このように、認知症が原因で要介護となる人は全体の4分の1となっています。身体は元気でも物忘れが激しくなったり、判断力が鈍くなったりと、介護レベルが上がれば一人で生活するのは困難です。また、脳血管疾患も約2割という割合を占めており、病気により体が不自由になるケースも少なくありません。
介護期間や費用の平均はどのくらいか
介護にかかる費用は、要介護の状態、どこで介護を受けるか、住宅の環境はどうかなどによって、また家庭の事情によっても様々ですが、一つの目安として公益財団法人 生命保険文化センターが行った調査(「生命保険に関する全国実態調査 平成30年度」)があります。
同調査では、過去3年間に介護経験がある人に介護を行った期間を聞いています。すると、介護を行った期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均54.5カ月(4年7カ月)で、4年以上介護した割合は4割超となっています。
また、介護にかかった費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅の改造や介護用ベッド購入などの一時費用の合計が平均69万円、月々の費用が平均7万8000円となっています。これを先ほどの平均期間にあてはめると、7万8000円 x 54.5カ月 + 69万円 = 494万1000円。ざっくり約500万円という計算です。
おわりに
離れて暮らす親が心配でも、頻繁に帰省ができないという人も少なくないでしょう。できるかぎり電話やメールなどで定期的に連絡を取り、親の変化に早めに気がつけるようにしたいものです。
また、親の介護のために仕事を辞めたり、休職しなければいけない可能性も考えられます。介護施設を利用する場合には、そのための金銭的負担をどうするかという問題もあります。健康でいてもらうのが一番ですが、万が一の場合にどうするか、あらかじめ親や兄弟姉妹などの親族と相談しておいた方が良さそうです。
LIMO編集部