GMOペパボ、1Qは巣ごもり需要でEC関連サービスが大幅増収  ポストコロナを見据え全社コストを見直し

2020年4月30日に行われた、GMOペパボ株式会社2020年12月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:GMOペパボ株式会社 代表取締役社長 佐藤健太郎 氏

業績予想に対して計画通り推移

佐藤健太郎氏:本日は新型コロナウイルス対策として、前回に引き続きリモートでの開催とさせていただいています。それでは、さっそくですが、2020年12月期第1四半期の決算説明を開始します。

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まずサマリーです。業績に関しては、開示している予想に対して計画通り進捗しています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響ですが、3月下旬に予定していた「minneのハンドメイドマーケット」を中止にするなど、直接的な影響はあったものの、ストックビジネスであるホスティング事業は堅調に推移しました。

また「カラーミーショップ」「SUZURI」「minne」などのEC関連サービスは、巣ごもり需要によって流通額が増加しています。

決算概要

こちらが決算概要です。

2019年12月期第2四半期よりGMOクリエイターズネットワークを連結子会社としており、昨年第1四半期にはPL取り込みはなかったのですが、2020年12月期第1四半期にはPLに乗ってきているため、その影響によって、昨年と比較すると減益となっています。

ただし、冒頭に申し上げましたとおり、通期業績予想に対する進捗はおおむね25パーセントと、計画通り進捗している状態です。

営業利益増減分析

営業利益について、前年同期との増減分析を表した図です。

ペパボ単体としては、売上高が1億3,800万円増加したものの、売上原価の増加、人件費、全体がベースアップしていまして、ほぼ横ばいの2億9,700万円となっている状況です。

また、連結では子会社であるGMOクリエイターズネットワークの営業損失により、結果1億9,400万円となっています。

業績予想に対する1Q実績

こちらが通期の業績予想を四半期ごとに積み上げたグラフです。

第1四半期の実績については、計画に対して売上高がプラス6.9パーセント、営業利益はプラス18.5パーセントとなっていまして、こちらも順調に推移している状況です。

四半期売上高推移

四半期ごとの売上高の推移です。2015年に「minne」のプロモーションを強化して以降、それぞれの事業ともに右肩上がりで成長しています。23億9,000万円と、過去最高の四半期売上高となっている状況です。

四半期営業利益推移

四半期ごとの営業利益の推移です。こちらも2015年の「minne」のプロモーションを開始した当初は、利益を削ってでも投資をしていました。それ以降は順調に成長していまして、プロモーションを緩めた昨年からは大幅に利益が回復している状況です。

一方、GMOクリエイターズネットワークのジョインに伴う損失が発生している状況です。

セグメント別業績

続いてセグメント別の業績です。売上高に関しては、EC支援事業が昨年同期比123.4パーセントと大きく貢献しています。また、営業利益に関しては「FREENANCE」に投資を行っているため、「その他」の利益が減少している状況です。

ホスティング事業

各セグメントの状況を、ホスティング事業から説明します。売上高は前年同期比101.4パーセントの11億4,300万円、営業利益が前年同期比98.8パーセントの3億3,900万円となっています。

ホスティング事業(ロリポップ!)

各サービスの状況です。レンタルサーバーの「ロリポップ!」です。売上高は昨年同期比で103.1パーセントの4億5,600万円、営業利益は前年同期比で98.3パーセントの2億1,700万円となっています。

契約件数に関しては横ばいですが、上位プランやオプション機能への誘導成果が出まして、顧客単価が上昇しており、増収となっています。

一方で、営業利益に関しては人件費の増加により減益となっています。

ホスティング事業(ムームードメイン)

続いて「ムームードメイン」の状況です。売上高は前年同期比100.7パーセントの5億2,300万円と横ばいでした。継続的なクロスセル施策の実施や円高の影響により利益率が改善しまして、営業利益は前年同期比で110.7パーセントの7,200万円となっています。

EC支援事業

続いてEC支援事業です。売上高は前年同期比で123.4パーセントの6億9,600万円、営業利益は前年同期比102.2パーセントの2億2,800万円となっています。

EC支援事業(カラーミーショップ)

ネットショップ開業作成サービスの「カラーミーショップ」です。売上高は前年同期比102.4パーセントの3億5,000万円、営業利益は前年同期比93.9パーセントの1億9,300万円となりました。

