黒門市場と聞くと、古くからの関西人には”フグ専門の鮮魚店が多い商店街”というイメージがあります。しかし黒門市場はここ数年で姿を大きく変え、”外国人旅行者向けの魚市場がある観光地”に変貌していました。

黒門市場は難波駅から徒歩約10分、海辺の漁港というわけではありません。そんな商店街が、浜焼きのような魚介類の焼き物をはじめ、テッサそして生牡蠣などを店頭販売し、さらに専用の飲食スペースまで別途設けていたほどの状態だったのです。

インバウンドに振り切った街ーー外国人旅行者が行き交い、従来とは全く異なる黒門市場を筆者が最初に見た時の印象です。

インバウンド消滅後の黒門市場を歩いてみた

緊急事態宣言が解除になった5月下旬の平日の午後、久しぶりに黒門市場を訪れてみました。

大阪メトロ日本橋駅を降りてすぐの場所にある黒門市場の筋を入ると、以前は真っ直ぐ歩けないほどの雑踏だった商店街は普通に歩くことができ、自転車がスイスイ走っている場所もあります。

予想通り外国人旅行者の姿はほとんどなく(ただしゼロではない)、賑わいを見せていた買い食いできる店も閑古鳥が鳴いています。

30分ほど黒門市場を端から端まで歩いてみると、外国人旅行者に特化していたと思われる店は休業が多い様子。一方で昔ながらの鮮魚店の多くは、そのまま営業していました。