米半導体大手のマイクロンテクノロジーが発表した2020年度第2四半期(19年12月~20年2月)業績は、売上高が48億ドル(前四半期比7%減/前年同期比18%減)、営業利益率が11.3%(同0.2ポイント減/24.9ポイント減)となり、売上高は減収ながらも当初ガイダンスのミッドレンジを上回る結果となった。新型コロナウイルスの感染拡大でスマートフォンなどコンシューマー製品の需要落ち込みが危惧されるなか、データセンター(DC)向けの需要は引き続き高い水準となる見通し。

DRAMは1月からフル稼働に

 第2四半期は新型コロナの影響で、中国におけるコンシューマー製品の需要が落ち込んだものの、ゲーミングやeコマース、リモートワークの増加に対応したDC需要の拡大が見られた。第3四半期はこうした傾向がその他の地域でも広がる見通しだという。また、リモートワーク、バーチャルラーニング増加により、商業および教育用途向けPC需要も増加したと言及。一方、スマホ・民生・自動車向け需要は20年度下期において前回予測よりも低下すると予測する。

 売上高の64%を占めているDRAMは、ビット出荷が同10%減/同20%増超となり、売上高ベースでは同11%減/同26%減となった。ASP(平均売価)はDC向け需要の拡大に伴い、前四半期比で横ばいと価格下落に歯止めがかかった。

 DRAMはこれまで需給環境改善のため、生産調整を行っていたが、20年1月初頭からフル稼働に回復した。微細化の進展状況について、20年夏にビット生産の半分以上が1Ynm、または1Znmに切り替わる見通しだという。

 NANDはビット出荷が前四半期比で1桁台前半の減少となった。3D-NANDにおいて、RG(Replacement Gate)方式への技術移行を行っていることもあり、ウエハー投入が減少。これによりビット出荷は減少しているものの、ASP上昇の効果もあり、売上高ベースでは増収となった。RG方式を採用した3D-NAND(128層世代)は、第3四半期から量産開始、第4四半期に売上計上を見込む。

設備投資計画の見直し示唆

 第3四半期は売上高46億~52億ドル(ミッドレンジで前四半期比2%増)を計画する。顧客からの需要は旺盛で価格動向も上向きながら、マクロ経済の見通しが悪化しているため、注視が必要であるとした。また、設備投資は従来どおり20年度に70億~80億ドルを計画するが、昨今の状況を考慮して20年(暦年)の生産および投資計画を見直しており、必要に応じて調整を行う方針。

電子デバイス産業新聞 副編集長 稲葉 雅巳