全土封鎖の延長で不安の高まるインド <HSBC投信レポート>

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インド株式市場は、1月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした世界的な株式市場の急落を受けて大幅に下落したが、3月下旬以降は欧米における感染拡大のピークアウトを背景に世界の株式市場が値を戻す中で、反発している。

債券市場は、昨年12月下旬以降、世界的な金融緩和の動き、インド準備銀行(中央銀行)による追加緩和を支えに堅調(利回りは低下)に推移している(5月15日現在)。

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全土封鎖の延長で高まる不安

インドでは、世界の主要国の中で最も厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施されてきたが、新型コロナウイルス感染症は4月から5月にかけて、ほぼ全土に拡大。国内の感染者数は4月半ばの約1万2000人から5月半ばには8万人超にまで急増した。

その中で前向きな話としては、感染の有無を調べる検査数が増えたこと(世界で最も少ない国の1つであることには変わらない)、そして感染経路の追跡調査の体制が強化されつつあることが挙げられる。感染者の回復率も5月半には30%を超える水準まで著しく改善した。

しかし、政府は厳しい政策の舵取りを余儀なくされており、感染拡大が止まらないためロックダウンの延長を続ける一方、その解除後は経済活動の本格的な再開を段階的に進める方針と伝えられている。

3月25日から実施されている全国を対象とするロックダウンは現在、3回目の延長期間(5月18日~31日)に入っているが、その後も数週間、何らかの形でさらに延長される可能性がある。ただし、政府は、ロックダウンの一部について、経済的打撃と、社会的弱者が属する「インフォーマル・セクター」への大きな影響を考慮して、4月20日以降は条件付きで徐々に緩和している。

感染の拡散状況は地域別に感染率に応じて赤、黄、緑に色分けされ、生活必需品などを扱う店舗の営業など一部の経済活動は認められてきた。5月12日には国鉄の一般旅客輸送の一部再開が認められた。開始直後は国内経済の70%近くに影響を与えたロックダウンだが、段階的な緩和によって5月現在その割合は40%に減っている。

インドのロックダウンが完全に解除される時期がいつ頃になるかを予測することは難しい。経済活動の再開に踏み切った他の国々の状況が示しているように、政府にとって、経済を再活性化させることは非常に困難な課題であることは明らかだ。

最近数週間にインド及び他の国々で起きたことをベースに「経済回復シナリオ」を想定してみよう。それには、感染拡大の影響の大小に注目する必要がある。影響が小さい地域・分野が経済活動の本格的な再開とそれによる景気回復の実現で先行するというシナリオが考えられるからだ。

インドの場合、その役割を担うのは、①農村部、②供給サイド、③製造業、④消費ということになる。農村部が都市部ほど打撃を受けていないのは明らかだ。失業者が増え続ければ需要の低迷は必至で、需要よりも供給サイドの回復が先行する可能性が高い。

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