シスメックス、円高影響やバイオ診断薬拠点新設による研究開発費増加により3Qは増収減益

2020年2月5日に行われた、シスメックス株式会社2020年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:シスメックス株式会社 取締役 専務執行役員 CFO 中島幸男 氏

決算総括

中島幸男氏:シスメックスの中島です。2020年3月期第3四半期の決算概要についてご説明いたします。

2ページ目をご覧ください。まず決算総括です。売上高は2,181億6,000万円で伸長率が4.7パーセント増加、営業利益は404億2,000万円で5パーセント減少、四半期利益は264億9,000万円で8.3パーセント減少となりました。

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売上高は円高の影響を受けましたが、国内、海外ともに伸長し増収となりました。営業利益は、増収効果により粗利益は増加したものの、円高の影響や海外における販売体制の強化などによる販管費の増加、バイオ診断薬拠点の新設による研究開発費の増加などにより、減益となりました。

左下の表をご覧ください。為替ですが前年同期比でドルは2.4円、ユーロは8.4円、元は1円、それぞれの通貨ともに円高となりました。為替の影響は売上高で94億3,000万円のマイナスインパクト、営業利益は32億7,000万円のマイナスインパクトとなりました。

四半期利益は為替差損の影響や税負担率の増加などにより、減益となりました。税率は29.2パーセントで、対前期で1.4ポイント増加しました。

売上高の増減要因(地域別)

次のページをご覧ください。売上高の増減要因です。すべての地域において円貨および現地通貨ベースともに増収となりました。現地通貨ベースではAP、EMEA、中国が10パーセント超、日本、米州は6パーセント超の伸長になりました。

売上高への為替の影響は全体で94億3,000万円のマイナスインパクト、地域別では米州で13億8,000万円のマイナスインパクト、EMEAが37億4,000万円のマイナスインパクト、中国が36億1,000万円のマイナスインパクト、APが6億8,000万円のマイナスインパクトとなりました。

事業別・品目別売上高

次のページをご覧ください。事業別・品目別の売上高です。まずIVD事業ですが、主にヘマトロジーと免疫分野が伸長し、前期レート適用の場合9.2パーセント増加となりました。ヘマトロジーは機器設置台数の増加やAP地域でのデング熱流行などにより試薬売上が伸長し、増収となりました。

凝固は、機器の売上が堅調に推移した日本や中国が牽引し増収となりました。尿は米国での新製品導入遅れがありましたが、イギリスやフランスでの直接販売の伸長や設置台数の増加により試薬売上が伸長し増収となりました。免疫は中国、日本に加えてAPでも試薬売上が伸長し、増収となりました。

ライフサイエンス事業ですが、前期レート適用の場合11.1パーセント増加となりました。EMEAにおける「OSNA」などの売上伸長や、日本における「NCCオンコパネル」の受託件数の増加などにより、増収となりました。

営業利益の増減要因

次のページをご覧ください。営業利益の増減要因です。増収により粗利が増加しましたが、円高の影響や海外における販売体制の強化などによる販管費の増加、バイオ診断薬拠点の新設による研究開発費の増加などにより、減益となりました。為替の影響は32億7,000万円のマイナスインパクトとなっています。

原価率は1.6ポイント悪化し、そのなかの0.7ポイントは中国のサービス委託費を販管費から原価へ組み替えた影響であり、実質は0.9ポイントの悪化となりました。プロダクトミックスによる改善はありましたが、機器での仕入れの増加や米国、中国での人員増加にともなうサービスコスト増加などにより悪化しました。なお、原価率における為替の影響はありません。

販管費は、日本における人員増加やストックオプションの付与、米州、EMEAにおける販売体制の強化などにより増加しました。研究開発費はヘマトロジーの新製品やライフサイエンス事業への投資に加え、バイオ診断薬拠点に関連する費用などにより増加しました。

米州(地域別)

次のページをご覧ください。ここからが地域別の取り組みです。まず米州ですが、売上高が506億7,000万円、伸長率が3.9パーセント増加となりました。米国の凝固、尿分野が減収となりましたが、北米、中南米ともにヘマトロジー分野の売上が伸長し、増収となりました。

機器は、米国において前年同期に大手検査センター向け案件があった凝固分野の売上減少に加え、尿分野における新製品の市場導入遅れも影響し、微増となりました。

試薬は、ヘマトロジー機器の設置台数の増加により、北米、中南米ともに試薬売上が堅調に推移し、増収となりました。

現地通貨ベースの売上高は6.4パーセント増加しました。地域別の売上伸長率は、米国で4.2パーセント増、カナダで10.5パーセント増、中南米で13.4パーセント増となりました。第3四半期より販売体制を変更し、中下位市場での直接マーケティングを開始したブラジルにおける売上が伸長し、増収となりました。

