ここまで、「リスク」という言葉を使ってきましたが、投資家が使う「リスク」という言葉は、一般的に使われている意味とは異なります。

投資のプロの世界では、「リスク」という言葉を「危ないもの」とか「避けるべきもの」という意味では使いません。私たちは、リスクとは「変動率」のことを指して、そう言います。要するに「ブレ幅」のことです。

リスクとリターンの関係

ハイリスク、ローリスクと言いますが、ブレ幅が大きいのがハイリスク、小さいのがローリスクです。

ハイリスク・ハイリターンならば、ブレ幅が大きい分だけ大きなリターンがあり得る、ローリスク・ローリターンならブレ幅が小さい分だけリターンも小さくなるという意味です。

「ノーリスク」というのは「ブレ幅ゼロ」のことです。リターンは、ブレ幅から生まれるものですから、ノーリスクでリターンが得られることはあり得ません。投資の世界では、ノーリスクはノーリターン、すなわち「儲からない」という意味です。

ですから「元本保証で資産が倍増する」という宣伝文句には、何か裏があるのではないかと疑うべきなのです。決して、ノーリスク=安全という意味ではありません。注意しましょう。