契約件数は減少傾向ではあるものの、アップセルやクロスセルの施策によりホスティング事業同様に顧客単価が上昇しており、売上高は堅調に増加しています。一方でホスティング事業と同様に人件費の増加によって減益という状況です。

EC支援事業(SUZURI)

続いてオリジナルグッズ、アイテムの作成・販売サービスの「SUZURI」です。売上高が前年同期比220.4パーセントの2億5,600万円、営業利益は前年同期と比較して1,300万円の増加となりました。

2018年後半より、開発や企画などサービス運営や企画に関わる人員を強化しています。その結果として、キャンペーンもそうなのですが、アイテムの増加や作っていただけるクリエイターさまの誘致により売上高が2倍以上に成長している状況です。

ハンドメイド事業

続いてハンドメイドの状況です。こちらは「minne」というサービスが属しています。売上高は前年同期比100.2パーセントの4億5,700万円となりました。営業利益は前年同期比で192.2パーセントの8,000万円となりました。

売上高に関しては新型コロナウイルスの拡大を受けましてハンドメイド・マーケットというリアルイベントを中止し、イベントの売上がなかったものの、全体としては流通額が増加しており、昨年と同じ水準となっています。

営業利益に関しては、流通額の増加に加えて先ほど申し上げたイベントの中止によるコストの減少が影響し、増益となっている状況です。

minne作家数・作品数・アプリDL数

「minne」に各種KPIです。作家数が63万人、作品数が1,112万点、ダウンロード数が1,149万DLと、いずれも引き続き順調です。

minne流通額・注文単価・注文件数

続いて流通額・注文単価・注文件数です。プロモーションの効率的な運用に加えて、巣ごもり需要により流通額が前年同期比で106.4パーセントの34億円となっています。こちらに関しては、昨年からプロモーションを抑えており、昨年の第1四半期は1月ぐらいまではプロモーションをかけていたのですが、2月、3月以降はプロモーションを抑えました。

今年に関してはすでに昨年と同様にプロモーションを抑えていますが、底を打って上昇基調に転じてきているのではないかと思います。

その他

その他の事業に関してです。その他の事業にはブログのサービスである「JUGEM」に加え、GMOクリエイターズネットワークが運営しているWebコンテンツの制作事業と「FREENANCE」が属しています。

2019年の第2四半期よりGMOクリエイターズネットワークを連結しているため、売上高が大きく伸びまして、前年同期比278.2パーセントの1億円となっています。

営業利益に関しては、「FREENANCE」の投資を継続していることにより、2019年12月期第2四半期より損失が拡大しています。前年同期と比較して9,000万円減少のマイナス7,600万円となっています。

FREENANCE KPI推移

続きまして、フリーランス向けのファクタリングサービス「FREENANCE」の状況です。請求書の買取額を構成するそれぞれのKPIの推移は、ご覧のとおりです。

とくに利用者数と平均請求書の買取額が大きく上昇しています。

FREENANCE 請求書買取額推移

請求書買取額の推移です。各種のKPIが増加したことにより、順調に成長しています。またリピーターからの請求書の買取が70パーセントを占めています。

その積み上げにより、ストック型のビジネスモデルを実現しています。このような状況ではありますが、請求書の買取依頼は増加傾向にあり、ニーズ自体は上がっています。

一方で、2020年1月から審査を強化しており、2020年12月期第1四半期は直前の四半期に比べると120パーセントにとどまっている状況です。

以上が、それぞれの事業の状況でした。

GMOインターネットグループの対応

続いて、新型コロナウィルス感染症に関する対策や影響について説明します。まずは、GMOインターネットグループにおける対応状況を記載したページです。

我々は社員をパートナーと呼んでいますが、GMOインターネットグループとしてはパートナーのみなさまの健康や安全を守るとともに、このウィルス感染症自体の拡大防止のために、国内でもいち早く1月26日から在宅勤務体制へ移行しています。

それに伴い、採用の面接や株主総会のオンライン化、削減されたオフィスコスト・経費の還元、電子契約へのシフトなど、グループとしてもさまざまな対応を行なっている状況です。

当社における在宅勤務体制の状況

当社においても在宅勤務体制に移行していまして、従来と同様に事業運営が実現しています。もうすでに、100パーセントリモートワークが実現している状況です。

こちらは、東日本大震災以降定期的に在宅勤務の訓練をしていることと、昨今の地球温暖化により、猛暑や大型台風の上陸などの気象変動が大きくなっていますので、それに合わせて働き方も柔軟な対応するために問題点を洗い出し、改善をしていたため、リモートワークにすぐ移行できると日常的に判断していました。その結果として、在宅勤務の移行後も、事業運営において大きな問題は発生していません。