EMEA(地域別)

次のページをご覧ください。EMEAですが、売上高が570億円、伸長率が3.2パーセント増加しました。北欧、東欧、中東などのヘマトロジー分野の売上が伸長したことに加え、イギリス、フランスにおける尿分野の直接販売などが伸長し、増収となりました。

機器は、主にヘマトロジー分野において、北欧などでのシステム製品の販売に加え、東欧での検査センター案件の獲得や、イギリスやフランスでの尿分野の売上が伸長し、増収となりました。

試薬は、中東やロシアなどにおけるヘマトロジー分野や尿分野の機器設置台数の増加により試薬売上が伸長し、増収となりました。現地通貨ベースの売上高は10.4パーセント増加しました。

地域別の売上伸長率ですが、主要5ヶ国が5.6パーセント増、その他欧州が13.2パーセント増、中東が19.3パーセント増、東欧とロシアが16.1パーセント増、アフリカが6.9パーセント増となりました。

中国(地域別)

次のページをご覧ください。中国は、売上高が565億9,000万円、伸長率が3.3パーセント増加しました。ヘマトロジーや免疫、尿分野の試薬とサービスの売上増加に加え、凝固分野の機器売上も伸長し、増収となりました。現地通貨ベースの売上高は10パーセント増加しました。

機器は、第3四半期より販売を開始した凝固分野の自社搬送装置の売上伸長などが牽引し、増収となりました。

試薬は、試薬からサービスへの組み替えがあり減収となりましたが、組み替えの影響を除くとヘマトロジー、尿、免疫分野などの売上が堅調に伸長し、8.9パーセントの増収となりました。なお、組み替えによる影響額は約15億円です。

分野別の売上伸長率、現地通貨ベースですが、ヘマトロジー分野が13.7パーセント増、凝固分野が6.8パーセント増、尿分野が3.8パーセント増、免疫分野が15.9パーセント増となりました。

また、12月に「OSNA法」による乳がんリンパ節転移検査システムの薬事承認を取得しました。第4四半期より発売開始の見込みです。

なお、新型のコロナウイルスに関する当社の状況ですが、コロナウイルスの発生により中国においてヘマトロジー検査、それからCRP、つまり炎症マーカーが増加しています。このため、一部病院からはヘマトロジーなどの機器や試薬の設置および納品依頼が増加しており、順次対応を行なっているところです。現時点で生産について大きな影響はないと考えています。

AP(地域別)

次のページをご覧ください。APは、売上高が198億8,000万円、伸長率が12.1パーセント増加しました。4月より販売体制を変更したインドにおけるヘマトロジー分野の売上伸長や、東南アジア、南アジア地域を中心としたヘマトロジー試薬売上の伸長などにより、増収となりました。

機器は、インドやタイにおけるヘマトロジー分野の売上が伸長し、増収となりました。試薬は東南アジア、南アジア地域を中心にデング熱の流行が継続し、ヘマトロジー試薬売上が伸長したことに加え、免疫試薬の売上も貢献し、増収になっています。

地域別の売上伸長率ですが、東南アジアが18.3パーセント増、南アジアが29.3パーセント減、韓国と台湾が1.6パーセント減となりました。韓国は現地通貨ベースでは9.8パーセント伸長したものの、円高の影響により減収となりました。また、台湾は前年の大型案件の影響などにより、減収となりました。

なお、一部地域ではデング熱は依然として収束しておらず、ヘマトロジー検査の高い需要が継続しています。

日本(地域別)

次のページをご覧ください。日本は、売上高が339億9,000万円で、伸長率が6.8パーセント増加しました。ヘマトロジーおよび凝固分野における機器売上の伸長や、機器設置台数の増加にともなう試薬売上の伸長などにより、増収となりました。

機器売上は18.3パーセント増加し、ヘマトロジー分野の大型案件獲得や凝固分野の機器新製品の販売が好調に推移し、増収となりました。試薬は4.6パーセント増加し、凝固分野や免疫分野の試薬売上の伸長などにより、増収となりました。

サービス・その他は3.8パーセント増加し、6月より開始した「NCCオンコパネル」の受託件数の増加などにより、増収となりました。

連結 通期業績予想

次のページをご覧ください。通期の業績予想ですが、11月公表より変更はありません。

以上で説明を終わりますが、少し間違いがあります。APの南アジアの売上伸長率について、「29.3パーセント減」とお伝えしましたが、「29.3パーセント増」の間違いです。申し訳ございません、訂正します。以上でございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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