣伝になるのではないでしょうか。

筆者はこれまで、講演に登壇するために出張する際には別のビジネスホテルばかり使っていました。今回、はじめてアパホテルを利用しましたが、いつも利用していたホテルと比較して朝食の内容の違いや、大浴場があるなど(ホテルにより異なります)、アパホテルならではの魅力を知ることができました。

利用していたホテルと比べて、アパホテルは若干割高となりますが「せっかく泊まるのだから、大浴場付きのアパホテルにしよう」など、これまでになかった選択肢を得ることになったのです。今回のプランがなければ、おそらく今後もアパホテルを利用することはなかったと思います。そういう意味では、「有料お試し体験」のような位置づけではないでしょうか。

アパホテルはコロナ対応でイメージアップ

アパホテルはCOVID-19の対応でイメージアップ獲得に奔走しています。

今回、筆者が利用した「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン」だけでなく、COVID-19の軽症者の受け入れを表明し、医療崩壊防止に貢献する対応を見せています。社会的な同社へのイメージは確実にアップしているはずです。

COVID-19によって、ホテル業界は壊滅的な打撃を受ける中、同社の対応を見ていると「災い転じて福となす」を考えているように感じます。正直、これほど安いプランですから、大きな収益は期待できないでしょう。ですが、筆者のような「はじめてのアパホテル体験者」という顧客の間口を広げることで、固定費を回収するとともにひとたびコロナ禍が晴れた暁には、同社を利用する顧客につながると考えます。つまり、アパホテルのこのプランは将来の新規顧客開拓につながる、先行投資だと感じるのです。

この件で筆者はアパホテルのファンになりました。部屋も快適で、スタッフの対応にも満足。また利用したいと思います。

参考

「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン アパホテル全店 アパ直限定 2,500円(税サ込)~ 6月30日迄」アパホテル㈱
「【新型コロナウイルス無症状者及び軽症者の受け入れについて】」APA GROUP

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央