また、長期間にわたって在宅勤務体制を継続しているため、コロナウィルスが終息しても、リモートワークが継続できる環境が整ったのではないかと考えています。これにより、将来的には賃料や水道光熱費など、オフィスコストの削減が可能になるのではないかと見ています。

当社における全体的な取り組み

続いて、当社における全社的な取り組みです。まず働き方への取り組み、そして感染症拡大防止への取り組みについてお話しします。

働き方に関しては、政府の要請による保育園や学校の休校がありました。そのなかで、お子さまをお持ちのパートナーの方々が安心して働けるように、またご自宅が業務になかなか集中できない環境ということもありますので、育児中のパートナーに関しては、特別に有給休暇を付与しています。また、在宅勤務によって削減されたコストをパートナーに還元をする取り組みも始めています。

感染症拡大防止への取り組みとしては、この決算説明会もそうですが、株主総会、面接、入社式など、人との接点を減らすためにリモート開催しているということ、あとは先ほども申し上げた「minne」のハンドメイドマーケットも、毎年数万名の方がお越しいただくイベントなのですが、いち早くイベントの中止を決定して、出店していただく作家のみなさまやチケットを買って入場されるファンのみなさまにも安全にしていただくための対応を行っています。

当社における主なサービスの取り組み

また、各サービスの取り組みですが、一例としてご紹介しますと「SUZURI」では当社のハンドメイドマーケットのようにイベントが中止になったクリエイターさまや、音楽のライブができなくなったアーティストの方々への支援として、グッズ・アイテムを特別価格で提供できる支援を行なっています。

また「FREENANCE」では、より影響を受けやすいフリーランスの方々への支援として、即日払いを有利な条件で提供できるような対応も始めています。

また、当社のサービスをご利用いただいている方々がネットショップで拡販されたり、いろいろな地方・地域でケータリング・テイクアウトの取り組みをされている方たちをまとめるサイトを作っていらっしゃる方向けに当社がサイトを提供し、集客のご支援をするような特設サイトを本日公開しています。

新型コロナウィルス感染症によるEC関連サービスへの影響

続いて事業への影響です。とくに影響を受けているのはEC関連サービスです。こちらはそれぞれのサービスの流通額の推移です。「カラーミーショップ」「SUZURI」「minne」の流通額は、それぞれ巣ごもり需要が追い風となっていて、いずれも伸びています。

とくに「minne」に関しては、マスクそのものの販売は転売防止の観点で一時期中止をしていましたが、マスクを作るためのキットやマスクに付けるアクセサリーのニーズが存在しているようです。引き続き、EC関連サービスに関しては売上高の増加が見込めると思っています。

まとめ

最後に、新型コロナウイルスに関する対応状況や影響のまとめです。全社的にはフルリモートの体制が継続していて、事業には影響はございません。また、コロナ終息後においても、リモートワーク体制の継続が可能であると考えています。これを前提として、全社のコストの見直しを実施するとともに、当社の新しい働き方を検討していきたいと考えます。

また事業面においては、ホスティング事業は契約件数に影響はなく、4月も申込数は増加傾向にあります。「FREENANCE」においてはフリーランスの高まる資金ニーズに対応し、一方で審査を強化しつつ、請求書買取額の増加を図っていきます。そして、巣ごもり需要で流通額が伸びているEC関連サービスについては、プロモーションやキャンペーンなどさまざまな施策を検討し、これをチャンスとして事業拡大を図っていきたいと思っています。

以上が、2020年12月期第1四半期の決算説明でした。

今まで当社はとくに個人の方々を中心とした表現活動や、インターネットを使ったさまざまな自己実現のご支援をさせていただいてきました。コロナ禍においては、法人の方々もそうですが、やはりいろいろな方々の行動が制限されて、オフラインからオンラインへのシフトが急速に進んでいくと見ています。

当社もそこを機会として、当社のユーザーさまがこのコロナ禍で、まずはしっかりと事業や表現を続けていただけるよう、当社としてもサポートするとともに、当社はDX領域においてもいろいろなことができると思っていますので、そこに対して事業の機会を作り、成長していきたいと思っています。以上で、第1四半期の決算説明会を終了します。ご視聴ありがとうございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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